紙の本
さすがに上手い
2023/05/30 10:46
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投稿者:R - この投稿者のレビュー一覧を見る
シリーズがここまで続くと、第一巻の感動を維持するのは難しい。
本作でもそれは免れていないが、舞台を変えたり視点を変えたり、色々な方法で飽きさせないようになっている。
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走り出しの面白さではこれまでで随一だった。自分に好意を向けてくれた男性を、大義のもとで永遠の孤独へと送り出してしまった、という罪に遅すぎるタイミングで気付くという絶望感。死の間際で愛する人が駆けつけてくれたと思ったら、最悪の提案を持ちかけてきたという絶望感。地球全体の運命という大きな流れに小さな個人が振り回されるこの感じ、いいよね、SFだよね、という感覚だった。しかし、このあとで雲天明が地球のためにメッセージ送る気になったっていうのは腑に落ちないものがあるが。どこかで補足されるだろうか。
前巻よりテンポも良くて面白いのだが、相変わらずソードホルダーなどと言って個人にすべてを担わせ、ろくなバックアップも施さないという国連の楽観っぷりがよくわからない。危機紀元が去った故に「男性的」な人間が姿を消す、というのも、20世紀後半見てても本当にそう思えるか?人間の志向の多様性ってその程度か?という気がするし、人間社会に対する描写は違和が強い。誰も彼もがあまりに感情で流されるままに愚を犯しすぎている気がしてしまう。
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もう本当に言葉が出ない。前作でひと区切りついたと思いきや、さらなる二転三転に驚きっぱなし。あれを上回る圧倒的な絶望に打ちのめされ、星をめぐるロマンスに感涙し、未知なるセンス・オブ・ワンダーにワクワク。よくもまぁこれだけ、ありとあらゆるアイディアを盛り込めるものだ。このシリーズは巻を重ねるごとに面白さが加速していくので、1巻がイマイチだと思った人も是非ここまで読み進めてみてほしいと思う!あと1冊で終わってしまうのか~。
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面壁計画と同時進行していた階梯計画の顛末と、運命に翻弄される美しき航空宇宙エンジニアの程心(チェン・シン)。
序盤はそこはかとなく漂う新海誠っぽさにげんなり… しかしそこは三体!その後は阿鼻叫喚の怒涛の展開が待ってた。これまでずっと人類を苦しめてきた智子(ソフォン/ともこ)がツンデレ過ぎる!羅輯(ルオ・ジー)やっぱりすごい人だったんだな。
これでまだ半分とは…どうなるの下巻…
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上下一括感想
下巻にて。
相変わらず破天荒……と思ったら、
ちょっとまとめにはいってきている?
でもなにしろ「三体」だから、
下巻で何があるかまだわかりません。
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大、大、大満足。
ついに完結。
Ⅰ巻の時点で「何てスケールのでかい作品なんだ...」と思っていたのにⅢ巻でも「何てスケールのでかい作品なんだ...」と同じ感想が出てくる。しかしその意味するところは全然違う。Ⅰ巻のスケールのでかさを遥かに凌駕する内容で襲ってくる。本当に襲われるという表現に値する内容。
Ⅲ巻でⅡ巻の主人公とバトンタッチ。Ⅱ巻で行われた面壁計画(未来に侵略してくる三体文明から地球を守るための計画)の裏では別のプロジェクトが動いていた。その名も「階梯計画」、人間を直接三体世界へ送ろうとする試みである。今作の主人公、程心(チェン・シン)もこのプロジェクトに携わり、次第に大きな影響力を持ち中心的な人物になり、長い、本当に長い冒険をすることになる...。
想像力を刺激するSFの描写にとどまらず、一人の男性が抱く淡い恋心、程心が抱く人類への愛、母性...などロマンに溢れているのも見どころ。
宇宙船を使って惑星間の移動、他文明、地球外生命体との交流、大きなスケールでの冒険といったら「スターウォーズ」をまず思い浮かべることができるが、「三体」はそれとは全く違う景色を見せてくれる。むしろこちらで描かれてる方がリアリティを感じさせる内容。もし宇宙に地球以外の知的生命体がいたとしたら宇宙は「暗黒森林」状態になっている...(こちらについてはⅡ巻を読んで欲しい)
本当におもしろかった。僕も叶うならば冬眠状態になって100年ごとくらいに目覚めて人類や地球がどのように変化していくのか見てみたいなぁと思った。
世界に浸りすぎてしばらく抜け殻になりそう。
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三体人と人類の戦い。壁面計画で一時の安寧期間を得た人類は2代目への移譲によって
人類の三体人への切り札を使えず、一気に征服されてしまう。しかし残った最後の一つの重力送信機で三体人の母星の座標を全宇宙に送信して逆に三体人の母星はもっと技術力のあるものに滅ぼされてしまう。
残った人類はこの後どうするか?下巻に突撃!
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智子封鎖が解け科学が進歩してしまったがために、出てくる技術も現象も現代の感覚から遠く離れて現実味を失い、馴染みづらい。説明も抽象的になり、ポンポン時間を飛び越え次のシーンにいってしまうので、アイデアの箇条書きのよう。アイデアのひとつひとつは面白いんだけど。
三体人の地球人観、読みたかったなぁ。
シリーズ通してかなり楽しめたけども、やはり女性の描写がかなり足を引っ張っている。女性キャラとくれば枕詞のように「美しい」が付き、その多くが主体性を持たないのには辟易した。歪んでる。
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楽しみにしていた「三体」三部作の完結作。
面壁者、羅輯(ルオ・ジー)が行った面壁計画により、宇宙は暗黒森林であると知らされた。
危機紀元、羅輯が面壁者に抜擢された際、同時に国連惑星防衛理事会戦略情報局(PIA)の程心(チェン・シン)は、階梯計画(ラダー・プロジェクト)を実行すべく雲天明(ユン・ティエンミン)と再会していた。
コールド・スリープにより、時代が数世紀にも及ぶ広大な作品で、毎回ワクワクします。
科学的なSFだけにとどまらず、心理的な描写の繊細さに心を打たれると共に、人類の歴史にも伺える残酷な運命に驚かされたりなど、想像を絶する展開がこれでもかと巻き起こります。
人類が立てる地球防衛計画としてはどうなの?って思うものも多少ありますが、後々それらの計画が生きてくる。
「三体」では、フェルミのパラドックスが、宇宙は暗黒森林であるという前提で話が進んでいますが、現実で地球外生命期待の動画や記事を見るたびにこの説を思い出し、「そんなに騒いじゃ危険、静かに!」って思ってしまうのは私だけでしょうか?笑
下巻読み終わっちゃうのが悲しい。
期待大です。
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細かく章が分かれているせいか、理解の難しい物理や科学の描写が少ないせいか、私にはシリーズの中で一番読みやすかった。
スケールがさらに広がっても、この小説世界が確固として「ある」ことがすごいなと思った。劉さんの想像力がものすごい。
唯一違和感があったのが、程心さんが星を贈られて感動するところ。他人から突然星など贈られたら怖くないか!?
とにかくこの後の展開も楽しみだ。
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本作の主人公・程心が魅力的。
彼女の波乱万丈の人生と、思いもよらない怒涛の展開に翻弄される快感。
1や2は少々スロースタートだったが、本作は冒頭から面白い。
上巻の最後もかなりの盛り上がりだった。
いざ下巻へ…。
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待ってましたの第3部。
主に下巻になるが、第3部では時間が一気に未来に進んでいくので、
しっかり時間軸を意識しておかないとわけがわからなくなる。
第2部まではSF感はそこまで感じられず、三体星人との決戦に向けたストーリーをシンプルに楽しめたが、第3部では後半に進むに連れハードSF感満載となってくる。
SF好きには馴染み深い要素がたくさん出てくるのでそれはそれで楽しめる。
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「暗黒森林理論」を基にした面壁者ルオ・ジーの知略によって、三体文明による侵略を抑止することに成功した人類だが、その抑止は、平穏を謳歌するには脆すぎるものであった――――。
前巻で壮大な物語にピリオドが打たれ、今巻はエピローグ的な雰囲気になるのかと思いきや・・・物語は全くの途上であったことを思い知らされる。目まぐるしく変化する状況に翻弄される人々の姿が、滑稽でありリアル。今作の見所の一つに数えても良いくらいだ。
次で本当の本当に最後。結末は・・・これまで何度も予想を上回る展開が続いているため、正直、想像がつかない。この壮大な物語の結末は如何なものになるのだろうか。期待は膨らむばかりだが、きっとこの膨らんだ期待に応えてくれるものになっていると信じている。
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今一番注目のSF作品といえば、こちらの「三体」。その完結編となる第三編の上巻となります。
ストーリーは第一編で地上でじわじわ、第二編で一気に宇宙に広がった世界が、第三編では●●●(言わない方がいいだろう)にまで広がり、正直詰め込みすぎじゃない!?と思ったりもした。けど、こんなに世界観が広がっていて、下手すると一気に安っぽいSF世界に堕ちそうなのに、過去に描かれた未来の叙事詩のように、突拍子もないほど、やけにリアルに見えてくる。後半一期に目がグルグルするほどの展開だけど、ぜひしがみついて、三体世界を楽しんだ者勝ち。
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人類の英知を結集し、地球と三体のパワーバランスがとれ、お互いに自分たちに不足している点を補完できる体制となるなど、奇跡のように恵まれた時代が来たが、三体はそんな甘いものではなかった。階段計画は実に素晴らしいと思われたが、制度の少しの間隙を縫い、また、地球側の楽観的精神も利用され、遂に智子と水滴は本領を発揮する。彼らの科学力は人類とは比較にならない。三体の航宙艦はいきなり光速まで加速できるのに対し、人類のそれが光速の15%に達する(それでも現代では考えられないが)には1年という時間が必要というほど差がある。
執剣者は羅輯から程心に変わったが、就任して15分ではどうにもならない。智子曰く「人類の堕落した平和は終わった」←地球上というか豪州では流行語大賞となり、全体主義や過去神の復活を見ることに…
オーストラリアでは人間の愚かさが遺憾なく発揮(相当未来になり人間もソフィスティケートされたように感じていたが)され、この状況なら人間はこうなるだろう、何も変わっていないと悲しく、また恐ろしくなった。
しかし、まだまだ話は二転三転どころか四転五転して行き、地球も藍色空間や万有引力も一体どうなることやら…
そして三体星系にもたらされた事実に伴い、智子から唯一明かされた暗黒森林に対する重大な話。さらには雲天明のお伽話。
いよいよ下巻へ、どのような結末を見ることになるのだろうか。