投稿元:
レビューを見る
ニュートン力学の基本から、運動方程式と積分を使った速度や位置の導出、万有引力の法則など、高校で習う力学の基本的な部分を非常に丁寧に説明しています。
特に、力学的エネルギー保存則は、私にとって初めてきちんと理解できたように思っています。
また、登場人物のセリフの中で最も印象的なのは「物理では、数や量より、むしろ関数を扱っているように思った」というテトラの言葉です。
物理では微積分はもちろん、ある量を最小化する関数をたくさんの関数の中から見つけるようなことをします。
これとテトラの言葉がつながっていると感じました。
この本を読める今の中学・高校生がうらやましい!
(数学ガールシリーズを読むと、いつもこう思います)
投稿元:
レビューを見る
力学の基本を本質から捉えられる本。高校物理で公式自体は多くの人が暗記してそれなりに問題を解くこともできる単元だが、意外ときちんと理解できていない所はあるのではないか。
そういう僕も高校時代は意味をよく理解せずに多くの公式を使っていたが、この本を読めば力学の基礎の部分について理解しているか確認できるし、何より「もっと考えたい!」「深く理解したい!」という気持ちにさせてくれる。
「物理学の世界」と「数学の世界」に運動方程式は橋をかけた。そう考えると感動する。
高校で物理を履修している現役生には超オススメ。
それ以外でも興味のある人は引き込まれると思う。
最後の研究課題について少しずつ考えていきたい。
投稿元:
レビューを見る
数学ガールのニュートン力学という中二心をくすぐる数学と物理の組み合わせにとても期待して読みました。
この本ではユーリと僕が「ボールを投げるとなぜ放物線になるのか」という疑問から、投げたボールは水平方向には等速直線運動、垂直方向には投下速度直線運動をしていることを式で表していく。
ただ、なぜ投げたボールが放物線を描くのかを納得できないユーリに、僕はニュートンの運動方程式を用いてボールの運動を説明することになっていく。ここでは力と加速度の関係を一つの式で表すことができる。
F = ma
というシンプルな式で。(F=力、m=質量、a=加速度)
投げたボールについて水平方向、垂直方向(鉛直下向き方向)に、それぞれかかった力から加速度を、加速度から速度を、速度から位置を時刻で積分することによって求めることができることを知る。
逆に、位置を時刻で微分すると速度を、速度を時刻で微分すると加速度と、加速度を時刻で微分すると力を得ることができる。
力(時刻で積分)→加速度(時刻で積分)→速度(時刻で積分)→位置
力(時刻で微分)←加速度(時刻で微分)←速度(時刻で微分)←位置
さらに質量が大きいと加速度が0に近づいてしまい、質量が大きいものほど落下速度が遅くなってしまうのか?というユーリの疑問を解消するために、ニュートンの万有引力の法則の説明に入っていく。
F = mg
(F=力、m=質量、g=重力加速度)
地球からボールにかかかる重力の大きさはボールの質量に比例する。
このことから、質量が大きいものほど落下速度が遅くなるということはないことがわかる。
一方、テトラと僕の会話では、物理学と数学の境目について話がなされる。物理的な事象を考えているうちに積分の考え方が導入されてしまっていたからだ。
僕は物理的な事象を数式を使って表現する。テトラはニュートンの運動方程式はふたつの世界をつなぐ架け橋のようなものだいうと説明に納得する。
その後、投げ上げたボールが戻ってくる時刻や、投げ上げたボールが戻ってきたときの速度や、投げたボールはどこまで高く上がるか、といったことを計算していく。
次に僕とテトラは力学的エネルギー保存則を使ってこの事象を簡単に表そうと試みる。
力学的エネルギー=運動エネルギー+位置エネルギー
1/2mv(2乗)+ mgh
そしてミルカが登場する。ミルカと僕とテトラは力学的エネルギー保存則を、ニュートンの運動方程式と万有引力の法則から数学的に導くことができることを解き明かしていく。
*この最終章の5章あたりから積分の考え方多様されていて細かく理解できなくなったため、先に積分の学習をもう少ししてからこの本を再読することにしました。
投稿元:
レビューを見る
2021-08-02
ニュートンの運動法則から万有引力まで。
物理世界と論理世界を行ったり来たりの旅物語。
結局、この4人のキャラクターが好きなんだよな。
投稿元:
レビューを見る
基本に忠実な流れで、かつお話になっているからか、わかりやすかったと思う。微分積分の要素も取り込んであり、のちのち活きてくる内容。
投稿元:
レビューを見る
物理学って面白い。
数学とは違っているけど、数学に似ている世界。
実際に起きている事象を数式にすることで
事象がより理解できるようになり、
計算することができるようになる。
二つの世界をつなげながら
行きつ戻りつ
一つの世界ではできなかったことが
二つの世界を行き来するから
できることが増え、考えられる範囲が増える。
今起きている事象を
見つめて、観察して、記録して
それを数式に。
数学と物理がここに。