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父親が癌で亡くなった。しかし、故人の遺言で解剖して欲しいと言われ、激しく抵抗する千早。そんな時、元同級生の病理医の刀袮紫織が執刀すると言い出して…
父親が元刑事だった事も、何の為に胃壁に暗号を残したのか、何もかもが解らないまま呆然とする千早に対して冷静な態度の紫織は良いコンビだったと思います。
徐々に明かされる28年前の事件。犯人は意外な人物でしたが、かなりのサイコパスでゾッとしました。
血の繋がりだけが親子じゃない。本当にその通りだと思いました。
そして、友情出演の小鳥遊!まさかここに出てくるとは思わずちょっと嬉しかったです。
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面白すぎて一日で読んでしまった
研修医をしている娘の病院に癌が見つかって父が入院していた。父が急変して亡くなったあと弁護士から父からの遺言を知り、葛藤の末、かつての同級生の解剖医に解剖してもらう。そこで発見した手がかりと昔起きた連続殺人事件との関連は…という物語。
解剖医がなぜ解剖医になったかというエピソードも面白いし、犯人が分かった瞬間も○○が犯人!!?
と驚きが隠せなかった。最後の父から娘への想いが解剖医によって分かった瞬間涙が溢れそうになった。
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読む前は"胃の暗号"と、表紙のデザインがどう繋がるのかわからなかったが、読み終わって合点がいった
知念さんの作品はいつも物語の後半に向かって期待値を上げ、ラストで一気に点と点が繋げてくる ので中毒性が高くて困る。
番外編
・本編302ページの最後のセリフ、熱い!素敵な友情!
・登場する疾患、そう来たか!って思う。最近開発が進む薬剤や、上市済み新薬も着想のヒントになってるのかなって思った。
・過去作の登場人物が付録冊子に出てきていて胸熱展開。読み直せってことか!?
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末期ガンで亡くなった外科医の千早の父。死後、解剖をするよう遺言があり、胃の中に傷でメッセージが残されていた。28年前の連続幼児誘拐殺人事件の犯人、千羽鶴がまた動き出し…。 いろいろ、ドラマみたいな展開だが、なかなか面白いミステリー。暗号の謎とか、お母さんがとっさに丁度よく、そんなことある?みたいな引っかかりもあるかなー。
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知念さんの本はラストに向かって面白さが加速する。この本も第四章は途中で栞を挟みたく無かったです。
桜井刑事イイですね〜。独特の雰囲気でお話を要所要所で盛り上げる。
刀袮先生のキャラ好きです。他のお話での再登場を期待してます。
主人公である千早の正体は何となくつかめてましたが、犯人は驚きでした。「え〜そう来るのかぁ…」思わず独り笑い…。
面白かったです。
次の作品も楽しみに待ちます。
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外科医として働いていた水城千早は研修として1年間病理医として勤務することに。そんな時、入院していた父の病状が悪化し、死亡する。すぐに弁護士が駆けつけ、千早にある伝言を言い渡される。それは、死んだら解剖してほしいということ。父の遺言に取り乱したが、結局解剖することに。
そこで、ある連続殺人事件を解くかぎが隠されていた。
序盤から、何かしらの行為をしている描写があり、その時点では詳細はわからなかったのですが、胃に文字を刻むという猟奇的な方法を衝撃を受けました。さらにそれっぽい文字をあえて小説に載せているので、より不気味さを演出していました。
文字から過去の未解決事件と繋がることになるのですが、展開がトントン拍子であり、さらに各パートの終わりには衝撃的な事実が明らかになるので、ついついページを捲りたくなりました。しまいには、一気読みでした。
内容の構成としては、病理医の千早と刑事の桜井の二人の視点で物語は進行します。医者ならではの用語や警察ならではの用語が飛び交いながらも、上手く絡まって、一連の殺人事件を解決していく過程は、読み応えがありました。
途中からは、なんとなく衝撃的な事実を匂わせるような描写があり、もしかしたら・・・と思うところはありました。最後の方になって、改めて提示されると、それはそれで衝撃的であったのですが、感動もあったので、色々楽しめました。
千早だけでなく、同期であり、病理医としては先輩の紫織の存在感も良かったです。持ち前の能力で、解決していく様は「法医学教室」のあのドラマを彷彿させてくれるので、良い味出しているなと思いました。千早の良きパートナーであり、続編をやってもいいのでは?と思うくらい、面白かったです。
28年前の事件と現代の殺人事件。犯人は明らかになるのですが、最後の方で明らかになるので、それまでが犯人は誰だろう?と興奮を掻き立ててくれます。衝撃的すぎるというわけではありませんが、意外な人物に驚きでした。
父の相棒としていた桜井が、逮捕する場面は肩の荷が降りたようなホッとした気持ちになり、良かったです。
ちなみに初回特典には、「祈りのカルテ」の登場人物と「傷痕のメッセージ」の登場人物のコラボといいましょうか、短編のスピンオフがあります。時系列としては、病理医に研修としていくことが決定したあたりのところなので、前日譚と描かれています。
「祈りのカルテ」の方は、未読ですが、仲の良い同年代の医者たちの会話が描かれていて、束の間の休息といった感じで、ほっこりした気持ちになりました。
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4日前に「祈りのカルテ」を読み終え、発売日に本書を購入(サイン本♪)、一気読みしました。
医療ミステリーでは断トツに大好きな知念作品。
本書はそこに警察も加わった医療×警察のミステリー作品です。
プロローグにて自らの胃に内視鏡を使ってメッセージを刻む男が描かれ、なんだ?なんだ?って感じで早くも本作の世界に惹き込まれました。
主人公の水城千早は純正会医科大学付属病院の外科医で、1年間の病理部への出向中であり、そこで千早のを指導するのが「元同級生の他人」である刀弥紫織。
千早が勤務する純正会医科大学付属病院には父である稔が末期癌を患い入院していた。
未明に鳴り響いた電話にて父の容態が急変した知らせを受け、病院へ駆けつけた時には既に心電図はフラットに。
千早が前日に父の病室を出ようとした時に稔が語った「たんに血が繋がっているからといって、親子になれるわけじゃない」が最後の言葉となり、その言葉が千早を苦しめる。
悲しむ間もなく千早の元を訪れた弁護士から稔が病理解剖を望んでいたことを告げられ、紫織の助手として自ら父の解剖にたちあい、紫織が体内から取り出された胃を開いた時に刻まれたメッセージが物語を動かしていきます。
徐々に明らかになる事実によって、稔が元警視庁捜査一課に所属し、28年前に起こった未解決事件である連続幼女殺人事件の犯人を追っていた事を突き止める。
当時、捜査にあたっていた稔とペアを組んでいたのが現在捜査一課にいる桜井。
父が刻んだメッセージが28年前の事件を解決する暗号であり、千早、紫織、情報を共有しながらも3人は三者三様の方法で謎を解き明かし、犯人を追い詰める。
手に汗握る展開と巧妙に仕込まれたパズルのピースが埋まった時に犯人は桜井により逮捕され、父が最愛の娘に伝えたかった言葉の意味を理解した千早は本当の意味で心身共に解放された。
いつもながらもラストで急激に全ての謎が繋がり解き明かされ、そして涙する。
これが知念作品の醍醐味。
初回限定で封入されているクロスロードでは「祈りのカルテ」の主人公諏訪野と本作の主人公水城千早がクロスします。
楽しむ為には是非とも「祈りのカルテ」も読まれることをオススメします。
説明
内容紹介
息をのむ展開と瞠目のラスト! 医療×警察ミステリの新地平!!
「死んだらすぐに遺体を解剖して欲しい――」医師の千早が父の遺言に従い遺体を解剖すると胃の内壁に暗号が見つかった。28年前、連続殺人事件の犯人を追うため父が警察をやめたことを知った千早は、病理医の友人・紫織と協力して、胃に刻まれた暗号を読み解こうとする。時を同じくして28年前の事件と酷似した殺人事件が発生。現在と過去で絡み合う謎を、千早と紫織の医師コンビが解き明かす!
著者について
●知念 実希人:1978年、沖縄県生まれ。医師。2011年、第4回ばらのまち福山ミステリー文学新人賞を受賞し、『誰がための刃 レゾンデートル』で作家デビュー。その他の作品に『ブラッドライン』、『優しい死神の飼い方』、『天久鷹央の推理カルテ』などがある。
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医学的な知識がないと描けないミステリ、まさに知念小説の魅力満載。
とある臓器の中にメッセージを残す、って、なかなか思いつかないしやろうとも思わないよ。
やるとしたら拷問だよな、でも、それを自らの身体の中に刻むってよっぽどのこと。
連続幼女殺人事件。未解決事件の犯人は「千羽鶴」。事件を追っていた元刑事が癌で死亡したところから始まる謎解き。そして再開された「連続殺人事件」。
元刑事との関係は、その娘である医者との関係は…とぞくぞくするような展開。真犯人は?残されたメッセージの意味は?娘が知る真実とは?
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謎の解決がずいぶん早いと思っていたら次々と展開して、いや〜読ませるわ〜。素晴らしい。科学的なベースがしっかりしているので安心して物語に入り込める。久しぶりに夢中になって一気読みした。
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暗号物はミステリの定番の一つだが、こんな形の暗号は前例がないだろう。何ともはや、タイトル通り、胃の内壁に暗号を残していたのである。
医師の千早が、父の遺言に従い遺体を解剖すると、胃の内壁に暗号が見つかった。警視庁の刑事・桜井が訪ねてきたことにより、千早は、父はかつて刑事だったことを知る。28年前のある事件をきっかけに、父は警察官を辞めていた。
桜井刑事って、天久鷹央シリーズに登場する桜井刑事だろうか。それはともかく、桜井は28年前の事件で千早の父とコンビを組んでいた。千早と病理医の友人・紫織は、暗号の件を桜井には伏せて、独自調査に乗り出すが…。
あのせいで遠回りになった気がしないでもないが、暗号そのものは比較的早く解かれてしまう。焦点は、胃の内壁を傷つけてまで伝えたかったこと、いや、千早に隠しておきたかったこととは何か。28年前の事件との繋がりは何か。
エンタメ寄りな作品ではあるが、そもそもの発端はある疾患だった。紫織は、自らの過去から、病理医として確固たる信念を持っていた。その信念が明らかにした事実をどう伝えるべきか。千早の父が隠したかった理由はわかる。
素人捜査で危険な目に遭うのはお約束。千早の迂闊さも気になったが、何より、機会を改めなくてよかったのかは気になった。ある意味、犯人がドMで助かった。うまく後始末しなくてはならない桜井も大変である。上層部にどう伝えたのやら。
千早、紫織、桜井の3人とも、真相は墓場まで持っていくのだろう。愛を貫いたとはいえ、千早の父の警察官としての行動に、もやもやが残るのが正直なところである。裁判で犯人が何を言い出すのかも気がかりだよなあ…。
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医師の千早が父の遺言に従い遺体を解剖すると、胃の内壁に暗号が見つかり、28年前の連続殺人事件とつながっていく医療×警察ミステリー。身体の中に暗号を刻むというのが医師である知念さんならではの発想であり、千早のパートナーとなる病理医の友人・紫織も個性的でいい感じ。警察官も登場するが、「相棒」みたいなかんじで特命係の一匹狼的な刑事が出てくるの面白かった。「真犯人は誰か?」最後まで分からず、序盤から伏線もいい感じで散らされていて最後まで一気読みできた。
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実の両親がどれだけひどい人だからと言って、あなたの価値はかわらない。血がつながっていなくとも親子に。 難しい複雑なテーマだなぁ~
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想像を絶する完結!
はらはらしながら読んでいたが、ページを捲る手は止まらなかった。
本当に素晴らしい小説だと思います。
この本に出会えて本当に良かった。
知念実希人さんに感謝しかないです。
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タイトルからも推測できる通りダイイングメッセージを病理医が見つけた事から幕を開けるミステリー。著者の代名詞である医療要素は本作では冒頭だけかと思いきや、事件の真相にも病理解剖がしっかり関わってくる。文章ならではのトリックを使ったミスリードには見事に騙されてしまった。桜井刑事が大活躍という知念実希人ファンにはたまらない展開も。
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28年前の事件との関係、父からのメッセージの意味を主人公か協力者を得て解き進めていく。
どこまでが伏線で、どれが解答か想像しながら楽しく読みました。