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そもそも未来とは予測不能である。
AIが進歩したとしても、未来が予測不能であるという前提の前ではなんの意味もない。
今の日本の組織の多くは、ルールに縛られ、標準化や横展開、内部統制によって画一的になっている。しかしこれでは変化には対応できない。
変化に対応するには
①実験と学習→とりあえずやってみて試す
②上位目的へのこだわり→組織の目的にコミットし、その時々で最善の手段を採る
③自己完結的な機動力→縦割りの動きづらい組織ではなく、自己完結的な権力も持った独立組織が理想
④前向きな人づくりへの投資→可視化しづらい人への投資を惜しまない
が必要である。
幸せな組織の4つの特徴
①flat 人と人の繋がりに偏りがなく均等である
②improvised 5分間会話が高頻度
③non-verbal 会話中に体がよく動く
④equal 発言権が平等である
個人としてできるのは、人に幸せを与えること。
会話中の同調動作であったり相槌を打つことで幸せを人に与える。そうすればその人から連鎖的に幸せは広がり組織全体に幸せがまわる。
結果として自分も幸せになれる。
幸せとは決して自己完結的なものではなく人に与え与えられるものである。
幸せを高める4つの能力
①hope 自ら進む道を見つける力
②エフィカシー 現実を受け止めて行動を起こす力
③レジリエンス 困難に立ち向かう力
④オプティミズム 前向きな物語を生み出す力
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途中、中だるみしちゃったけど読破。
著者さんの考えが凝縮しているのは最後の章で、勇気づけられます。前の本と合わせて、個人的には何よりも自分自身を奮い立たせてくれる本です。
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◾️概要
予測不能な時代に、データが導き出す幸せな生き方とは何かを知るため、読みました。最も印象的だったのは、「変化を機会に変える行為が幸せである。幸せは状態でなく、行為だ。」です。また、組織の幸せは、メンバーが周囲を元気に明るくしているかで決まるということも、エビデンスとともに述べられています。
◾️所感
長らく経験則で語られ、捉え所のなかった「幸せ」にデータという物差しをあて解き明かしていく様は圧巻の一言です。研究という枠に収まらず、ドラッカーの述べた21世紀の偉業と言えるでしょう。分野の壁を越え、あらゆる角度から本質に迫り議論を展開しています。まさに、目的の達成のために手段を選ばず果敢に取り組むべき、という主張を体現していると感じました。
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個人においても集団においても「幸せ」の要因として少なからず「身体運動」が関わっているというのがビッグデータによって読み取れるというのは非常に面白い。
この本では最初にドラッカーの言葉を引用している。
『われわれは未来について、二つのことしか知らない。一つは、未来は知りえない。二つは、未来は、今日存在するものとも今日予測するものと違う』
今の時代、数年後どころか数週間後の未来すら何が起きるかわからない。
そんな時代を生き抜く為の知恵が詰め込まれた本です。
著者の視点や洞察力がとても面白く、格差の本質については衝撃的とも言える内容でした。
非常に濃密な内容の本です。
面白かったです。
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組織(会社)の構成員の幸せを考える上で大変参考になった。大量の実証データをもとに幸せな組織の条件を明らかにし、科学的根拠も示してくれる。自らの経験則からも納得がいく中身であり、組織メンバーと是非シェアしていきたいと感じた。日立の半導体研究者から「幸せ」を研究するに至った著者の思考や経緯も興味深い。最近注目度が高まっているウェルビーイングに少しでも関心のある人は是非手に取るべき書籍。
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著者の思いの丈が詰まっているように思う。
テクニカルな話は期待していたが、無い。
・予測不能な時代には、計画よりもまず実践しながら学習する
・スピード感を持つためには、個人個人がしっかり幸せや、大目的を把握していることが重要
・では、幸せとは?スキルで対応出来る。
・データで変化に向き合って幸せをもたらすためには、乖離を検知して対処すること
・乖離すること、格差が出来ることは自然なこと。それを特別にとらえてはいけない。
・幸せは状態でなく「行為」のこと。変化に立ち向かう力を高める行為が重要。
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幸せな組織の特徴
flat 均等
人と人とのつながりが特定の人に偏らず均等である
improvised 即興的
5分から10分の短い会話が高頻度で行われている
1時間の定例以外の会話がある
Non-verbal 非言語的
会話中に身体が同調してよく動く
equal 平等
発言権が平等である
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前著作の『データの見えざる手』から7年、その間にウェアラブル活動計などからのデータと幸福に関する研究成果を元にハピネスプラネットという会社を立ち上げた著者による新作。本作を貫くのは”予測不能”というキーワードである。
前作が上梓された2014年以降、AIの社会実装は確実に進んできているわけだが、現状のAIのほとんどが過去のデータに基づき学習をさせる以上、それは予測可能な現象にしか適用できず、むしろ予測不能な現代においては”実験と学習”というアプローチに転換する必要がある、というのがこのキーワードによって導かれるテーマである。とはいえ、では”実験と学習”が実際に何を意味するのかというと、真っ先に強化学習のようなものをイメージしてしまうが、そうではないとされ、具体的に何をイメージすれば良いのかが、正直判然としなかった。
本書はテーマが前作に比べて飛躍的に壮大になっており、一種の自己啓発書のような雰囲気すら感じさせる部分がある。一読しただけで正直あまり全体像が理解できていないというのが正直なところでもあるのだが、非常に壮大な問題系に取り組もうとしている、という点だけは間違いなく理解できる。
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日立製作所の半導体技術者であり、幸福の定量化に取り組んでいる矢野和男氏の最新所ということで興味を持ち購入。
VUCAと言われて久しい社会の中で、いかに個人と組織が「幸せ」を目指して現状に向き合うかその指針を示している。
【本書から学んだこと】
・幸せである組織の特徴 FINE
F=Flat, I=Improvised, N=Non-verbal, E=Equal
・「あなたの幸せは、自分一人では生み出せない」、「あなたの幸せは、自分が関わる周囲の人たちから与えられる」
・筆者がやってきた半導体は簡単に衰退してしまった。その答えとして、半導体は手段であったからだと分析している。状況が変わっても強いのは真の目的であり、それが人の幸せであり最上位の目的である。
単に幸せを目指すための組織の在り方を述べるだけではなく、経営の戦略や経営理念にどう反映させていくかまで考えられていると感じた。新しく組織を運営していく方やマネジメントの勉強をする方に勧めたい一冊。
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現代の幸福論は、データと帰納によるアプローチ。生産性が高いから幸福なんじゃなくて、幸福だから生産性が高いんだ、というのはかなり芯を食ってるんじゃないかしら。
世に蔓延る不機嫌の拡大再生産をやめれば、自ずと健やかな社会が実現できるのかも、とりあえず、人に優しくニコニコしていよう。
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変化と幸福がテーマ。幸福な人は面倒なことにも積極的に取り組み、幸福な人が多い職場は生産性が高いことが研究によって示されている。
幸福で生産性の高い職場の特徴はFINE
・Flat、職場での人間関係に偏りがなく、横や斜めの関係もある。
・improvised、即興的、5分ー10分の短い会話が多い
・Non verbal、会話の中で共感や同意を示す身体動作が多い
・Equal、平等、会議などで発言権が平等にある。
変化に立ち向かい幸福であるために重要な心の資本はHERO
・Hope 、自らが進むべき道を見つける力
・Efficacy、自己効力感、自分の能力に対する自信
・Resilience、困難に立ち向かう力
・Optimism、楽観性、物事の明るい面を見る前向きさ
FINEやHEROを導き出すために行われた著者独自の研究がウェアラブルデバイスと質問表による調査。リストバンド型や首から下げる名札型のデバイスを用いて、身体活動や人との接触を記録。この研究の中でも面白かったのが、動きを1、静止を0として身体活動の配列を作成、その配列のパターンと幸福度に強い相関があったこと。このためスマホさえあれば身体活動からその人の幸福度がわかる。
変化に立ち向かう学問としての易。これは読みたい。
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組織作りの時に考えていることを色々と体系化してくれていた本。予測不能な社会になった理由や、その中での個人や組織のあり方を綺麗に整理している良本。
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ビッグデータとか、その解析。果たしてどのようなデータが揃ったところで、この世界は予測不能。データ解析的な話というよりも中盤からはメンタル的な部分に振れていきます。実際、タイトルにも幸せってワードがありますので、データ解析の学習的な本ではないとは思っていましたが、結構、「道」と言うようなまさに思想にたどり着くという構成です。確かに突き詰めるとそう考えることも必要なのかな。でももう少しデータ分析という物に頼りたいという思いもあります。予測が不能でも反応をできるだけ速やかにするためにも。
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【どんなことが起きても対応できる】
示唆に富んだ内容でした。
PDCAを否定し、標準化、ルール化を否定しているところがすばらしいです。
確かに、PDCAは計画したことが未来で起きると想定しています。標準化、ルール化も過去の状況に基づいて決定されます。
しかし、過去をどれほど研究しても過去にうまく行ったことしか見つけだせません。
未来を予測することは不可能です。
先人がうまくできたことの焼き直しで、うまく行く時代は終わりを告げています。
情報は一瞬にして世界全体へ伝わる時代です。世の中、全体が常に最先端な状態なのです。
つまり、これから先に起きることは全て未知との遭遇となります。
情報が瞬時に伝わらない時代であれば、ある場所で起きた情報が瞬時には世界全体に伝わらず、場所によってはまだ知らない状態が存在していました。
しかし、今はみんなが最新の情報を知っているのです。
さらに、同じことは二度と起きないと仮定すると、過去のデータに基づいて判断したことは間違っていることになります。
判断基準がないので、過去に起きたことに近い判断は正しい判断に思えるのですが、二度と起きないのであれば、100%間違った判断になります。
― 未来は何が起きるか予測不能 ー
未来は予測不能であるという心構えでいれば、何が起きても驚くことはなくなります。
しかし、予測不可能だから、ノーガードで殴られっぱなしでは意味がないと思います。
ストレートが来るのか、ボディブローか、膝蹴りか、ローキックなのか、それだけではなく、背後からか、はたまた頭上からなのか何が来ても驚かず対応できる構えは必要です。
ウイルス、戦争、巨大地震、隕石衝突、AI暴走、薬、魔の炭水化物、魔族襲来、エスパー登場、グール、クローン、メタバース、世界線の崩壊などこれぐらいなら予測範囲です。
しかし、実際は想像ができないことが起きるのです。想像もできないので書くこともできません。
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以前読んだ「データの見えざる手」がとてもよかったので、こちらの本も手に取ってみました。
こちらの本も期待通り、最高です。
※データの見えざる手: ウエアラブルセンサが明かす人間・組織・社会の法則
https://booklog.jp/users/noguri/archives/1/4794220685#comment
本の前半は、「幸せ」を科学するというか、
数値化して、データで分析するという内容。
どうすれば、組織の人間が幸せになるのかについて書かれており、
組織に所属するあらゆる人に示唆がある内容。
例えば、「だから僕たちは、組織を変えていける」などで紹介された
成功循環モデルのファーストステップ「関係性の質」を高める具体策が書かれています。
※だから僕たちは、組織を変えていける
https://booklog.jp/users/noguri/archives/1/4295406252#comment
後半もとても面白かったです。
特に、AIのあるべき姿として、過去のデータから統計的に
決まりやルールを導き出すだけではダメで、
ポジティブな外れ値を見つけて、
未来の兆しを見つけるのがあるべき姿だという著者の主張は、
とても説得力があり、参考になりました。
これからの時代に必須の一冊だと思います。