紙の本
わかりやすい
2023/11/01 19:01
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投稿者:なつめ - この投稿者のレビュー一覧を見る
数十年前の著作ですが、現在でも解決していない問題が多く、興味深く読むことができました。著者の先見性に、驚きました。
紙の本
自動車事故の起きない自動運転時代になれば、問題解決なのか
2021/06/29 01:15
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投稿者:719h - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書では冒頭から登場する、
内部化という耳慣れない言葉の、
一つの用法を、この本で覚えた気がします。
内部化を自分の中に取り込んだ、
ってなところですかね。
それにしても、石油危機の次の年に
こんな内容の本を出して、自動車業界やら
運輸族議員やらから睨まれなかったとは
思えません。
著者の権威は、そうした威圧に立ち向かえるほど
大きかったということでしょうか。
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古本屋でブラウジングしていて題名に惹かれてゲット。面白いい。税金の無駄遣い、あるいは、外部不経済を当然の前提にした勘定調整などといった費用対効果あるいは利益考量的なものの見方に対する疑問点。そして、それよりももっと深い問題意識がこの本の中にはある。
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ここまで言えるのは凄い。でも、自動車無しで生活するのも大変な世の中になってしまった…。後戻りできないところまできてると思う。30年以上前に書かれた本だけど、この人本当に車嫌いなんだなぁ。
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現在日本は自動車なしには生きていけない社会になっている。
いろんな意味でちょっと古い本だが「こういう視点もあったのか」って思える一冊。常に本棚の手の届くところにあるお勧めの本。
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自動車が生み出す外部不経済とそれを社会的費用として内部化する方法についてコンパクトにまとめられた良書。
自動車は混雑や事故、環境汚染などの外部不経済をもたらすのだが、そのコストを計算し、自動車利用者に負担させようというのが外部コストの内部化である。本当にわかりやすくまとめてあり、経済学初心者の方でも気軽に読める!
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[ 内容 ]
自動車は現代機械文明の輝ける象徴である。
しかし、自動車による公害の発生から、また市民の安全な歩行を守るシビル・ミニマムの立場から、その無制限な増大に対する批判が生じてきた。
市民の基本的権利獲得を目指す立場から、自動車の社会的費用を具体的に算出し、その内部化の方途をさぐり、あるべき都市交通の姿を示唆する。
[ 目次 ]
序章 (自動車の問題性;市民的権利の侵害)
1 自動車の普及(現代文明の象徴としての自動車;自動車と資本主義;アメリカにおける自動車の普及;公共的交通機関の衰退と公害の発生;一九七三年の新交通法)
2 日本における自動車(急速な普及と道路の整備;都市と農村の変化;非人間的な日本の街路;異常な自動車通行)
3 自動車の社会的費用(社会的費用の概念;三つの計測例;新古典派の経済理論;社会的共通資本の捉え方;社会的コンセンサスと経済的安定性;市民的自由と効率性;社会的共通資本としての道路;自動車の社会的費用とその内部化)
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[ 関連図書 ]
[ 参考となる書評 ]
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過激だ。1974年の宇沢氏の論考。p.28 「自動車はまさに生物体に侵入したガン細胞のように、経済社会のなかで拡大していったのである。」
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「生きた学問」は偉大なる感情に裏打ちされている。そのことを思い知った。宇沢は1964年にシカゴ大学経済学部教授に就任した人物。門下生の中にはジョセフ・E・スティグリッツがいる(2001年ノーベル経済学賞受賞)。市場原理主義の総本山で、宇沢はシカゴ学派を批判した。気骨の人という形容がふさわしい。
http://sessendo.blogspot.com/2011/06/blog-post_04.html
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たしかにそうだと思われることが多い。
日本の道路行政の現実を鑑みても、無計画で適当になされているような気がしないでもない。
確かに幹線道路沿いにも狭い歩道、申し訳程度のガードレール、至近に建てられている住宅。幹線道路でなくても、踏切があれば渋滞が起き、そういう道路には路側帯しかない。
歩道橋も車が優先されていることの、証左にほかならない。
ましてや歩道に合わせて道が造られているのではなく、車道に合わせて道が造られている。これを人権と合わせて考えると、基本的人権の侵害と言えるかも知れない。全部変えるのは非現実的ではあるだろうが、一つの考え方では確かにある。
昔は交通戦争と云って年間3万人以上交通事故(事故発生から24時間にん以内に死んだ人)が発生していたが、今では4千人前後まで減った。しかしそのうちの3分の2は、65歳以上の高齢者である。
東京という街は、若い人に合わせて全てが設計されている。再開発され、少しずつ変わってきてはいるのだろうが、どこまで進むのだろう。立体交差や信号の時間の設定など、挙げるべき点は多々ある。
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自動車を利用するすべての人が、関係する費用を考える。
1 道路整備(高速道路,一般道)
2 交通信号機整備
3 交通事故対応、保険
4 運転免許,自動車教習
1と2は社会的費用だが、適正に受益者が負担しているかどうかは分からない。
社会的費用の視点を明確に示した良書である。
とかく経済学は政治的な論調に振り回されすぎることがあり、
高速道路の無料実験も経済学的評価の枠組みを明確にしていない点に課題があるだろう。
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宇沢先生が、自動車の効用について経済学的にどのように考えるか解説した本。んまぁおもしろかったが、自動車の効用と言うよりやはり経済学的な考え方の本だったかな。
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・日本の道路設計は自動車を使う利益にばかり目が向けられ不利益(=事故,騒音等公害)が考えられていない.
・自動車にかかる費用が自動車を使わない人にも分配されてしまっている.
感想:自動車を国家産業にするために意図的に目を背けてきた部分もあるのではないかなぁ..という感がある.じゃあ道路を歩行者が通りやすいよう整備しなおしましょうといっても,ある程度経済的に発展してしまうと特に都市部ではこれを是正するには膨大なコストがかかってしまう(新興国ならある程度可能?).
地方での新たな街づくりのあり方として考えると,ある程度の一極集中+車に頼らない街づくりはありなのでは?もちろん地方分権が進むことが前提ですが...
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たしかに、日本の道路は歩行者に配慮在る作りになってはいないが、中国なんかに比べると、運転手が歩行者に配慮しながら走っていることが多いことを鑑みれば、まし、と言えるのではないだろうか。
作者は、一貫して車を「悪」とみなしていたが、経済がここまで発展したのは車のおかげであり、今の生活にはなくてはならないものである以上、車が優先されてもしかたがないことなのではないかなぁ。と。
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日本の経済学界を代表する宇沢弘文氏による本であるということ、かつTPPでは経済学者では珍しく反対という立場で鮮明にしていたということで、彼の主張にふれておきたいと思ったので、手にとってみた。正直言うと、岩波でこのクオリティというのは頂けなかった。自動車社会に対する不安を考慮すべきという視点はそれなりに評価すべき点ではあったと思うが、議論の進め方がやや緻密さを欠いていた点で岩波らしさを感じなかった。なにより研究/執筆の契機となった問題意識の書き方が情緒的で具体的な論理に支えられたものではないところが好感が持てなかったのが、本書に対する強烈な感想である。感覚的に経済学に反感を持った人たちには非常に扇情的で共感は得られ、場合によってはバイブルとして位置付けられそうな本であるとは思うが、そこまでの思想的及び学問的含蓄はない。細かな点として、ホフマン法による統計的生命価値を批判しているところは、社会的/文化的価値を含めた生命価値に対する評価額を踏まえた現在の統計的生命価値の算出方法を知っている私にとっては的外れであった。仮に執筆時期において最新の統計的生命価値の算出方法がなかったとしても、著者の批判は建設的批判とは言えなかった。他にも必需品の価格弾力性についても現実味が不十分であると思った。なぜなら、必需品とはいいつつもその中身及び種類は多様であり、弾力性が低いと一様には決められず、むしろ牛丼などの現実ぼ例が示すとおり、価格弾力性は比較的高く、そしてデフレが問題になるほど価格が下がっているからだ。ただ負の所得税によるインフレ可能性については検討に値すべきである。最後に、あくまで自動車の外部費用を内部化すべきと主張している点で、留保という選択肢を持つ科学者としての姿勢を欠いて、推計の困難性のみを理由に物事に反対するといったことはなかったことに、皮肉にも安心した。また宇沢さんの後世の業績としては勿体無さを感じずにはいられなかった。