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人類の英知を結集し、地球と三体のパワーバランスがとれ、お互いに自分たちに不足している点を補完できる体制となるなど、奇跡のように恵まれた時代が来たが、三体はそんな甘いものではなかった。階段計画は実に素晴らしいと思われたが、制度の少しの間隙を縫い、また、地球側の楽観的精神も利用され、遂に智子と水滴は本領を発揮する。彼らの科学力は人類とは比較にならない。三体の航宙艦はいきなり光速まで加速できるのに対し、人類のそれが光速の15%に達する(それでも現代では考えられないが)には1年という時間が必要というほど差がある。
執剣者は羅輯から程心に変わったが、就任して15分ではどうにもならない。智子曰く「人類の堕落した平和は終わった」←地球上というか豪州では流行語大賞となり、全体主義や過去神の復活を見ることに…
オーストラリアでは人間の愚かさが遺憾なく発揮(相当未来になり人間もソフィスティケートされたように感じていたが)され、この状況なら人間はこうなるだろう、何も変わっていないと悲しく、また恐ろしくなった。
しかし、まだまだ話は二転三転どころか四転五転して行き、地球も藍色空間や万有引力も一体どうなることやら…
そして三体星系にもたらされた事実に伴い、智子から唯一明かされた暗黒森林に対する重大な話。さらには雲天明のお伽話。
いよいよ下巻へ、どのような結末を見ることになるのだろうか。
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長期休暇に集中して読めたので深い読書ができた。一作目から考えると随分と遠くまできた感じがする。物理学の知識はないが、雰囲気でわかった気持ちで読み進めて想像力を鍛えられた気がする。まだこの世界観に浸りたい、名残惜しい感じがする。
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劉慈欣『三体Ⅲ 死神永生』上下巻読了。
圧倒的なスケールで描く宇宙ハードSF巨篇3部作の最終章。
前2作で21世紀においてもハードSF、それも宇宙SFにおいて想像力・創造力で現実をぶち抜けるということを示してきたわけですが、3作目にしてさらにその規模感をマシにマシつつ、ゴリゴリにセンス・オブ・ワンダーに満ちたSF的アイデアをぶち込んだな、と。
個人的には中盤に盛り込まれたお伽噺の読解の件が好きでした。
3作中で完成度の高さで言うと2作目の暗黒森林なのだけれども、SF的想像力のスケールの大きさとSF的創造力の緻密さ、そしてセカイ系チックなエモさのハイブリッドという離れ業というところでは類をみない名作であるのは間違いないなと。
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2021.11 これまで同様壮大な物語。でも今回は難しかった…年代はボンボン飛ぶは、難解な用語は多いは、これを理解できる人は相当な科学系SF好きな人なんだろうなぁ。
とにかく読み進めるのに苦労した物語でした。
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劉慈欣によるSF小説三体の最終章(三体・三体Ⅱは読破済み)。三体Ⅱのラストからどんな感じになるのかなと楽しみだったが、今作も安定して楽しめた。三体Ⅱで進行していた計画の裏側で進行していた極秘プロジェクトの話からの、まったく先が読めない緻密な展開に度肝を抜かれた(まさか次元も超えてくるとは)。宇宙心理学だったり、宇宙論を研究している学者が出てくるのも面白い。下巻では、今作中一番ぶっ飛んでいたキャラのウェイドに期待。
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人の美しさについて「すらりとしていて美しい」とだけ書くのが一貫していて現代的でいい。
「まつ毛が長い」とか「目が大きい」とか「鼻筋が通っている」とか一切ない。
人類がパニックに陥ったときにびっくりするくらい愚かな行動に走るのを、はじめは懐疑的に読んでいたけど最近はまああり得るだろうな…という気持ちで読めてしまう。
こんな確証得たくなかったな。
地味に帯でうっすいネタバレされそうになるの嫌。
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ついに読み切ってしまった・・・。2019年に翻訳版として出された第1巻から足掛け3年、まずは人間の想像力とはここまで飛躍できるのか、いう驚愕と共に全く体験したことのない読書体験ができたことに感謝したい。
それにしても、ここまでの世界を描くだけの想像力を持った著者の脳内はどうなっているだろうか。本書の想像力のスケールの大きさはそう感嘆せざるを得ない。
まだ「三体」を読んでないという人は幸せである。これから、途方もない世界を味わうことができるのだから。
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三体人との争いが激しくなり、
次々に展開していく様子にハラハラした。
また、星をプレゼントする様子など、
ラブストーリーとしても楽しめた。
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待ちに待った最終作。期待を裏切らない展開で、最後まで翻弄された。全体を通じて素晴らしい作品。個人的には最後はもう少し地に足のついた終わり方を期待していたが、この終わり方も三体らしいと思う。とにかく話のスケールが大きくて、今までにない読書体験だった。絶対にオススメ。
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上下巻読みおえてからふりかえって、冒頭がコンスタンティノープルだったこと、完全に忘れてた(^_^;; そうか、あれは次元の話だったのか。今見たらちゃんと書いてあったのに、わかってなかった。そうやって読み飛ばしていることがたくさんありそう。
でも、課題を乗りこえるためにひとつひとつ解決策を積みあげていって、これでもかこれでもかと新しいアイディアがでてくるのはほんとうに読みごたえがあった。
執剣者交代の直後の大展開で、思わず「ええっ!」と声が(笑)
そして〈万有引力〉と〈藍色空間〉の思いがけない行動――ここにコンスタンティノープルが生きてくる。
上巻末の程心と天明の対話は、舞台設定といい、三体世界のプレッシャーといい、ものすごく緊張感があって、よかった。
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どんどん広がる物語。
読んでいてすごく楽しかった。
階梯計画の内容に驚愕。
下巻が楽しみ。
脳を送るという発想。中国人だからできる、すごい発想だと思った。
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空想の翼を広げさせてもらいました。
でも、設定を広げすきた感はあるかなぁと感じました。
重量オーバーになった機体をどうするか?という場面で、あの発想は自分にはなくて驚きました。
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コンスタンチノープルをめぐるビザンツ帝国とオスマン帝国との攻防戦という意表を突いた場面から「三体Ⅲ」は幕を開けます。ローマ帝国の完全滅亡の意義を三体世界または地球のそれに重ねているのでしょう。目蓋を閉じると目まぐるしく世界が時間が変わります。「三体Ⅱ」はスペクタクルな映像で見たい!と思わせましたが、「Ⅲ」は暗黒森林理論が果たしてテーゼなのかと問う「思想編」でしょう。それにしても「死神」と書いて「ししん」と読ませる、「死神永生」というサブタイトルが不気味です。いざ、下巻へ。
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黒闇森林で全てが解決した、もうこれ以上なにか書くべき事などないだろうし、それは蛇足になって作品の評価を下げてしまうだけではないのか。
そう思っていた時期が、僕にもありました。
大変な盛り上がり。面白すぎる。
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黒暗森林編はワクワクしながら読んだけど、今回はその後始末的な要素が多く、構成も本文、補足、本文、補足って感じでテンポが悪い。
内容は相変わらず物理要素の多い話なので眠くなる事が頻繁でその辺はさらっと読み飛ばす術を前作までに備えているから読み進めるスピードは遅いながらもなんとか進めていられる。
途中三体星系が飛んじゃったじゃやん、あとどうやって後半持たせるの?って思ったけどなるほど、うまい具合に興味をそそられる展開になってきた。さて、後半戦。
どうしても作者がこの世紀の人であるから(当たり前だがw)表現というか比喩がこの世紀の映画や登場人物だったりするからSFとしては興ざめるシーンがしばしば。スターウォーズの映画の中で「それは七人の侍のようだな!」ってセリフがあったらしらけるだろう?って感じw