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28の随筆があるのだが、出典元が書いていないのが難点。
内容は、人生訓の他に、日本人論、全体性の回復、心理学の解説、思い出話などである。
「こころの処方箋」からは4つ選ばれていて、私の好きな「灯りを消せ!」の話も載っていた。
この話は「こころの扉」のCDで生の河合さんの語りがある。CDや「こころの処方箋」の中では「物事は努力によって解決しない」というクリシュナムルティの言葉も盛り込まれていたが、この本にはない。道草こそ人生の王道だという河合さんの持論は、つまずいて悩んでいる人にはインパクトがあると思う。
最後に養生訓の文章を入れたところは、故人を惜しむ感じが出ているので、編者は、河合隼雄個人に、興味をもっていると推察できる。個人的に交友のあった人かもしれない。
太陽の「河合隼雄」特集の編者と同じ人にちがいない。平凡社は今になって、河合ブームになっているのだろうか?
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いまなお多くの人に読み継がれる、心理学者・河合隼雄さん。日本ではじめてのユング派分析家として、長年のカウンセリングを通じて分け入った、ことばにはできないこころの形、日本人の心の深層を優しく教えてくれます。
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目次を見て気になるページから読んでも良いし、適当に開いたところを読んでも良い。
どこを読んでも、なるほど!とメモしておきたいひと言があって、一気読みには向いていない。
装丁も本のサイズも丁度いいので、身近に置いて時々読み返したくなる大切な一冊。
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さんの心理療法の第一人者、河合隼雄さんのエッセイをまとめた本。40代の頃のエッセイから晩年のエッセイまで幅広く、それでいて興味深い話が収録されている。流石の読みやすさでありながら、中身がぎっしりと詰まっており、読了後には1つの大きな経験をした後かのような満足感と重さを感じた。特に近年の本にはなかなかないような重みを感じられる1冊として、出会えて本当によかったと思っている。
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◆杉本真維子:「はてな」を大事に温めていく(東京新聞2021.7.25) https://www.tokyo-np.co.jp/article/118929
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(個人的なメモ)
エッセイ集のようなもの。中には少し論文ぽいのもある。
河合隼雄は『影の現象額』を前に読んだけど、核となる「影」の概念が不明瞭で、なんか文字を追っていても深く理解できず上滑りする感じだった。
だがこのエッセイ集のようなものを読んで少し分かった?気がする。
ユングをちゃんと読まないと理解できないんだろうけど、「影」というのは、物事の裏面とか負の産物とか、そういうものなのかな。
「物語」が、自分自身と世界に折り合いをつけるための接着剤というか潤滑油というか、そういうイメージで位置づけられているのが興味深かった。
木村敏の著作を並行して読んでいるので、主体と環境の間にはこういう意味での「物語」が存在しているのかも知れないと思った。
できれば手元に置いておきたい。
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心理学、もしくは深層心理学は今後複雑社会、特に人との関係・繋がりを考える上で重要な基礎的知識と要素になる。精神が不安になるには必ず相手がおり自分との相違が表面(心)に出てくるもの、だからこの書にある「自己理解」から「誰がアレンジしたのか」を紐解くことである程度「心の診療」ができると思う。
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ただ座っていること
遠くを眺める
人生の味
我を忘れる
型を破る
はてな、はてな
人の心などわかるはずがない
100%正しい忠告はまず役に立たない
心の新鉱脈を掘り当てよう
灯を消す方がよく見えることがある
「心」の科学
日本神話に見る意思決定
心と体
離婚の理由
ITとit
子どもの「時間」体験
子どもは物語が好き
昔話の残酷性について
物語とたましい
民話と幻想
影の世界
アレンジメントについて
心理学公害
自然モデル
香具師
ユング研究所の思い出―分析家の資格試験を受ける話
私の養成術
音のない音
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まさかこの本で日本神話が出てくるとは思わなかった笑
章のタイトルと帯にも書かれている、「人の心などわかるはずがない」という言葉。読み終えた今、噛みしめておきたい。
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読みやすい。
むしろ読みやすすぎて、あまり引っ掛かりがなかった。
柔らかくて、穏やかな人だったのだろうなあ。
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深くて考えさせられる話がたくさんだった
読みやすかったけど、まだちゃんと理解できてないんだろうなと思う箇所もあり、もっといろいろ経験してからもまた読みたいと思った。
若い時から知っていたのに、この歳になって読んでみて感動して、また何冊か読もうとしてる。これも何かの縁なんだろうな。
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エッセイ選集のような一冊。「こころの処方箋」は読んだことがあって、そこから選ばれたエッセイも4編収録している。
後半にいくほど話が難しくなる印象。そんな中「日本神話にみる意思決定」が強く印象に残った。欧米の中心統合型モデルと比較して、日本の意思決定構造は中空構造である、という指摘に唸らされた。天皇なんてその象徴だし、もしかして日の丸はその中空構造を図式化して国旗にしたのではかなろうか。
近年、組織で何か大きな不祥事が起こるたびに「忖度」という批判が上がる。それこそ権力が中空構造であるが故に起こる事態のように思える。「忖度」に象徴される日本的な権力に対する態度が中空構造を形作っているとも言える。
他人のことはよくわからないが、この中空構造は日本の個人個人にも当てはまるのではないか?どうも自分の自我の中心が空洞な気がしてならない。単に私が空っぽなだけだろうか。