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発売から ずっとずっと 読みたくて 図書館とのタイミングの合わなさ具合にやきもきし続け...
ミステリタイトル 4冠!!
直木賞 エントリー!!!
帯を飾る言葉が日に日に晴れやかになっていく
そして ようやく 読むことが出来 読んでいる間に 直木賞受賞と 本屋大賞エントリーのニュース
そりゃあ そうだわ と読み終わって思う
ミステリーとしても
歴史小説としても
人間ドラマとしても
どれをとっても とても読み応えのある作品
久々に
早く 先が読みたい
でも 残りのページが少なくなるのが 寂しい
読みたいけど 読み終わりたくない
そう 思わせてもらった
一言では語れない
ぜひ 読んでもらいたい
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黒田官兵衛が荒木村重にとらわれていた1年を描く。
戦国時代でミステリとは・・・すごい・・・。
(ファンタジーでのミステリもすごかったが)
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米沢穂積さんの新作は、戦国武将の荒木村重を主人公とした戦国ミステリー小説。主君の織田信長を裏切って有岡城に籠った村重は、村重を翻意させるために乗り込んできた信長軍の軍師である黒田官兵衛を土牢に幽閉する、その後城内で様々な事件が起こるのだが、村重は官兵衛に事件の謎を解くように求めるようになる。官兵衛が「謎解きはディナーのあとで」の影山ライクな立ち位置で謎を解いていくのが面白い。籠城が長引くにつれ、村重側近の武士達が心変わりしていくので、真犯人が最後までなかなかわからないのも◎。
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やられた。。これはうまい。戦国の戦のど真ん中にミステリーを投げ込んできた着想がすごい。ましてや主人公の一人が荒木村重…謎が多いこの人物は、豪傑なのか?策略家なのか?ただ突然信長に謀反を起こした曲者なのか?どうしても松永久秀と同系統に見られがちな、情報の少ない人物を起用してくるとは。。著者はそんな人物をものの見事に描き切り、幽閉した黒田官兵衛とのやり取りも見事で、有岡城内の小さな事件と戦国の大乱の二つの流れを見事に自然と紡ぎ合わせていった。こんな歴史小説もありなんだ、と驚かせてくれた一冊。ミステリー小説作家の見事な歴史小説デビュー。面白かった!
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織田軍に囲まれた摂津有岡城には荒木村重が立て籠もる。
使者としてやってきた小寺官兵衛(黒田官兵衛)は成敗も返しもされず土牢に囚われる。
そんな有岡城内では不穏な動きが散見。籠城の妨げとなる憂いを除こうと村重は奔走するが真相に至らず、土牢の官兵衛を訪ねる。
なんていうお話で、丁度年末年始のお休みでじっくり読めたのでとてもよかった。
わかっていたけどソッコー読み終わってしまいました。
土牢にいる官兵衛が遺漏のない状況説明を聞いて、真相を暴くという、いわゆるアームチェアディテクティヴものの態をとっています。
でも官兵衛サンあっさりとは教えてくれない。
わかってもヒントっぽいことを謎かけみたいにしてふわっと投げかけるカンジなので、これを最終的に解決に持っていく村重サンも相当キレモノですね。
時代物なので、言い回しがちょっと難しくて、wiki片手に読んじゃったりして。
一揖(いちゆう)→ちょっと会釈する
ってのは覚えた。少し賢くなった。(`・∀・´)エッヘン!!
まー、あれこれあって面白かった。
ほんでー、こっから先が書きたいことなんですけど、ガチネタバレなので、困る方は読まないでくださいね。
この本は面白いので読んだほうがいいし、ネタバレ見ちゃうと面白さが8割くらい減るので(個人の感想です)
で、読まれた方と語り合いたいのです。ぜひぜひ!
4つの事件をあっさり解決しちゃった官兵衛。
事件が起こったのは偶然ではあるけれど、籠城が長引く戦で起こるであろうことはある程度予測していて、解決するタイミング、ヒントの与え方も計算ずくだった官兵衛さん。
ひとえに自分を捕らえ家名に泥を塗り、人質だった息子が殺されてしまった原因の村重への怨念で、キレッキレの頭脳を使い、牢から有岡城を落としてしまう官兵衛。
でもそうまでして無念を晴らしたはずだったのに、実は息子は半兵衛のたばかりで生かされていて、最後感動の再会があったじゃないですか。
ねぇ、あんなに全力で陥れたけど、実はそれは無用であったと知ったとき、官兵衛はどう感じたんでしょう?
めっちゃ無駄だったワケで、落城以降兵だけでなく女も子供も何百という人が殺されたじゃないですか。
彼の頭脳があれば、もっと穏便な開城の仕方が見つけられたでしょうに。
「息子生きててよかったねー」よりもそっちがすごく気になる。
さらには息子を生かすために犠牲になった命はなかったのかとか。誰か身代わりに首とられたりしなかったのかな。死体を利用したのかな。それも気になる。
官兵衛的に、それは不本意なのでは・・・?
あなた、その頭脳の使い道を間違ったのでは・・・?
自他ともに認める知恵者としてとっても悔しいのでは?
でも、まぁ、立つこともできないジメジメで変な虫とかがわんさかいる土牢に1年近くも閉じ込められたくはない。大変だったと思う。怨念がなければおかしくなってたかもしれないから、そんなにいじめたらダメかな。
正気を保って生きるために、復讐の念で意図的に狂ったと言える��かもしれない。
あ、それと村重サンも大変だったね!
お殿様なんてえばってればいいのかと思ってたら、できたお殿様はあっちにもこっちにも目を配らなきゃいけなくて、ほんとに大変なんだねー。手足になる御前衆とか絶対にいるよね!ほんで役に立つ近習がいてよかったね。
無辺が殺られなかったら、もっと温和な結末があったかもしれないと思うと、とても残念。
これも人と人が営む日々の結果だから、思い通りにはいきませんね。いかにキレモノとても人の心は読み切れないといったところでしょうか。
いろいろ考えられてひさびさにとってもいい読書でした。
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米澤さんだしこのミスだしミステリなんだろうけど体裁は歴史小説だよなあと思って読み始めたら最初の事件発生で俄然面白くなってきた、からの「そのトリックありなの?」という展開で、正直第1章読み終えたときには結構拍子抜け。それでも歴史小説的な面白さに引っ張られるようにして読んで辿り着いた結末に、なるほどと唸ると同時に、時代とはいえ粗末に扱われる命が悲しかった。しかしあの主人公の村重が城を捨てて生き延びたっていうのがいまいち腑に落ちないわ……結局エゴの塊でしかなかった、ということなのか……
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戦国期が舞台とあって、それ相応の戦国仕様の言葉が並ぶ。読みずらさに1,2ページで一旦放棄してしまったのだが、謀反の籠城の荒木村重が城中の事件を囚われとなった黒田官兵衛に相談し?なにがしかの知恵をもらい解決する、という本の紹介文を読み、気を取り直して読み進めると、大河ドラマの岡田・官兵衛の姿や捕われとなった地下牢や足が不自由になった姿などを思い出し、読み終えることができた。
籠城約1年の間に、冬の人質事件、春の手柄争い、夏の密使の僧事件、秋の鉄砲放事件と城下がざわめく事件が起こる。そして事件の真相を官兵衛の言を手掛かりとして村重が明かすことになるのだが、籠城の城下、城内はだんだんうら寒い様相になってゆく、その様がおもしろかった。4週仕立ての60分ドラマにしたらおもしろいのではないか。
ただ、荒木村重は表層の事跡では一人城下を抜け出しその後茶人になってしまうではないか。いけすかない。しかし子供はあの画人の岩佐又兵衛なんだよな。
2021.6.2初版 図書館
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目の前に岡田准一の官兵衛が…マイナーな戦国武将の荒木村重…どう展開するのかドキドキしたが、兵糧攻めと牢という二重の密室で展開される丁々発止の歴史小説ミステリー。息を止めて一気に読了。「竜骨…」以来の傑作。それにしても、功なり名遂げた作家は、歴史小説に挑戦したくなるんだなー?
「悪因が悪果を生み、悪果が悪因を生じさせるこの世の道理に、人が抗うすべなどないではないか」
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著者にとっては初めての時代ものになるのだろうか、それにもかかわらず大傑作である、歴史物を書きそうもないのに書けば傑作というのは冲方丁のようである。本作は荒木村重の話に見せかけ、実のところは黒田官兵衛が牢を城にして戦った物語であった。「播磨灘物語」を書いた司馬遼太郎が読めばさぞびっくりしたことであろう。初めはさすが推理小説作家、官兵衛を変わった安楽椅子探偵にしつらえたものと思っていたら、なんと村重を誅するための謀略であったとは。しかし戦国の定めとは言え千代保の最後は哀れであり、それに比べ村重の惨めなこと。
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荒木村重って信長が刀に串刺しにした饅頭を食べた事、美人妻より茶壺を選び一族縁者を何百人も見殺しにしたヤツ、ぐらいの知識しかない私。
海賊の娘 景が毛利の味方をして本願寺に物資を運んでいる時。
麒麟がくる で鞆の浦で光秀が将軍と鯛を釣っている時。
さあー読むぞ!と表紙を見たら
Arioka
Citadel
case
と、あるし。この表紙瓦?でこの瓦の家紋って藤巴?え!背表紙も?裏表紙も?
栞は、燻銀。
本を見ただけで、ワクワクしてしまい、一気読みしてしまいました。
私は、好きです。籠城しているさなか、つまり密室で起こった事件、それを解く黒田官兵衛。そこにプラス時代的思惑。
岡田君官兵衛の時、道糞 出てたなあー
藤の花が見える牢よりも、地下のジメジメした土牢が、何故かリアリティーを感じてしまいました。
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読んでいる最中に直木賞受賞のニュースが。
さすがです。
当初はライトなミステリの作家という認識でしたが、今や史実をもとにした歴史ミステリを書くベテランの域です。
荒木村重の没落と、その際の黒田官兵衛の幽閉を絶妙に使ってミステリに仕上げている。
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負ける 人心も離れていく
話し相手はいない
信用できるのは誰だろう?
と籠城戦に持ち込んだ 荒木村重
自分のことを理解できるのは 地下牢に閉じ込めた 黒田官兵衛のみ
疑心暗鬼の中 いろんな殺人事件がおきる。
牢の中の 黒田官兵衛に話しを聞いてもらう。
官兵衛は 誰がやったか なんて具体的には言わない
でも それで道が開けていく。
でも 荒木村重は 私からすれば ダメな上司でリーダーだ。
結局 城から出て行く。わずかな供をつれ
城は 織田がたに攻め込まれ 奥さんも処刑されてしまう。
やることに 迷いが多すぎる。
力のない中途半端な男だなあ!
黒田官兵衛は ひどい牢から助け出され 殺されたと聞かされた息子も生きており
それが救いになる話しです。
一番肝の座っていたのは 荒木村重の奥さんかもしれません。
やれやれ! という話しでした。
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思いがけず、真山知幸『企業として見た戦国大名』と戦国時代つながり。「裏切らない限り人質は客人扱い」はそちらの書にも。史実とフィクションがどのくらいの比率なのか分からないけれど、昔の人たちも頑張って困難な状況に陥りながらも生きていたんだなと思う。武田信玄の10歳くらい下に上杉謙信、その5歳くらい下に荒木村重、信長、秀吉がほぼ同年代で並び、伊達政宗は20歳くらい下、宮本武蔵が更に15歳くらい下という認識に。村重の行動原理にも関わってくるけれど、やっぱり難しい時代に生まれちゃったのかも。外で活動すると、泥で服が汚れる描写にリアル感を感じた。時代小説ってこんな感じなの?
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有岡城に籠城する荒木村重を説得しに行った黒田官兵衛がそのまま幽閉された史実に基づき、有岡城で起こる不可思議な事件をミステリーとして描く野心作。籠城中の城のどんよりとした雰囲気が行間から伝わってきて、読んでいて息苦しくなる感覚がある。ミステリー小説としても歴史小説としても興味深く人物描写もよく描かれており良作だと思う。
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さすが穂信さん。ミステリー仕立ての歴史物。荒木村重の生き様。ぐいぐいと読者を惹きつけてやまない。信長の悲惨な行為に対する反抗。官兵衛との丁々発止のやり取り。謎が謎を呼び、その謎の解決と実際。最後は寂しすぎ。