紙の本
言葉の魅力は難しい
2021/06/01 19:55
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投稿者:6EQUJ5 - この投稿者のレビュー一覧を見る
美しい日本語
辞書編集者が選ぶ
文学作品から知る
と、惹句の固まりのようなタイトルにひかれて読んでみました。
様々な言葉が散りばめられているのですが、残念ながら何かコトバが活きていないように思いました。
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著者の神永さんは37年間、辞書の編集に携われていて、まさにリアル「舟を編む」です。
本書で挙げられている「ことば」を、ただ意味を解説するだけでなく、実際に使われている文学作品の例をたくさん紹介していて、読みやすかったです。更にその作品のあらすじまで書かれていて神永さんは筋金入りの読書家なんだなと思いました。
第3章で取り上げられている「あに図らんや」は、よく聞く言葉だけど意味は知りませんでした。改めて調べる事もなかったので勉強になりました。
第4章感情表現で取り上げられている「願わくは」を、私は長い間「願わくば」と覚えていました。結構「願わくば」を使っている人がいるんですね。そのうち「願わくば」が正しい表現になるのかもしれません。
そういえば「他人事(ひとごと)」を最近は「たにんごと」という人が増えてきていますね。こちらもいつか「たにんごと」が正しい読みになるかも。
第6章の「さようなら」は、確かになぜそう言うのかを深く考えたことがなかったです。色々と気づくことが多い一冊でした。
私は語彙力が乏しいので、本書で紹介されていることばを日常生活で話したり、「本が好き!」の書評で使えるようになったら人生がレベルアップする気がします。
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【2024年60冊目】
日本語が美しい言語だからこそ、その言葉を巧みに使った小説というものを、私は愛しているのですが、如何せん私自身は語彙力の乏しい人間なので、こういった本はとても勉強になります。
日本という国自体はどうなのかしらと思う昨今ですが、日本語という言語は大好きなので、日本語ができる生まれで良かった、なんて思ったりするわけです。
101の言葉と、それを使った物語を紹介してくれる本作。私は基本的に現代作家さんしか読まないので、例文としてあげられる作品がどれも未読であり、新鮮でした。簡単なあらすじを書いてあるのも良かった。タイトルだけ知っているけど、読んでいないものばかりでしたので、読みたいリストにも入れました。
言葉は使わないと身につかないと思っているのですが、実際に使われている例文に、辞書よりももっと気安く作者の考察も交えながら紹介して下さってるのがとても良かったです。
意味が昔から変化している言葉や、間違って伝わっている言葉など、言葉はきっと生き物なのでこれからもどんどんと進化を重ねるのでしょうが、積み重ねる際の元の意味合いを知っているのはとても豊かなことなのではないかと思いました。