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私の大好きな歌人、岡野大嗣さんが短歌指導をした、がんサバイバー女性グループによる歌集。
かなり心を打たれました。
宣告の帰りの道で振り向けば「ずっといたよ」と死がほほえんだ
もうなにもかんがえたくない午前2時死ぬのが怖くて死にたいなんて
岡野大嗣さんのあとがきより、
サバイバーの方が感じた忘れがたい瞬間を、短歌のかたちに残す。その手がかりに自分がなれるのなら、やれることは全てやりたいと思った。
あぁ…。と思わずにいられない。
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若者らしい言葉選びなのに、ちゃんと俳句としての情緒が伝わる。
短い中に、作者の叫び出したい気持ちも静かに訴えてくる。
たった31文字なのに、心にグッと引っかかるものもあり、読めてよかったと思った。
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以前イベントで岡野大嗣さんが話していたので気になっていたところ、本屋さんで見つけたので購入。26人のがんサバイバーあの風プロジェクトとして、クラウドファンディングでの資金調達もなされた様子。
岡野さんの<散髪の帰り道で会う風が風のなかではいちばん好きだ>『食器と食パンとペン』という短歌に出会った尾﨑ゆうこさんから、短歌の講師として依頼されたという。
『「がん」という大きな出来事を経験した皆さんの、一人ひとりの小さな物語を掬い、自分自身のお守りになるような歌を残してもらいたい』という岡野さんの心意気をあとがきで知ることができる。
連作や、サバイバーストーリーとしてのエッセイと一首が添えられたパートなどで構成されている。どれも本当に大事な生活の一コマを詠んだ、それぞれの人生がぎゅっと詰まった歌ばかり。私には歌にそっと寄り添いその行間にあるものを想像することしかできませんが、大事な一冊になりそうです。