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本作も一気に読みました。
2021/03/22 21:59
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投稿者:ら君 - この投稿者のレビュー一覧を見る
国境なき医師団の本を読むたびに、国際情勢を知らない自分に愕然とします。井の中の蛙です。
そして、国境なき医師団の本を読むごとに、世界にはたくさんのたいへんな状況の人たちと、その人たちを支えようとする素敵な人たちがいるということを知ることができます。
毎回、一気読みです。
ホントで貯めたポイントを寄付していきます。
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中東の現実を教えてもらいました。ガザ地区のドローンによる監視、足を狙う狙撃、それでもデモを行うしかない人々の現実。やるせません。本筋ではありませんが、本書で心に引っ掛かったのは二つの記述。一つは著者がヨルダンで掛けられた「日本人は外国人を嫌うって本当かい?」の一言。そして、著者による、日本が「他国の難儀に目を向けない国になっている」との指摘。「ぐさり」ときました。
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自分はジャーナリストではなく作家であるという、いとうせいこうさんの矜持が、一気に読ませてくれた気がする。
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いとうせいこうさんのルポとても良かった。前作が出版された時か(未読)、Twitterで出発されるのを知った時か(フォローはしてない)なぜいとうさんが?と思ったが、いとうさんであればこそのルポになっていて、さすがだと思った。
ずっと緊張したまま読んでいて、砂漠のツアーのところでホッと一息つけた。「ど忘れ書道」以来の読書中での爆笑だった。そこで休めたので、最後また気を引き締めて読めた。兄弟の火傷前の顔が浮かぶ奇跡のところでは涙が出た。
「国境なき医師団」を訪ねるということで、読む前は医療従事者、スタッフの取材とばかり思っていたが、それはもちろんあるが、患者さんへのインタビューが多くて、写真も豊富で、現実の厳しさに圧倒された。
パレスチナの様子は映画やドキュメンタリーで何度か触れているのだが、映像より活字の方が伝わる。あれ?と思うが、いとうさんを通して知るというのが大きいのか。人柄?筆力?なんかやっぱりすごい。
イエメンの内戦はなんとなくしか知らず、知る努力もしてなかったが、これから注視していこうと思った。
これも勝手に想像していたことだが、「国境なき医師団」というのは紛争地で救急的な措置をしていらっしゃるイメージを持っていた。一時的な治療を終えた患者さんをじっくり治療されていくのだということを知った。当たり前のことだけれど、気づいてなかったのは、外科的な治療だけでなく、精神的な治療も重要だということだった。
若い患者が多く、本にも書かれていたが、この先の人生が長い。死ななくて本当に良かった、本当にそう思えるような人生が送れるよう、とことん治療をしていく必要があり、それを実践、支援していく人がいらっしゃる。世界各地から集まった方々に、私からもお礼を言いたいし、敬意を感じる。
空爆、銃撃、自爆テロ…若い人の命が奪われ、肉体が損なわれる。少しずつでも平和に向かって世界が進んでほしい。
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日本から遠く離れた中東の国々で生きる人々の困難と希望を伝える1冊。
この本を読んで、トランプがイスラエルの米国大使館をエルサレムに移したことでどれだけ多くのパレスチナ人の市民の命や健康が奪われたのかを知り、胸が痛くなりました。たくさんの人を殺すと国際的に非難されるため、わざと足を狙って撃つという姑息な手段。。本当に信じられない。
怪我をしても平和のために戦う人々の心境や、その治療やメンタルケアにあたるMSFの人々の仕事に対する想いを作家であるいとうせいこうさんが綴る。
こういったルポタージュのおかげで世界の今を知ることができるので、とてもありがたいです。
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前作に続き、MSFの現地活動を追ったルポルタージュ。前作がMSFという組織のミッションや、活動の幅広さに焦点を当ててたのに対し、今回はパレスチナをはじめとする中東の戦乱で傷付いた人々により迫る内容だった。遠い海の向こう側で、危険に晒されながら生きる人々のことを想うきっかけを与えてくれる
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現場の様子がよく分かる。語り口も淡々として、事実の記述が中心。写真が豊富でドキュメンタリー番組のようにビジュアルも印象に残る。複雑な民族と政治の事情、歴史的背景のため、とにかく医療の現場は大変。ニュースでは知りえないことが分かる。ガザの人々がとてもフレンドリーであることは微笑ましい。
最近のガザの状況、インドのパンデミックの状況など、胸が痛む。国境なき医師団MSFへ支援、寄付したい気持ちが自然に湧く。
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「国境なき医師団を見に行く」のシリーズと言ってもいいでしょうか。ヨルダン川西岸地区で、とうとうガザ地区へも行かれています。世界でも有数の不自由で危険な地区であることは世界に知れ渡っています。治安の問題では無くあくまでイスラエルからの無差別攻撃によってです。
アメリカが支持していたり、高い技術力で世界にアピールしていたりと、世界的にも注目されている国ですが、ガザ地区が存在する意味合いを理解している人は非常に少ないと思います。
パレスチナ問題に関しては
「ぼくの村は壁で囲まれた―パレスチナに生きる子どもたち」
「まんがパレスチナ問題」
「続 まんがパレスチナ問題」
がとても分かりやすいので是非読んで頂きたいです。
イスラエルからの爆撃や狙撃、砲撃で体の一部を失った人や、酷いやけどを負った人々を取材しています。前回、前々回の本でいとうさんの気持ちはしっかり伝わってきましたが、今回も人々に何とか寄り添おうとしている姿が印象に残りました。正直いとうさんはインタビュアーには向いていない気がするのですが、真摯に向き合っている姿で感じさせることが出来ているので、ある意味ジャーナリズムの持つドライさとは一線を画したウエットな感じが有り、僕はそこに惹かれます。
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恥ずかしながら、ガザと西岸地区という2つのパレスチナ自治区がどういう場所なのか、自分は理解していなかった。そして、足を撃ち抜くということがどれかで非道であるかということも。
いとうせいこうさん、よく書いてくれた。
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いとうせいこうがコロナウィルスの世界的なパンデミックの直前に、パレスチナ、アンマンの国境なき医師団の活動を現地に赴いてまとめたルポルタージュ。
ガザで毎週金曜日に行われるデモで、デモ参加者(デモに参加していない野次馬的人も)がイスラエル軍から足を狙って狙撃されるという話も、多くの写真も掲載されている事も相まって、そのような信じられない事が本当に起こっているという事が伝わってくる。
また、そのようにして一命をとりとめるものの、外科的な損傷だけではなく骨への感染症も併発してしまう事から、その後の治療・リハビリに長い時間が必要とされる事、それに伴って精神的なケアも必要となるという事も、この本で初めて目にした。
この本は日付の記載を見ると約10日間の滞在を記録したものであり、加えて様々な事情から一人ひとりの患者に深く聞き込みをしているものではないため、その駆け足なところが多少気になったのはあるが、著者とて当事者ではなく、どのように患者に声をかけるべきなのか、身体の損傷が見える患者にはどこに目線を向けるべきだったのか、逡巡していたことがそのまま書かれている。
それを読む私は、それこそ平和ボケという事なのだろうが、今の自分にとって戦争によって苦しめられる人々がいる事自体に実感がわかないというのが正直な状況なのだけど、著者の非当事者としても視点による記載が、あくまで入り口として自分にはちょうど良いのかもしれない。少なくともこの本を読んで、イスラエルの問題、その他紛争地域の問題、国境なき医師団、ペインクリニックなど様々キーワードをもとに自分の興味を広げていけるような気がする。
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まさか、いとうせいこう氏が国境なき医師団を取材しているとは思ってもいなかった。白川優子さんの著書を読んでネットで検索などをしていたら、いとうせいこう氏との対談記事が出てきて判明。すぐさま最新のものを読んでみた。中東情勢の緊迫感が半端ないことがわかる。怪我をしている方達への取材に躊躇してしまう様はとても共感が持てた。もっと話を聴きたい(読みたい)と思った。以前上梓されたものも読んでみようと思う。
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中東の情勢に詳しくないため、何度も最初にある地図を見て地理を理解する。
「パレスチナ」「ガザ」「イスラエル」単語だけは知っているが、そこが現在どのような状況に置かれているか、私はよくわからない。
本書を読み、ガザ地区での「偉大なる帰還のための行進」という抗議デモで、毎週金曜日若者の負傷者がどんどん増えている現状を知る。土地を奪われたパレスチナ難民の帰還とガザの封鎖解除を訴える行動。
デモで撃たれ、もうデモになんか参加しない、という若者がいる一方で、デモで怪我を負ったものにはハマスから金銭が贈られるらしく、職がない若者としては、そこに行って撃たれること以外、暮らす道がない人もいる。
なんという、世の矛盾。一部現状を知り、言葉が出ない。
本書には写真がたくさん掲載されており、現地の人々の過酷な状況がよくわかる。
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https://bookclub.kodansha.co.jp/product?item=0000348800
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【ガザの海岸で、知りあったばかりの異国人から伝言を依頼されたおかげで俺は、自分の人生の駆動原理を知ったのであった】(文中より引用)
作家・タレントなどの様々な顔を持ついとうせいこうが、パレスチナやヨルダンの「国境なき医師団」を訪れ、現場の様子をレポートした作品。フィリピンやハイチを巡った第一弾の続編的な位置付けです。
「国境なき医師団」の活動を知ることができるということはもちろんですが(個人的には精神的なサポートが予想以上に大きな役割を占めていることに驚きました)、いずれの土地も初体験のいとうせいこうさんが、どのような感情を現場の活動に対して持つようになったかを知るのも興味深かったです。
頭が下がる思いがするばかり☆5つ