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ジャケットに心惹かれて結果的に集まってしまったレコードたち(1万5000枚)の中からの紹介
ベートーヴェン ピアノソナタ第32番ハ短調
40枚以上この作品のディスクがあった。
ロベルト リーフリンク 1966年
なかなか姿勢の良い演奏だが、あるべき味わいが感じられない。
32番のソナタを正しく演奏するのがどれほどむずかしいことか。
いうなれば、ピアニストたちはここで肉挽き機にかけられているのだ。
バルトーク管弦楽のための協奏曲
どんなものでも強力なカラヤンマシーンにかけられると、
パリッとスマートなテーラーメイドに仕上がってしまう聴きやすさは天下一品だ
小澤征爾、地理的にまた文化的にアウェイ。
それは不利な点でもあり、同時に強みでもある、自然児的快演。
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【村上さんはこんなふうにクラシック音楽を聴いている】こよなく愛するクラシック音楽をLPレコードで楽しんでいる村上春樹さん。百曲以上の名曲を論じながら、作家の音楽観が披露される。
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曲の魅力よりも、このレコードの中のこの演奏は、指揮者は、ソリストは、音質はどんな風にいいのか。
そこを中心に書いているのでかなりマニアック。
クラシック音楽に詳しくないので、気になるものを音源探しながらポツポツ読んでます。
わたしはバレエ音楽がすきなので、最初にペトルーシュカ持ってきてもらえて嬉しいかなー。
すごいな、マニアックな春樹さん☺️
という気持ちで暖かくページをめくりましょう❣️
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村上春樹さんの本は、というよりそもそも自分の場合、文庫化されそうな本は単行本で見つけてもパスして文庫になったときに買ってきたけれど、この本は装丁が素敵で衝動買いしてしまいました。ビニールでカバーされていて立ち読みができないようになっているのが、まあ憎らしいこと(笑)。「ジャケ買い」でした。
古いLPのジャケットって、どうして、こう、趣があるんでしょうね。昔の写真の色味やコントラスト、デザインのスタイル、経年の風合い……いろいろなファクターがあるのでしょうね。
CD時代のジャケット・デザインが決して劣っているわけではなく、素敵なジャケットも沢山あるんですが(現に「ジャケ買い」という言葉はCDにも使われている)、いかんともし難いのは、LPのサイズ。レコードの情報を無理のない文字の大きさでレイアウトできて、しかも飾って「絵」になる大きさって、やっぱりCDのサイズでは不足なのかもしれませんね。
折角ならこの本も、村上春樹さん所有LPのジャケットを1ページに4つも5つも貼り並べずに、1ページ1枚で、ジャケット・デザインをよく鑑賞できたらよかったのに。ページ数は増えるでしょうけど、Vol. 1&2の二分冊になっても、ジャケットのアートワークをじっくり鑑賞したかったなと思ったのでした。
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どうでもいいことだろうけど、モーツァルトの38番のところで、
ジョセフ・カイルベルト
ヨーゼフ・クリップス
って、いい加減だよなぁ、と…
(校正者もクラシック詳しくないんだろうなぁ)
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正直、極めてニッチな読者を対象とした趣味的な本、としか言いようがなく、少なくとも自身は楽しめなかった。
なぜなら本書は、クラシック音楽のレコードのみを対象とした演奏・録音・ジャケットに関する批評であり、必然的に70年代くらいまでの録音作品しか対象にならないからである。もちろん、その時代の作品にはCD化もされて現代においてもマスターピースとして残っているものも多々ある。また、村上春樹自身の極めて精緻な演奏に対する批評はなるほどと思われる点も多い。
それでも、未CD化の作品に関しては、ここでどれだけ取り上げられようとも気軽に聞くことは叶わないし、非レコードコレクターに私からすると正直に言って、レコードコレクターのいやらしい部分が発露されたような本、すら思ってしまった。私は村上春樹の作品は小説、エッセイ、こうした企画本も含めて7-8割は読んでいると思うが、本作は私の中では最低の1冊に該当する。
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レコードコレクターとしても有名な村上春樹。とりわけ、少し変わったレコードや顧みられないレコードなどをこよなく愛されている、生粋のレコード好きです。この本は、彼が好きなクラシック音楽のLPレコードを集めた一冊。レコードジャケットのアートワークを楽しめると同時に、村上さんの曲解説もあり、彼の音楽観が堪能できます。
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ステレオ期の録音についても、わざわざ並行発売のモノラル盤を持ち出してきて、それを褒めそやしているところが多々あって鼻白んでしまう。
50年代末からステレオ録音が普通になっても、特にヨーロッパでは古い再生装置のレコード・リスナーのためにモノラル盤も並行発売していた。しかし、日本ではステレオ盤がもてはやされ、並行発売のモノラル盤は10インチ盤で僅かに出回った程度だった。村上春樹は、当時の新譜発売時には聞いていなくて、後年になって、わざわざ海外の中古市場で入手したものが多いのだろう。(それを明記しているところも多い)
コレクション自慢の本。
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村上春樹さんが所蔵しているクラシック・レコードについてのエッセイ。
いろいろなエッセイで書かれているけれど、実際に所蔵しているレコードから、春樹さんの好み?で400枚ほどのレコードを紹介されてみると、意外に、曲目・指揮者・演奏家に偏りがあるなあ、と。
時々、自分も持っているレコードにぶち当たると、なぜかうれしくなるのは、ファン心理がなせる業なのか。
本文もそうだけれど、いつも「まえがき」も面白い。
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いわゆる“名盤ガイド”ではなく、あくまでも著者の趣味として選定されている。
有名曲も入っているが、ベートーヴェンの運命や第九は含まれていない。いわゆる決定盤や定番もほとんど出てこない。
だがそれがいい。そうでなければ“村上春樹”ではない。
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たち。という言葉から、愛していることが窺い知れる作品。村上春樹と言えば、ジャズだと思うのだけど、静けさとついになる形で流れる音楽がクラッシックであったりする。名盤と言われる希少価値があるレコードに興味はない、確かにそれは自分も同じだなと思った。感性がぴくりと動くそんなジャケットとの出会いが好きだから、村上春樹のような感性のかたまりで生きている人とは、いかにしてレコードを見ているのか、ということに興味を持った。特に、カラヤンなど指揮者と、名曲との組み合わせで、一期一会の音楽をきくことにすごく価値がある。他人の評価ではなくて、自分が聞いていい、と思う音楽だけを聴く。人生浪費する気はさらさらない。かっこいいよね、誰かにどう思われるかではなくて、ただただ好きな音楽や本や、アートや、そして食器や家具と一緒にいること。改めて、そういうふうに自然体で過ごそう。棚のレコードの評を書くだけで、本になる、こんな幸せなひとはいないよね、と思った。
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著者がまえがきで言っているように、いわゆるガイドブックではない(十分ガイドブックとしても楽しめるが)。この本をついつい手にとってしまうのは、気軽に、音楽(レコード)をどう楽しんできたか・楽しんでいるかを追体験できるからだ。
なんだか音楽を聴くことに飽きたなという気分になっても、本書をめくれば、まだこういう聴き方や楽しみ方があったか、というのを呼び覚ましてくれるのは、おなじ著者の「意味がなければスイングはない」と同様だ。
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村上春樹が所有するクラシックレコード(CDじゃないよ)を通して,好きなクラシック音楽を紹介するという感じの企画.選ばれた曲達は超メジャーなものは少ないものの,マニアックなものも少ない.20世紀に作曲された曲が多めかな.ビゼーの「真珠取り」のレコードをこんなに集めている人はちょっと珍しいと思う.
選ばれたレコードは50代のモノラル録音,60年代はじめのステレオ録音が中心.彼が音楽を一生懸命聴いたのがその時期なんでしょうね.アメリカが輝いていた時代でもあり,アメリカのオーケストラ,団体が多い気がする.
それにしても LP はジャケットをみてるだけで楽しいですね.重量と体積を考えるともうLPに戻ろうとは思えないけど,こういう古いレコードを集中してゆっくり聴く時間があるというのは本当にうらやましい.
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クラシックの素養はないけど、春樹の手になるものだし、CDガイド本は好きだし、ってことでとりあえず入手・読了。正直、タイトルの音楽家の名前くらいしか分からず、演者については、かろうじて小澤征爾くらい。読み始め、こりゃ分からな過ぎてダメだ、と匙を投げかけました。まあでもジャケを眺めるくらいは…と思って読み進め、更に並行してBGMとしても活用させてもらって、ゆっくり何とか最後まで通読。激音の強烈ジャケットに目が慣れていて、かつそれらのアートワークが好きだったりするから、ジャケについてはあまり惹かれるものなし。音楽そのものについても、ここで著者が論じている意味なんてほとんど理解できず。でもクラシック音楽は、今後も順次聞き続けようとは思います。
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初読。図書館。音楽を表現する豊富な語彙と独特の比喩にクラクラする。村上さんの好みや音楽を愛する気持ちも伝わってきて、クラシックを知らなくても読み物として楽しい一冊。そしてクラシックを聴きたくなる一冊。