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旅客機の窓からみた写真、という切り口が目新しい。
飛行機に乗った時、離陸後、あるいはこれから着陸という時にみえる色のある大地。旅行に行けない今、飛行機で旅に出た気分に。
アメリカ西部上空、山々が連なり、いままで見てきた絶景写真とはまた別の感動がある。
「ウルムチ西方の大褶曲構造」イスタンブールから成田への航路で。(中国新疆ウイグル自治区上空) ウルムチの西約60キロにある大褶曲構造。白亜紀の内陸性堆積物。中国では甘粛省張掖郊外の「張掖丹霞地貌」という絶景写真をみたことがあるが、これも赤茶、薄茶、薄緑などが縞縞になった山肌。鋭角的な山ではないようだ。写真の上下では約20キロあるとある。標高差は約400mとある。
著者の須藤氏は国内線に乗った時、隣席の人に今窓から見える山の名前は? ときかれたのをきっかけに「旅客機から見る日本の山」という本をものした。これはその世界版。さすがにひとりではカバーできないため飛行機からの写真を持っている人に協力を求めた。
写真は須藤氏のほか9人による。国際航業株式会社社員が5人、あとは地質研究所、大学の先生など。だが仕事用の小型機ではなく、あくまで一般的な旅客機で誰もが眺めることができる写真、ということだ。
2021.4.30発行 図書館