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さすが辻村深月先生.期待を裏切らない面白さ.上巻410ページを一気読みです.
舞台は(イケてるメンバーが校舎に閉じ込められる「冷たい校舎の時は止まる」とは真逆で),不登校の子たちの避難場所となる鏡の孤城.物語も,各メンバーからの視点ではなく,主人公の視点だけで語られる.このため,他の子たちの背景などは初めの内は分からないし,主人公の行動にも歯がゆく感じるところがあるのだけれども,その案配が絶妙で物語に引き込まれる.
下巻もすぐに読みたいのだけれども時間がない.失敗したなー,もう少し時間に余裕のある時に読み始めればよかった.たらたら少しずつ時間をかけて読めばいいやと考えていたのが運の尽き.これ,読み始めたら止まらないよ.
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面白すぎて深夜一気読み。ずっと読みたかった作品の文庫化なもので。
字の大きさにびっくりした。これもっと小さかったら一冊に収まったんじゃないと思ったけど、子供でも読めるようにしたのかな。
魚の小骨が詰まったような少しの違和感を抱きながらも、
あっという間に下巻に進む。
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読み始めて、本屋大賞に選ばれるのは当然だなぁと思った。
理由のわからないイジメで学校に行かれなくなったこころ。
フリースクールへ行ってみようと思うが、身体が動かない。
母は苛立ち、家庭内にいることも辛くなった時に、鏡が光り、かがみの孤城に招かれて、一定の期間内に鍵をみつけ、願いの間を開くことができれば、なんでも願いが叶うと言われる。
そこには、こころ以外に同世代の男子と女子が合わせて7人。
こころは秘密の場所で冒険をすることになってしまった。
この冒頭に心惹かれない読書家はいないだろうな。
そして、こころがうけている理不尽な仕打ち。理解力のない教師。クラスの中心人物に擦り寄る同級生。
嫌になる程、されました。
私は幸い、学校の外に自分の世界を既に持っていましたので、頑張れましたが、今も当時のクラスメイトも先生も許してはいません、というか別世界の人ですね。
声かけられても、この人誰? 状態ですし。
(私はそれなりの年齢ですが、当時とあまり変わりがない童顔なので、こちらは覚えていないの声かけられて誰? となる)
だから、この社会にいるイジメを受けている子供達に読んで欲しいと切実に思いました。
そういう気持ちが賞に繋がったのだと思います。
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いい大人ぬなってしまったけれと、中学生のこころの気持ちがわかってしまう。
今は通り過ぎてきてしまったから、色々言えたりするけれど、中学生ぐらいだと学校がすべての世界になってしまうから、学校に通わず、家にいるというだけで何だか後ろめたくなってしまうんだろうなぁ。
こころのお母さんがこころの話をきちんと聞いてくれる人でよかった。
城で会う子たちと仲良くなってくるにつれてお話も盛り上がってきて続きが気になります。
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中学生の心情が繊細に描かれていてます。不登校の子供と親のやり取りなどがリアルで、ファンタジーな世界と現実の世界の両方に引き込まれます。分厚いけど読みやすいので、1度読み始めると止まらない…!
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さすが辻村深月さん!と思わず叫びたくなる作品。
中学生のなんとも言えない、複雑な心の描写が本当にうまい。こんな気持ちあったな、と心の奥底を抉られるような気持ちにすらなる。
言葉の端々にいろんな伏線が隠されていて、きっとこういうことなんだろうな、と想像はできるものの、先が気になって本を捲る指が止められない。
個人的に辻村深月さんの会話での句読点の使い方が好き。戸惑いながらも勇気を出して言葉を発するこころたちの気持ちが、こちらまで伝わってくる気がする。
さぁ下巻も楽しく読むぞー!
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辻村深月の描く主人公へのヒリヒリした感情が苦手。重松清のようなぬくもりがなく、直に心に刺さる言葉の数々に読むが辛くなる。
下巻にいく前にいったん別の本で一呼吸。
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上巻終盤で仕掛けの一部が見えてきているように思うが、
物語も大きく展開していくので、かえってますます続きが気になっている。
ずんと抱えた負い目、真実を伝えるにあたっての周りに対する不信感などの繊細な部分が巧みにことばにされていて、
自分も抱えたことのある正体のわからない気持ちに名前をつけてもらったように感じられた。
中学生目線の平易な文章で読みやすいので、疲れているけど何か熱中して読みたい……というときにぴったり。
これから読む下巻も楽しみです。
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ようやく文庫化された!!!
舞台も観に行って本当に素敵な作品で、手元に早く置きたいと思ってたから本当に嬉しすぎる!
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中学校入学当初から学校に通えなくなった少女が、心に押し込んだ重荷を両親にも話せず、自身の心と身体に起きる変調に苦悶しながら引きこもっている。最初は重い小説を買って読み始めてしまったなぁと後悔しかけたが、ある日、彼女の部屋にある鏡が輝きその中に吸い込まれ、得体の知れない城で、それぞれに事情を抱えた少年少女たちと出会う。この辺りから彼らのことが少しずつ明らかになっていくことで、物語に引き込まれた。この謎の城がなんなのか、オオカミの仮面をつけた少女は何者なのか、下巻が楽しみだ。
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初めから何となく7人の間に話の矛盾があると思ってたけど、やっぱり住んでる世界が違った。話の中でパラレルワールドって言ってたけど、わたしは生きてる年代が違うのでは……?と思いながら読んでた。真相はどうなのか続きが気になる。
心理描写が凄い。
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まだ娘たちは小学生や保育園だけれど、不登校という他人事には思えない問題を取り扱っている作品。誰がいつなってもおかしくない。
中学生は子供でも大人でもない絶妙な時期だからこそ、悪事の線引きもできていないのが恐ろしい。
読むまではお城に閉じ込められてそこから脱出する設定だと思っていたらお城には自由に出入りできるという設定。だからこそ、お城に行くかどうかという葛藤が生まれる。
もし自分の娘たちが不登校になったらと思うと、つらくてあきらめてしまうかもしれない事態だとは思うけれど最後まで娘を信じて先生を牽制するお母さん、ホント優しくてウルウルする。
少しずつ、少しずつ前向きになるみんなを応援したくなる。
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スロウハイツ、名前探しの放課後の雰囲気が好きな人は好きだと思います。
上巻はサクサク進めます。でもその裏に丁寧に伏線が貼られています。上下巻一気読みして欲しい!
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恐怖、悔しさ、恥、後悔……、小・中学生の時、何度か学校で大泣きしたことはあったけど、そのときの感情というものは今の自分の語彙力を持ったまま、そのときに戻ったとしてもたぶん言語化できなくて、泣きじゃくるだけなんだろうな、と思う。
この『かがみの孤城』の上巻の場面をいくつか読んでいると、その時の言葉にできない感情が、少しだけ思い出された気がします。
不登校となってしまった中学一年生のこころ。ある日こころの部屋の鏡が光はじめ、その鏡を潜り抜けると城のような建物が建っており、狼の面をかぶった少女がこころと似た境遇の少年少女を集めていた。
狼の面をかぶった少女は、城に隠された鍵を見つけ、ある一室を開けることができればどんな願いも叶えられると話すが……
辻村さんの心理描写はいつも一級品だと思うけど、今回も心にぐさりと突き刺さる場面が上巻からありました。こころが受けたある仕打ち、割かれたページは決して多くないけど、わずかなページ数でもこころが受けた“殺される”までの恐怖感は伝わってくる。
またそうした恐怖だけでなく、不登校でいることの罪悪感や、これからのことといったやり場のない不安、両親への反発などといった感情も余すことなく描かれていると思います。読んでいる年代が年代だったら、もう一杯一杯になっていたかもしれない。
そして鏡のなかの世界。こころを含めた7人はすぐに打ち解けられるわけでもなく、和を乱す子や、仲良くしていても本人がいない場でのふとした一言など、緊張感はふとした瞬間に現れる。
ただそうした子に対する視点が一瞬で覆され、自分の心の狭量さに気づかされるのもまた辻村さんらしいのかもしれない。心の暗い部分はどんな人間も持ち得るのだと、また気づかされる。
序盤では完全に居場所を失っていたこころが、城であったり大人たちであったりに徐々に居場所を見つけていく。その過程がいい。
城での七人の亀裂、両親への反抗、その風向きが少しずつ変わっていく。フリースクールの先生であったり、お母さんであったり、そして城の子どもたちであったり。
それが決して急な展開でなく、あくまでこころをはじめ、子供たちに寄り添いながら一歩一歩、着実に居場所が現れてくる印象を受けるので、自分も彼女たちを見守りながら、少しずつ歩いて行っているような感覚を覚えます。
そして城の世界で7人の共通点が明らかになり、彼女たちのある決意が描かれるところで、上巻は終了。
この引きはかなりのいいというか、もうずるい。ここまで読んだなら彼女たちの「闘い」が次にどのような展開を迎えるか、そして彼女たちはどうなるか、気になって仕方ないはず。
第15回本屋大賞1位
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ハッキリしたイジメ描写を見ると現実感が増して
決して綺麗事でない物語がそこにはある。鏡の中の不思議な城の中で不思議なメンバーと出会い、交流を深めていくという設定が、渠を突かれる様な驚きがあった。どんどん読めてしまうし児童文学向けのようだが、大人の心にもズッシリ来る。