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紙の本
1970年代の世界的名著が2021年に蘇った
2021/11/14 23:59
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:みなとかずあき - この投稿者のレビュー一覧を見る
章立てもされておらず、小見出しもなく、数行から数十行の文章がただ書き並べられているだけの本。何人かの名前が登場するが、どこの誰かもはっきりとはわからず、何とも不思議な本だ。
ただ、そこに書かれている個人の内面の吐露とでも言うべき言葉の数々には、どこか共感できるところがちりばめられている。おそらく若者なのであろう。世の中とうまく折り合っていくことができず、どうすれば良いのか、それでも自分はどうしたいのか、どうすべきなのかといったことを考えた跡としての言葉が並んでいる。そこには、共感できる言葉も、感心する言葉も、ただただ並べられているといった感じだ。
原書は1976年にアメリカで出版されたというから、もう半世紀近く前のこと。書かれたのはさらに時間を遡り、1970年ということだ。当時32歳の無名の若者の個人の日記からの抜粋だという。もう半世紀以上前ということになる。日本で翻訳書が出版されたのでも40年になるというのだから、もう歴史のかなたの本とも言えるかもしれない。そんな時代にベストセラーとなったらしいが、21世紀になって蘇った。1970年頃の世界と2021年の世界に何か共通するものがあるのかもしれない。
もっとも、この本全体はやはり若者が書いた言葉であるという雰囲気がありありとしており、それが歳を経た者からすると幼く拙くもみえ、うらやましくもみえる。きっと誰もが通りすぎてくる若者の時代の悩みや希望が書かれているのであり、時に不安定で時に確信を持って語られているということなのだろう。そして、それが時に格言めいた言葉のようにも読めてしまい、ずっと読んでいると何だかどこかの格言集のようにも感じられてしまった。確かに、良いことを言っているところがいくつもあるんだけれど。
個人的には、翻訳者に惹かれて読んだというのが大きい。以前よりベストセラーだったということは知っていたが、久しく書店の棚に並ぶことがなくなっていたので、読み損なっていたのだ。
原書がどのような感じで書かれているのかわからないが、日本語訳を読んでいると、これぞきたやまおさむだと思えるところがいくつもあった。平易な日本語でとても深いことが語られているのだ。この語り口は、きたやまおさむが作詞した多くの歌に共通していることのように思えた。
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