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大きく3部に分かれており、1部では著者が特に精通しているアドテックの仕組みを例に、GAFAが如何に日本国内の制度不在を利用してきたか、霞ヶ関はなぜ適切な対応ができなかったのか、を詳述している。
2部では、霞ヶ関の個々の省庁等の事情にさらに焦点をあて、プラットフォーム規制が成立するまでの過程を記述している。人物の人間味が感じられる記載も多くあり、プロジェクトXを観ているようだった。
3部は、昨今のCOVID19やフェイクニュースをめぐるプライバシーや表現の自由の問題に触れ、ここでもプラットフォームを如何に規制するか/あるいは共同規制のかたちにするか、について様々な論客の意見を紹介している。
総じて、国内のプラットフォーム規制をインターネットにおけるプライバシー問題を語る上での重要規制やステークホルダー(省庁等や人物)について厚く記述している。そのため、この分野に入門する人たちにとって最初に手に取るべき1冊なのではないかと感じた。
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便利なツールを使うのに、色々と使用許可や同意をしている。それが危険だよとか、ちゃんと見てねとかあるけど、その注意喚起する形だけな気がする。キャッシュやトレースをどうこうとかを聞いてくると言うところで、なんだか対処できたと思っていても、実際もっと根深いところで、色々とおこなわれている。便利に使うためには仕方ない。無料なんだし。で、企業へ貢献と言う考えでも良いけど、実際その類の個人情報に関する外国含めたやり取りが時系列を軸にまとめられている。タダより高い物はない。
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今の時代に生きる人間にとってネットを使うことは必須、そのときGAFAにはお世話になる以外に手は無い。使うことはGAFAに自身の詳細な情報(時には本人が意識すらしないことも含め)を提供することを意味する。彼らはその情報をもとに無料でわれわれに利用させてくれるアプリを通じて広告収入を膨大に稼ぐ。同時に、現在はまだ表面化してはいないがそれぞれが生きる国家以上にわれわれ個人のデータを彼らは把握することに繋がっている。この膨大な情報をAIを活用して分析することで国家を動かすことすらが容易にできる時代が知らないうちに到来していた。この傾向はますます強うまることが明確に見えている。
個人の情報の膨大な量が蓄積され分析され活用されている。その活用の用途を少し誤ると国家そのものの方向が思わぬ方向に行くことになりかねない。
デジタル時代を理解することの重要性が分かる必読書と言えるだろう。
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「民間企業が国家権力の上に立つことはけしからん」という公務員的動機は排除しなければならない。
巨大IT企業の独占的地位の乱用と批判されるケースとして、Amazonが内海聡『医師が教える新型コロナワクチンの正体 - 本当は怖くない新型コロナウイルスと本当に怖い新型コロナワクチン』(ユサブル、2021年)を掲載しなくなった件がある。これはワクチン接種を推奨しない主張が不都合と判断されて掲載しなったと批判される。これはAmazonの恣意というよりも、国家の進めるワクチン接種推進に忖度した結果である。国家権力の規制を強化することは、取引の透明性や公正性にとって逆効果になりかねない。
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タイトルからは想像もできなかったがすばらしい本。
2章「フェイスブックとグーグルはあなたのすべてを知っている」の内容は素人にもわかりやすく、改めて、法の隙間から国家以上の情報を2社が吸い取っていることがよくわかった。
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デジタルの最前線で日本におけるGAFAと国内とのギャップでどのようなことが課題となっているのか、携わる人々の声が拾われていて資料性が高い。