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『私は美貌の女だ。手入れもしている。なのになぜ彼は愛してくれない?』 アデル(15頁)
いっそ読んでみたのは、賛否両論だったからだ。
「なにこれ、最高!」
「しょうもなさすぎる」
読者の評価を見れば、みごとに真っ二つで、正直、手を伸ばすのをためらっていた。
けれども、本屋の棚に1冊だけあるのを見て――つい、買ってしまった。
もはや、賭けである。
さて、気になる賭けの勝敗は?
勝ちだ。面白かったのだ。
大満足するいっぽうで、賛否の「否」の声があるのも、納得できた。
まずこれは、ミステリーではない。
人が死なないわけではないが、「あなたが犯人です!」と、探偵が指をつきつけて云々ということは、一切ない。
ミステリーを期待していた向きには、がっかりだろう。
さらにこれは、心理サスペンスである。
であるけれども、その心理というのが、いたって女性的なのだ。
アデル、ルイーズ、二人の女性の一人称で、話は進んでいく。
家庭のこと、職場のこと、日常のちょっとしたことが本音で語られ、「まったく、男って!」と、読者までがいっしょになって怒るような出来事もある。
男性には、まったくもって退屈で、面白くないものにちがいない。
そんなこんなで、「否!」と言う人がいることにも、大いに頷くのだ。
しかし、繰り返すが、私は面白かった。
そして、「賛!」の人が大いにいるのも事実だ。
ベストセラーであるばかりか、Netflixでドラマ化されたのである。
演じる俳優女優たちは、さぞやり甲斐のある役だったろう。
理由は読めばわかる。読み終えたなら、なおわかる。
さらに言えば、この物語の醍醐味は、再読の時にある。
私ははじめから丹念に読んだつもりだ。
章ごとにいったん本を閉じて、咀嚼してから次に進んだのだ。
それでも読み返してみれば、こういう意味だったのか、そういうことだったのかと、なにげない文章のなかに、目のひらくような、たくさんの驚きがある。
さて、この『瞳の奥に』を楽しむためには、前情報を知ることなく読むのがよいとされている。
おっしゃるとおり。
だが、しかし、評価が賛否両論ということくらいは、うっかり知ってしまうものだ。
気にはなるけれど、しかし、――という、以前の私と同じ方々のために、私はできる限りの情報を提供したつもりだ。
あなたにとって賛か否かは、あなたの瞳でたしかめてほしい。
ぜひ。
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いい意味で思いっ切り裏切られた!
Netflixのドラマの原作との事ですが、これを映像化するのは大変だったのではないか。これを観るためだけにNetflixを契約しようかと思うくらい衝撃的。
こいつは絶対裏があると想像して読み進めると…人間不信に陥りそう(笑)
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もうミステリは何でもありの時代に突入。人格入れ替わりを利用した新手の殺人。ロブは元々ゲイだったのかな。
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文句なしです。完敗です。とにかく読んでクダサイ。
どのように感想を書こうとも、レビューしようとしても、ニコ程度の文才では、ネタばれになってしまう。もう、「えーーー、そうなん?」としか言えない。やられた感しか残らない。絶対に、読むに費やした時間以上のリターンが得られるので。
強力リコメンドです。
あ、でも好き嫌いはあるかもしれない。
ニコは超スキだけど。
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すごいものを読んでしまった。いつか合理的な回収が成されると思っていた伏線が、まさかそっちの方に行かないよねと祈る気持ちでいたけど、まさかの方に行ってしまった落胆からの、ええええ、そうなるの⁉︎という驚愕。ミステリの範疇ではないし(むしろオカルトもの?)、うまく行き過ぎだよと思うけど、これほどの力技には屈してしまう。
そして、悪よ、万歳。悪しき者がこれほど完璧に自らの欲望を叶えるとは。誰にも教えちゃいけない結末が残酷で素晴らしい。
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ずっと気になってて、図書館の予約が忘れたころきたのでやっと読めました。まさに「なんじゃこりゃ~!」と松田優作状態になるような作品。読後の一言は、
「こおわっ∑(゚Д゚)」
いろいろ予想しながら読んでいたのだけれど、ラスト近くなり、もしかしてもしかして??と思いつつも、ぎょえ~っ‼︎ という気持ちです。
これはねえ、もう絶対ネタバレしないで、とにかく読んでみるしかない。後ろのページをチラッとも見てはいけません‼︎ すごく面白かったし、映画になりそうだなあ~という感じの作品です。もしかしたらね、映像のほうが、すんなり受け入れられるかもしれない。(実はこういうのってあるよね)
読み終えての個人的な自分への警告!オープンな性格や、無駄な正義感、お人好しもほどほどに。自分を守ることが大切よん。
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2023.06.04
2回目はより味わいい深い、という解説がついた本書。読んでみて納得。
なぜそうなるということを丹念に考えていく面白さのあるサスペンス。人の内面とは何かを考えている。
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帯にひかれたのと、ブックセールであったので読んでみた。
私は・・・ナシかな・・・。ミステリーなのかな?
一ついい点を挙げると、登場人物が少なくて分かりやすい。
出会いはまるでグレイズアナトミー。
基本的にルイーズとアデルが交互に一人称になって展開、たまに過去の話が入る。
300-400ページまでは惰性
ものすごい未曽有の衝撃、最後のどんでん返しを期待して最後まで我慢して読んだ。
その後展開が速くなっていくが、最後の50ページ程度で「は?」となる。
かなり評価が分かれるようだが、私的には・・・無い。
前回の『隻眼の彼女』と言い、今作と言い、結構レビューは高いけど、私的には500ページ以上をかけた時間に対して、期待外れでした。
切ったり”蒸したり”できるフードプロセッサーなんてあるんですね。
ワークアウトの理由が分かったときはちょっと「おぉ・・・」となりました。
マスタベーションを「マスをかく」という風に訳されていたのは、初めて聞きました。死語(世代??)なのか、私が知らないだけなのか、方言なのか、何度か出てきて気になってしまいました。
確かに分かったうえで再度読んだらまた違う楽しみ方はできそうだけど、読まないかな・・・。
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面白かった!久しぶりに、ハラハラするミステリーに出逢えた。
巧妙なストーリー展開、それほど残酷なシーンもなくて、不快さも残らない。素晴らしい。