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これは良かった。
過去の話、現在の話のどちらの話にも引き込まれて一気に読んでしまつた。
ミカの未来の姿にも驚いたし、「ミライの学校」の理念に、
恐ろしくなった。一瞬、素敵な素晴らしい理念に感じるのだけど
本当の子供たちの未来のことは考えてなかったのだなと怖くなる。
「その世界でしか生きられないミライ」になんの意味があるのだろうか。
法子やミカの心の葛藤の描写もすばらしく、さすが辻村さんという感じ。
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面白かった。
ミステリー的な要素はもちろん、自分が小学生だった頃の女の子特有の人間関係を思い出しました。
子供にとって、良い教育とは何だろうか。
ミライの学校の理念は確かに素晴らしいかもしれないが、そこは社会から閉ざされた場所であることには変わりなくて、外の社会にも適応しなくてはいけない。
そこには純粋なものだけじゃなくて、汚いものも醜いものもたくさんある。だけどその中で私たちは生きていくしかない。その現実を子どもにどのように受け止めさせていくのか、難しいけれど私たち大人がちゃんと向き合って考えなければいけないことだと思う。理想を語って子どもたちから隠すのではなく。
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小学生の頃にとある場所で夏休みを過ごしていたノリコ。そこは学校の様なそうではない様な不思議な場所だった。
年月が過ぎ、法子は弁護士としてとある依頼を受ける。それはカルト集団の敷地から子供の白骨が見つかった場所で…
子供が親元から離され集団で過ごす「ミライの学校」は短期の「麓」の子と、そこで生活する内部の子との温度差があり、カルト集団でしか生活した事がないミカと麓のノリコではその後の進路も全く異なり、カルト集団で生活させる親の在り方が浮き彫りになった気がします。
子供故の純粋さが仇となり、それが事件に繋がったのが何とも言えない気分でした。ミカが悪いのではなく、それをさせた大人の所為とは言え、それがカルト集団の怖さなのかと。
美夏と滋は初恋同士で結ばれたけれど、別離の道を歩まざるを得なく残念でしたが、これから少しずつ再構築して欲しいです。
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なかなか重いテーマだったけど、辻村深月は読みやすい。自分の持ってる偏見とか決めつけみたいなのを思い知らされてるようで凹むけど、面白いと感じてしまう。
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もーーーう。
読み終わって、自分が何を思っているのか、バラバラでまとまっていないのが正直なところ。
大人の、歪んだ理想や教育を子どもに押し付けると、後々成長した子どもに多大な影響を与える、ということはまとまった感想といえる。
この作品ではその他にも、育児中の母親の気持ちのリアルなところだったり、家族の形の在り方だったり、様々な要素が入れこまれていて、辻村深月の「繊細な心を汲む器用さ」、それを小説に落とし込む技術の高さが窺える。
著者の作品は殆どをデビュー当時からリアルタイムで読んできたが、初期は青春濃度の高いミステリで子ども達の心の機微を描いてきた印象があるが、『朝が来る』あたりから親と子の関係性、そこで生まれる心のやりとりにシフトして行ったのだと思う。
今作はモチーフが宗教(のようなもの)だったので読む側の心にも重かったが、「大人が子どもに一方的に与えることの影響」という点では相応しい題材だったのではないだろうか。
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子供の頃の色んな気持ちを思い出しました。
ページ数は多いけど、その分色んな事が丁寧に描かれていました。
綺麗事を言う大人…そう思われないようにしないとなと思いました。
みかちゃんとのりこちゃんがこれから良いお友達になれたら良いですね。
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今までよりも少し幼い年代の女の子が中心のお話。
誰、から、どうして、に焦点が変わっていくなかで、家族、とか、大人、とか、世間とか、宗教とか、おそらく親になった立場だから描きたくなったのかな、と。
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よっぽどでなければ子供は自分の親を否定せず、言われた通りにするしかない。宗教のような閉鎖的な環境しか知らない子供の苦しみ、ミライの学校へ合宿として短期参加したノリコが、大人になり弁護士となった時、ミライの学校跡地で女の子の白骨遺体が見つかった事で過去の自分とそこにいた子供達の事を思い出し…。ミステリーとしても心の葛藤の物語としてもとても読み応えがある。出てくる子供がみんなリアルで、大人がいかにこどもという存在を操れる、軽いものだと思っているかを感じてしまう。
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信仰宗教、スクールカースト、女子特有の人間関係、待機児童、育児、男女の働き方、児童養護施設…etc.
いろんなテーマを盛り込みすぎて、空中分解。登場人物にもより添えないし、主人公独自の正義感にさらされて、不完全燃焼。
絞られた物語をストレートに読みたかった。
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小学生の頃の忘れていた思い出が一気によみがえるような作品。
ゾワっとするくらいに、自分の抱いていた感情を思い出した。
前半ゆっくり丁寧に進んだ分、後半は爽快なまでにストーリーが展開する。
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新興宗教のように思われている団体を、
内側からみたときの嫌悪と陶酔。
人は自分の育った環境を、それがどんなものであっても子供にはその世界しかないから拒絶しきれなくて、一方で、自分には知り得ない他人の環境に憧れたりする。
とても説得力のある、よく書き込まれた作品でした。
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幼少期に育った環境って、人格形成する上でとても重要なんだなと改めて感じさせられる。
辻村深月特有の心理描写がとても繊細かつリアルで多感な小学生時代の気持ちを思い出した。
共働きで子供を預けて働く女性はきっと共感しかないのだろうと思いながら読ませていただきました。
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読み終えました。途中ちょっとだれてしまった(私が)。辻村さんの作品は名前を書き留めて読むようにしてます。
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大人の理想に閉じ込められた子供達。その教義の中で育てられた子供達は、信じていたものが崩れた時にどうやって生きていくんだろう。琥珀の夏というタイトルが秀逸。素晴らしかった。
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読み終わるのに時間がかかった。
重い、暗いに加え登場人物があまりにも人間社会の「人間」過ぎてちょっときつかった。
でも考えれそうなこともいっぱいあって、それは良いなと思った。
印象的だったのはケン先生の考え。親が理想の教育を求め過ぎて、子供には分からない遠い理想に夢中なのは本末転倒ということはそのとうりだなって思った。
私的には久乃が晒そうとしたことも美夏が部屋に閉じ込めたことも〈ミライの学校〉の大人達も全員無理。