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『宇宙へ』の続編
宇宙SFを舞台にした歴史改変もので、
性差別や人種差別と戦う物語でもあり、
純愛物語でもあるのね
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下巻。
前作ではちょっと自意識過剰なヒロインだなぁぐらいの感想だったけれども、段々鼻に付いてきた所が。恐ろしくプライドが高いし、人を自然と見下していることに気が付いてない感じがイラァっとするタイプ。良かれと思っての言動がおためごかしのため空回りし、物事が悪い方に進む典型パターン。そういう元凶が一番ムカつくんだよなぁ。悪い人では無いんでしょうけれども。
そもそも彼女が途中で火星行のミッションに加わる理由がわからない。反対に彼女は広報に専念した方が金集めという観点からしたら効率よく資金援助が増えたのではなかろうかと。後はチームリーダーに対する態度が露悪すぎ、横柄で容認できない。自分は女性だから「クソ野郎」とか面と向かって言ってもよくて、彼が女性蔑視的発言(女性は繊細だからとか)を言うのは許せないってなんかおかしくないかな。後は限られた荷物しか積んでいない宇宙船で紙タオルの浪費とか、チョコレートをケンカしてる人の頭にぶちまけるとか、なんかそれはちょっと…と思う事も多かったり。
どこまでも悲劇のヒロインっぽく思考回路が中高生の恋する乙女?ってのもナンダカナという所。
「私はホントは途中から火星チームに入る気はなかったの、チームの輪を乱したくなかったし、私のせいで既に先行して訓練していたアジア人を追い出すつもりもなかった。でも現実的に考えて、能力的にも世間の人気的にも私が行くのがベストだって上からも説得されて、だから仕方なく承諾したの。でも最愛の夫と離れるなんてガマン出来ないから暗号文で秘密のやり取りしてたけど、それのどこが悪いっての?」…って感じ?
頭は良いのかもしれないけど、正直頭悪いよな、このヒロイン。大体ダンナもダンナで、公的に出せないような私信をやり取りする不公平さとかを考えなかったのかな?プロジェクトの責任者のくせに。なんていうのかみんな考えが足りない。
後は不当な人種差別もよくわからない。なんでEVA活動を白人(でももう一人はブラジル人)がやらなきゃダメだったんだろう。不思議。まぁでも船名がポルトガルからコロンブスが出港した船の名前で、良い名前だってヒロインが思ってる時点で、欧米主義~とちょっと鼻白みました。そして当然のように2度目の火星行きに乗ってるし、白人主義というか特権意識の塊と評価されてもまったくもって不思議ではないような。
取り残される地球人側の視点はおざなりに示されてるだけで、所詮は白人の選ばれる側目線なんだよな~と有色人種は僻んでしまいます。残す方も辛いのよ、と言いたいところでしょうが残される方が正直つらいですよね、ウン。
なんか火星の人が読みたくなったなぁ~なんて思いながら読み終えました。
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危機的状況に対処しながら結末に
ベトナム戦争に注ぎ込まれた資源があればパンチカードと手計算で
宇宙開発ができていたかも
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最高に面白かった。
SFを読んでいて2度も涙したのは初めてかもしれない。
本作はメアリ・ロビネット・コワル女史による歴史改変SFエンターテインメント。前作の『宇宙へ』の続編である。
1950年代にアメリカ東海岸に隕石が落下し、急激に地球環境が悪化、地球を捨て宇宙へ飛び出さざるを得なくなった状況を描いた前作『宇宙へ』から数年後。
月に探査機地を作った人類はいよいよ新たな居住地として火星を目指すこととなる。
本シリーズの主人公『レディ・アストロノーツ』ことエルマ・ヨーク博士が前作では宇宙飛行士を目指していたが、本作では火星探査チームの一人として選ばれ、火星を目指すこととなる。火星探査チームの隊長は前作からの犬猿の仲であるパーカー大佐。火星にたどり着くまでの宇宙飛行士たちの苦労が描かれる。
いや本当にこの本を読んでいると、自分が宇宙飛行士の一人になって火星を目指している気持ちになるね。
宇宙空間の中で限られた人数(宇宙船一隻につき10名弱)ですべての困難に立ち向かわなければならない。小さいことは宇宙船のトイレの修理から大きなことは宇宙船の外壁の修理まで。
一つのミスで全員が簡単に死んでしまうような過酷な宇宙。そんな状況で活動する宇宙飛行士たちに改めて深い敬意を抱く。
小説とはいえ非常にリアリティがあり勉強になる。
宇宙飛行士に興味がある人にはお勧め。
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ついに旅立った火星探検隊。クルー間で孤立するエルマは、火災や感染症など次々に発生する困難に立ち向かうが……。
果たして無事に火星にたどり着けるのか?が全体の筋のはずだが、宇宙に出て新たな意識に覚醒……することもなく、結局これ人権がテーマなの?と思うほど、宇宙飛行士どうしでの醜い争いが発生する。地上から引きずってきた性差別と人種差別が火種である。人間関係の軋轢に加えて、宇宙飛行上の物理的トラブルも多発するなか、ついに最悪の事態が……。
EVA(宇宙船外活動)の緊張感は宇宙飛行ものならでは。次々と襲い来る宇宙でのトラブルはドラマを盛り上げる。人的トラブルも多くは結論が出ない人権問題で、エルマの苦悩は深い。そのなかで、徐々に変わっていく宿敵パーカーとの関係や、さらに深まる夫婦の絆が、繊細な心理描写と相まって心に染み込んでいく。ラストの美しい情景ですべてが満たされる読後感。
前作『宇宙へ』がシーズン1なら本作はシーズン2。尺的に、映像化するなら映画よりドラマかも。見てみたいなぁ。エルマの物語の続きにも期待。
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2021-12-19
レディアストロノーツの2作目。
何よりまず、ワクワクてんこ盛り。
スーパーマンではない普通の人によるヒリヒリした宇宙ミッション。アメリカ的なチェックリスト信仰も、これだけのストレスの元では至極優れていると思える。
今回はいろいろなマイノリティ問題への言及が目立った。本筋から離れるようにも見えるが、そもそもこのシリーズ自体がマイノリティ(女性)差別への異議を唱えるものなのだから、むしろ本筋とも言えるだろう。
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ニーニャに搭乗するクルーである航計士のエルマと医師であるカーミラはピンタへ乗り移った。ピンタでは大腸菌が繁殖して全乗務員が汚染されたのだ。無重力中で水滴が中を舞う。それも吐瀉物の…。ジェンダー問題や人種的な差別の問題も絡めながら遠い火星に行く。その道中の事故や諍い、また技術的な操作など、読んでいてハードSFの醍醐味を味わわせてくれる。続編もあるそうなので、翻訳してもらいたいものだ。
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あっさり火星への旅が進む時代になっても、人種差別男女格差が解決する(今も解決はしてないか)前に、宇宙に出たもんだから、それが火星行の中でも問題になっていくわけだけど、2巻になっても相変わらず主人公の逆差別みたいな性格が変わらないのね。周りの態度からして作者も意識的にやってるのかなとは思うけど、結構イラッとするよね。
シリーズの次の翻訳は、地球月サイドで主役も変わるみたいだから、その辺どんな表現になるのか楽しみかな。
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いよいよ火星に飛び立ったクルー、宇宙船の中でも「そんな女性を軽んじる発言はジョークじゃない!!」とか、「有色人種専用トイレ」の張り紙つけたりとか、そんなことを始終やっています。唯一クールだったミッションコマンダーのパーカーも後半ではちょっと謎な感じになりつつ、なんというか、欧米の人間関係ってこんな感じなのかなぁ、と食傷気味。周りの人ともっとうまくやろうよ。。
と書いたものの、宇宙シーンはドキドキすることも多く、そこそこ楽しめた。3作目も出たらしいが、ちょっとすぐには読む気はしないな・・。
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宇宙へ からあっという間でした。
今回は事故事件が多発で、ハラハラしておもしろいのはもちろんなのですが勉強になることが多かったです!
宇宙についてより、欧米の文化や差別などについてとても勉強させていただきました。
私は現代日本で差別に出くわすこと無く育ってきた人間なので、読んでいて、ええそんな直接的に拒否反応示すものなの…?と驚き、、きっと田舎や海外では今もそんな状況があまり変わらずなのですかね?
そういえばナサニエル、火星行ったら殺される?と思ってドキドキしてしまった。笑
続編が図書館に無かった…読みたいなあTT