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著者の神永さんは37年間、辞書の編集に携われていて、まさにリアル「舟を編む」です。
本書で挙げられている「ことば」を、ただ意味を解説するだけでなく、実際に使われている文学作品の例をたくさん紹介していて、読みやすかったです。更にその作品のあらすじまで書かれていて神永さんは筋金入りの読書家なんだなと思いました。
第3章で取り上げられている「あに図らんや」は、よく聞く言葉だけど意味は知りませんでした。改めて調べる事もなかったので勉強になりました。
第4章感情表現で取り上げられている「願わくは」を、私は長い間「願わくば」と覚えていました。結構「願わくば」を使っている人がいるんですね。そのうち「願わくば」が正しい表現になるのかもしれません。
そういえば「他人事(ひとごと)」を最近は「たにんごと」という人が増えてきていますね。こちらもいつか「たにんごと」が正しい読みになるかも。
第6章の「さようなら」は、確かになぜそう言うのかを深く考えたことがなかったです。色々と気づくことが多い一冊でした。
私は語彙力が乏しいので、本書で紹介されていることばを日常生活で話したり、「本が好き!」の書評で使えるようになったら人生がレベルアップする気がします。