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児童書らしく、文章自体は読みやすい印象です。
ただ、内容にまとまりがなく感じられ、急に都合よく話が展開したり、登場人物に感情移入しづらいなどの点から、個人的には、すっきりしない読み終わりとなりました。
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真子(中2)は揉めてばかり両親に耐えきれず家を飛び出し、偶然たどり着いた画廊で夏鈴さんに出会う。夏鈴さんの「イカル荘」で暮らしはじめた真子は、出会った鳥や人びとによって変わっていく。
イカル、ガビチョウ、サシバそれぞれの鳥の生態を物語に生かし、美しく表現している。
真子やデフィン(インドネシアからの留学生)そして読者も、鳥たちの姿から力強く生きること、ひとり立ちすることへの覚悟、群れの中にいながら個であることなど、いろいろ感じとることでしょう。
親と子の関係は難しいが、にしがきようこさんのお話には、別の大人との出会いによって主人公が自ら道を見つけて行く、そういう救いがあるように思う。そして親から少し離れてみたとき、親の別の面に気付くのだろう。
そんな出会いを得られた子どもは幸せだが、たとえ無くとも物語が代わりを果たすこともあるのではないか、と本の持つ力を信じたい。
我が家の隣の森林から夏のあいだイカルのさえずりが響いてくる。あの澄んだ声を聴くたびにイカル荘のみんなに想いを馳せそうだ。本のなかでも魅力的な人たちとの出会いは嬉しい。
イカル荘、訪ねてみたいなぁ。
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表紙がかわいい。色遣いとかも。
家を飛び出し夏鈴さんという女性が住む「イカル荘」にホームステイをさせてもらうことになった中2の真子。みんなでご飯をつくったり、異文化を学んだり、鳥の声に耳を澄ませたり。外の広い世界、新しい世界に目を向けることで凝り固まった心がほぐれていく。海外じゃなくてもホームステイとか下宿とか新しい環境に飛び込んで日常の生活を変えてみる。いい経験。下宿に住むちょっと変わったでも素敵な人たちと出会い、交流を深めていくってのに憧れがある。「すいか」とかもそうだな。他人だからいいのかもしれない。こういうことがもっと気軽にできたらいい。特に10代のうちに。
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イカル荘というネーミングと、イカルがたくさんの表紙に、つい手に取った。小学高学年・中学生向けの読み物。
家に居場所がないと思った、中学2年生の真子が、家を逃げ出して転がり込んだのが、イカル荘。画家の夏鈴(かりん)と、インドネシアからの留学生デフィンと一緒に暮らし始めると、パパとママと暮らしていた時とはまったく違った生活が待っていた。
作者は鳥が好きなのだと思う。(私もです)
そこをうまく絡めて物語を作っているけれど、物語の中心はそこではない。同じような設定で少女が自立していく話、高楼方子さんの『十一月の扉』を思い出しました。
小学生でも読める物語なので、重厚ではないけれど、分かりやすいお話にはなっていると思います。
バードウォッチングがパパをこんなにも変えてしまうのは不自然、と思われるかもしれないが、鳥が好きになると病みつきになるのは、鳥好きでないと、ちょっと理解できないかもしれない。私の周りにも、奥さんに付き合って始めただけなのに、なぜか夫の方が夢中になった、という例はある。そこをわかってもらうのは難しいので、不自然に思われても仕方ないですね。鳥好きならでは設定と割り切って、あきらめましょう(笑)