投稿元:
レビューを見る
映画との付き合い方について考察した一冊。
映画を観る効能、映画の歴史、名作の名作たる所以を洋画と邦画の代表作から解説したもの、鑑賞後のアウトプットの勧め等、映画が好きなら知っておいても損はない基本を学べる。
こんな本、今までありそうで無かった気がする。映画の楽しさを再確認できる。
投稿元:
レビューを見る
2021/8/9
映画の歴史や技巧、性質、そして具体的な鑑賞例まで網羅。
特に今までの映画鑑賞の中で、技巧にはもっと注意を向けるべきだった。というのも、基本僕は作品を一回しか観ないこともあって、全体を貫くテーマを把握した状態で登場人物の言動や情景ひとつひとつを考える機会がなかった。その意味で、筋を把握している鑑賞済みの作品を観直すのは必要かも知れない。
投稿元:
レビューを見る
この本を読んでから実際に映画を一本見てみた。このカットはどういう意図で入れたんだろう?この演出で何を伝えたかったんだろう?どんな時代背景が隠れているんだろう?どこが美しくて、どこが魅力的なんだろう?私はこの映画を見て何を感じて、それをどうアウトプットするんだろう?今まで見たどの映画よりも考えることが多くて、最初から最後までまったく飽きなかった。作品自体が持つおもしろさに加えて、映画を見るという行為そのものまでがおもしろいのだ。映画は何も考えずに見るのが一番楽しいと思っていたけど、いろいろなことを考えながら見るのもものすごく楽しいということをはじめて知った。映画、もっとたくさん見たいかも!
「教養として」映画を見ることが「仕事と人生に効く」かどうかは正直まだわからない。これから何本も映画を見ることで効いてくるのかもしれないし、効いてこないかもしれない。それでも映画を見る楽しさが増し、見方の幅が広がったことには間違いないので、何事に対しても「それを楽しむプロ」に楽しみ方を教わるのってやっぱりいいなあと思えた一冊だった。
【読んだ目的・理由】本の読み方を教えてくれる本はたくさん読んできたけど、映画の見方を教えてくれる本は読んだことがないなと思ったから
【入手経路】買った
【詳細評価】☆4.5
【一番好きな表現】客観的な記憶を追い求めるのではなく、各人がもっている主観的な記憶のずれを通して他者と関係を結び、深めていくこと。それは映画を見ること一般にも通じる教訓かもしれません。(本文から引用)
投稿元:
レビューを見る
ただ見るだけの映画から卒業したい。
この本は「映画を意識的に見ることは、人間としての能力の底上げや人生の向上につながる」と
著者は伝えてる。
それを、誰もが知っている作品で分析と解説が書かれていて、実はそんな意味が!?って。
例えば「トイストーリー」には、フロンティア精神のメッセージが込めらてるなんて想像したこともない。
あと、黒澤明とヒッチコックのスゴさがわかった。
映画好きのに、この本で学んだ映画鑑賞の視点を伝えたい!
投稿元:
レビューを見る
映画を見る意味、基本的な歴史から始まって、いくつかの映画の分析を通して、映画についての入門書になっている。意外とこういう本はないので、映画をあまり見たことのない人や映画を見ているけどもう一段深く楽しみたい、という人にはとてもおすすめ。小津の画面構成や溝口の場面展開への仕掛けなど、興味深い。
投稿元:
レビューを見る
想定している読者層が分からず困惑した。具体的には、ビジネスパーソンと書いてあったり、一部会話形式の聞き手が学生であったりした。
また、どう教養になるのかが分からなかった。オシャレになるとか、旅行先で困らないなど、非常に薄っぺらな事しか書かれていなかった。
結局、著者の専門である日本映画、特に小津安二郎について書きたかっただけの一貫性のない本だった。
ただ、小津安二郎への言及や、是枝裕和の海街diaryへの考察は鋭く、かなり面白かった。
無駄にライト層向けにしているので、コア層向けの書きたいことを書いた書籍に期待。
投稿元:
レビューを見る
映画が好きなのか、映画好きな自分が好きなのか、迷走気味だったときに出合った本。
あらためて映画の奥深さを知り、観るうえでの新たな視点を獲得することができてよかった。
なんとなく敬遠していた古典映画への扉が開けた予感。
投稿元:
レビューを見る
映画の見かたを説く本は初めて。小津や黒澤の映画は何本かは見ているが、あまり深く考えて見てなかった。海街diaryは最近見た中で好きな映画なので、視線の観点はそう言えばそうだったな、と納得。
溝口健二の映画は見たことがない。一度見てみよう。
投稿元:
レビューを見る
映画がどう生きるかと言う点ではやや分かりづらいかもしれないが、映画通ではないけれどそのうち時間をとってたくさん見たい身としては、たくさん映画名を知ることができたのでよかった。
投稿元:
レビューを見る
映画を単純な娯楽とだけ捉えるのではなく、なぜこの作品をこのように創ったかまでを分析的に考察、向き合う重要性を感じた。
『お早よう』における佐田啓二のセリフ
「でも、そんなこと、案外余計なことじゃないんじゃないかな。それ言わなかったら、世の中、味も素っ気もなくなっちゃうんじゃあないですかねぇ。僕ァそう思うなァ」
小津の手帳の余白のメモ
「何でもないものも二度と現れない故にこの世のものは限りなく尊い。」
投稿元:
レビューを見る
最終的にSNSで発信してバズるにはって出てきて笑った。
いっぱい映画観て教養深めていきたいと思います。
投稿元:
レビューを見る
純粋に知識、興味が広がったと感じた。
映画史の授業みたいで、自分の知らなかったことを本で短時間で得られるってやっぱり楽しいなと。
日本の昔の映画は苦手意識があってあまり見てなかったけど見たい!と思えた
投稿元:
レビューを見る
あまりの面白さに一日で一気読み。
今すぐにでも見たい映画がたくさん出てきた。
見たいと思ったその日からAmazon primeやTSUTAYAで家に居ながらにして直ぐに見ることができる現代はありがたい。でも、不自由でもこの本の中にもあったように、内田樹が東京中の映画館で小津安二郎を三年かがりで見尽くしたというエピソードも羨ましい。さぞかし楽しい3年だったろうなと思う。
昔見た「東京物語」も「山椒大夫」も「七人の侍」も、もう一度見たいと思う。全く違った楽しみ方ができそう。何かに似てるな、思ったら、「ブラタモリ」見た後に、その土地を訪れると全く違った景色が見えてワクワクするのと同じだ。
楽しみが一つ増えた。早速明日から映画見よう。
投稿元:
レビューを見る
トイストーリーは
実はアメリカの西武劇と宇宙へのユートピアが
背景にあるんだよーという
"歴史を辿れば感想が深まる"という
切り口は面白かった。
だがそれ以降の日本映画の切り口は
筆者が専攻としているためか
やや個人的な思想が入り込みすぎて
読者を置き去りにしてる感が否めなかった。
なんか惜しいなぁ、という印象の本。
投稿元:
レビューを見る
教養としての・・・、身につく教養・・・、読むだけで云々・・・と、ここ数年、世は教養ブーム。教養と題した書籍をたくさん目にする。本書もその流れの一冊だろう。
人生はともかく、そもそも、仕事に効く、って、それって教養か?と思わないでもないが、そういうタイトル、惹句も多い。
その手の本は普段はあまり読まないが、たまたま予定が空いて本屋で30分ほどヒマつぶしとなったので立ち読んでみた。そのくらいでサッと流せる程度の内容。
帯に佐藤優が推薦の言葉を寄せているが、
「仕事と人生の幅を広げるための最良のツールが映画だ」
と映画のことは褒めても本書のことにはまるで触れてない時点で、内容はうかがい知れる(笑)
序盤は、そこそこ面白く、子供向けと思われがちなCGアニメ作品も、アメリカの国民性の土壌にあるフロンティア精神がそこに見て取れることや、地上のフロンティアを描き切った後、向かった先は宇宙というフロンティアだった等々、俯瞰したモノの見方、映画作品の背景の深読みは、まあまあ面白い。
その論調で語られるのかと思ったが、章が進むにつれ、細かなオタク的な画面の隅々をほじくるような話が多くなる。確かに、それも楽しみ方の一つではあるけど、もはやそれは教養ではないわな。雑学と銘打ったほうが素直に読める。
新作映画より今も語り継がれる古典的名作のほうが見るべき作品に出合える「打率」が違うというあたりで、手っ取り早く“智恵”というか、情報を得ておくテクニック的な話題に終始、人間味豊かな、滋味あふれる人生を送るための教養を身につけるという話ではなくなる。
そもそも、古典的名作はレンタルで観るしかなく(今なら配信か)、それでは映画が描くなによりの時代性というものが理解できないじゃないか。劇場鑑賞を勧めることをもっと強く訴えて欲しいところ。
とはいえ、最終章でアウトプットすることを薦めているあたりは良いかな(プレゼン力を鍛える、と言ってしまっているところが浅はかだと思うが)。
本書を読んで、映画を語れる人が増えることは歓迎なので、本書を踏み台に、映画の愉しみに触れてくれることを願ってます。