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現在の事件から過去に遡り、展開が二転三転しながら物語が進んでいく。
するととんでもない事実が浮き上がってくる。
非倫理的な実験。長い歴史の中でも実際、色々なあったのだろう。
それは絶対に許されない事である。そして事件の始まりは全てここにある。
ラスト、隠された真実を完全に闇に葬ったように見えたが、興味を捨てられない人間がいるような終わり方に、これはフィクションなどではなく、どこかの地で実際に行われているノンフィクションなのではないかとぞっとした。
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最初の感想としてはやはり、とても面白かった!という読了感だ。
誘拐決行の日、まさかの誘拐予定の少女を車で跳ねてしまう。
そこから始まる物語だが、2人で生活していく中で誘拐犯のミョンジュンと誘拐されてしまったロヒとの掛け合いがとっても楽しい。
子供の尻に敷かれる大人って…笑
ロヒの大人顔負けな部分がなんともいえず憎めない。
なんで憎めないのかなって思った時、ミョンジュンが気弱だけどとっても優しいから何だろうなって思うのだ。
そしてそして、2人の逃亡生活が幕を開けた裏側では豪邸宅での殺人事件!
序盤で、ロヒ殺っちまった!?と私が思ってしまったり笑
残虐な殺人事件の痕跡を追う警察たちの視点。
また犯人を仄めかすような視点があったりと、色んな視点があるからより読み手を翻弄してくる。
だって……すっかり騙されてしまっていたのだから。
完全にこの人じゃん!白状しちゃってるじゃん!って思ったら、裏側に別の影がいたなんて!
なるほどなるほどここが最初の物語、プロローグ部分に繋がってくるのかと。
過去に過ちを犯してしまった事にはちがいないけれど、正直この人が一番可哀想な気がしてならない。
ミステリーの中に家族愛があったりショッキングな場面があったり天才少女という最終兵器のような女の子がいたり、長編であったが飽きることなく読み進めてしまった。
ミョンジュンが戻ってきて、ヒエとミョンジュンとロヒの3人で楽しく仲良く幸せになって欲しいなと思うのです。
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誘拐犯と被害者の関係も最初はハラハラしたけど最後は感動、、、。誘拐と殺人も全く先の展開が読めず、ドキドキしっぱなし。出てくる登場人物とすべての出来事が細かく繋がってて、見落としてた伏線も最後にまるっと回収!エピローグまでしっかりと楽しい。まさかの展開だった、、。ひとつのことが解決するとまた次の疑問が出て、と繰り返しですごく読み応えがあった。読み終わってしまった〜と読後の余韻がやばい!
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韓国文学は初読み。
どんな感じだろうとドキドキしたけど、とても読みやすくて良かった。
次から次へとスピーディーに予想しなかった展開を見せ、飽きさせなかった。
誘拐犯とロヒの不思議な絆も良かったし、最後まで本当に面白く読めた。
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今年こそ読もうと思っていた、初めての韓国文学。とても面白く読めた。一気に読んでしまった。
娘の治療費が欲しい気弱な誘拐犯の男と、勝ち気で賢い人質の少女。
男は誘拐しようとしていた少女を轢いてしまい、目覚めた彼女に「自分はパパだ」と嘘をつく。
そんな男に少女は、孫の手を彼の喉元に突き付けながら「ご飯」と言う。
彼らの、ちょっと変わった関係。
だけど、少女の家から死体が発見され、自体は一変する。
そして少女の記憶が戻った時…彼らの取った行動は。
最初はただのミステリだと思っていた。幾重にも重なる殺人事件と30年前の事件。そして真相。ただ、そこには悲しい出来事があり、子どもを持つ母親である私は、歯を食いしばって読むことしか出来なかった。
ある子どもの名前が出てきた時、全てが繋がった瞬間。とても気持ちが良かった。「あぁ、そういうことか」と、思わず声が出た。
真実に辿り着くまでの間、男と少女のユーモラスでコミカルなやり取りがとても微笑ましかった。加害者と被害者だとは思えない程。それが、この物語の真相の悲しさをより引き立てていた。
赤い唇で笑う女。女の境遇も哀れだと思う。だけど、私は何よりも、娘を失った父親と、妻を失った男とその娘。そして家族を失った少女の心に寄り添いたいと思った。
人間は誰しも欲望や、何か執着するものがあると思う。だけど、あの人たちは触れてはいけない領域のものに執着してしまった。それが招いた悲劇と言ってもいいと思う。目の前の幸せを見ることが出来るあの男は、とても心根の優しい人なんだろう。そして、娘が少女と仲睦まじくバーベキューをしているところを、目を細めて眺める彼の姿を見たかった。
原著の表紙を見た。あの絵は、そういうことだったのか。全て読んだ上で、少女の手を握る男の背中を見て、私はとても切なくなった。
………最後の法医学者。彼の言う"報酬"が、そしてエピローグⅡが。新たなプロローグにならないことを祈る。
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病気の娘の治療費のために誘拐をするミョンジュン。記憶を失った少女を誘拐し、逃げることに。頼りないミョンジュンと頭のいい少女ロヒ。コメディのような場面とシリアスな場面との切り替えが面白い。誘拐の最中に起こった殺人事件、その事件の隠されたものや関わってる人物たち。それぞれの欲、我が子とロヒを思うミョンジュン。読みどころがたくさんあって最後まで気が抜けないミステリー。韓国のミステリーが少しずつ増えてきてるのが嬉しい。
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最近は韓国人作家の小説が面白い。日本語訳の出版が増えているのが嬉しい限りだ。本書はミステリーであり、コメディ要素もあるヒューマンドラマでもある。少女誘拐をめぐるキャラクター達の苦悩や過去、その根源には韓国の様々な社会問題をはらんでいて、読み終えると映画"パラサイト"を観た後のモヤモヤを思い出す。展開の早さは韓国ドラマ好きにはたまらない。もっと韓国文学を楽しみたくなった。
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娘の治療費のため、身代金融解を企てた主人公。
だが誘拐した子供の両親は殺害され、主人公が容疑者に… 気が優しくぼんやりした善人の主人公と誘拐された強気な天才少女のやりとりに映画「猟奇的な彼女」を思い出しました。
でもちゃんと謎で二転三転引っ張るミステリーしてて満足でした。
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韓国文学といえば『82年、キム・ジヨン』が話題になっており、以前読んで胸に残るものがあったため、今回こちらの作品を読んでみた。
韓国ミステリーは初めてで、そのあたりも楽しみにしながらどんな小説かワクワクしながら読みはじめた。
500ページ弱ある分量だったが、夢中であっという間に読んでしまった。
病気の娘の手術費用を工面するために、お金持ちの家の娘の誘拐を持ちかけられ、やむなく了承し、実行しようとする父親から物語は始まる。
誘拐も一筋縄でいかず、誘拐した娘は記憶喪失。
そんな誘拐した娘の両親は何者かによって殺害され、誘拐と殺人が絡み合って物語は進んでいく。
誘拐、記憶喪失、殺人、そしてお金持ちと貧乏人。
まるで韓国ドラマを観ているようなドラマチックなキーワードが並んで、話はテンポよく進んでいく。
犯人や動悸などが明かされていくシリアスなシーンの合間の誘拐犯ミョンジュンと誘拐された娘のロヒのかけ合いがなんとも可愛らしく、またコミカルなのがメリハリがあり、読んでいて飽きることなく読めた。
物語のベースはミョンジュンとロヒの話だが、他の登場人物も非常に魅力的で、最後の最後まで謎は解けないのでしっかりと読み切ることができた。
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”タルトンネ(月の村)”と呼ばれる集落のあばら家に住んでいるミョンジュンは同じ養護施設で育った幼なじみのヘウンと結婚して一人娘のヒエがいます。
しかしヘウンは突然多額の借金とヒエを残し家を出て行ってしまいます。
そしてヒエは白血病で入院。
しばらくして元妻ヘウンからヒエの手術代のために誘拐の計画を持ち掛けられます。
誘拐するのは病院長の娘で天才少女の11歳のロヒ。
そしていざ決行しますが、車でロヒの自宅の前でミョンジュンは飛び出してきたロヒをはねてしまい、あわててロヒを車に乗せます。
頭を打ち記憶喪失になったロヒの前でミョンジュンは必死に父親のふりをします。
そしてロヒの家に脅迫電話を何度かけてもつながらず、ロヒの家に行ってみると、ロヒの両親がなんと殺されていたことがわかります。
身代金を取る前に、殺人事件の犯人にされるのではと慌てふためくミョンジュン。
ロヒにご飯を食べさせようと屋台に連れていってえび天を食べさせたらロヒは何とエビアレルギーで病院に連れて行くことになりひやっとします。
気立てはとてもいいけれどドジで間抜けなミョンジュンと天才の頭脳を持つ現代っ子のロヒ。
事件は途中何度も笑わせてくれながら二転三転します。
そしてロヒの家庭の事情もわかってきます。
やがてロヒの記憶は戻り事件は解決します。
でも、ロヒが信頼できる大人はやがて憎まれ口をたたいていたミョンジュンだけになってしまいます。
とても面白いユーモアミステリーで495ページがあっという間でした。
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誘拐犯ミョンジュンの頼りなさと誘拐された天才少女ロヒのしっかり具合が絶妙の味わい。二転三転する殺人事件とその背景、ころころ変わる善人悪人真犯人。最後まで気の抜けないエピローグⅡ、ゾワっとしました。
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韓国ミステリー。元妻から誘拐しろと命ぜられてミョンジュンは、病院長の娘で天才少女ロヒを誘拐しようとして車ではねてしまう。誘拐するとロヒは記憶喪失。ロヒにこき使われるミョンジュン。身代金を要求しようとするが、なんとロヒの両親は殺されていた・・・
確か韓国ミステリーを読むのは初めて。読みやすい&面白い。
二転三転するストーリー、まさかあの人が!正統派のどんでん返しがここにあった。
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最近読んだミステリーの中で群を抜いて面白かったです。まるで韓国ドラマを観ているように、描写が素晴らしいと思いました。
それぞれのキャラクターが面白くて、ついつい読み進めたくなり、結果数日かからず読破。
最後の伏線回収も目が離せなく、韓国の小説としては、アーモンドに次ぐ面白さだったと思いました。
誘拐された女の子、誘拐犯、そこに芽生える愛情?友情?信頼関係?に、こちらもホッコリします。
文庫本にしては分厚いけれど、それが気にならない面白さでした。
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ページをめくる度に移り変わる展開に、最後まで目が離せなくなる!そんな作品でした。
読みながら真相を推理してみるけれど、話し手である登場人物が変わり、状況が変わるごとに、1ページ前までは予想もつかなかった展開に、私の推理の浅はかさを思い知りました(笑)。
そして、何よりもお気に入りなのが誘拐犯と誘拐された天才少女の関係性。一見物騒な「誘拐」という言葉に似合わない、奇妙でほんわかしてしまう2人のやり取りにくすっと笑ってしまう。刑事でさえ、罪に問うのを躊躇ってしまうような、そんな2人に癒されました。
バラバラに見える登場人物たちを、緻密に繋ぎ合わせ、お見事な伏線回収、しかし最後には...?
終わった後も想像を巡らせてしまう、余韻たっぷりのミステリーでした!
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面白く小気味良く読めた。パズルピースが合わさって解決していくタイプの推理小説。
凄くエンタメ性の高い、映像的なテンポアップな本作だった。推理小説というよりサスペンス映画の脚本を読んでいる感覚だった。
犯人の背景がもっと深く描かれていたら、もっと違う深みがある余韻ある作品になったと思う。ちょっと何かが足りなかった読後感。でも誘拐犯と誘拐された子がとにかく最高に魅力的だった。