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[墨田区図書館]
図書館で題名に興味を持って開いてみた。
「Magenta」なるものが分からなかったけれどAI作曲とあるしソフトの名前かなと思って開いてみると、、、「Googleの音楽機械学習ライブラリ」らしい。ここまで説明を読んでも、特に意識せず何だろうと思っていたが、「Python」なる文字を読んでやっと理解。"ライブラリ"か!!!!
このところ少しPython関連の本を読んでいたところにこの本を目にして手にするとは何てタイミング!少し読み流してみよう。
筆者は「MUSIC TECH ACADEMY CANPLAY 音楽テクノロジー学校」
前書きにて通常の解説書よりも初歩的解説が丁寧とあったけれど、もしかすると1章を真面目に読み解こうとする初心者の方がいたら萎えてしまうかも。
とりあえずコマンドプロンプトのコマンドやPythonのインストール方法なども説明してくれている2章に沿って環境を準備し、3章~9章はMagentaで実践できる個々の機能についての説明、10章では音楽データとプログラムデータに対する話で、11章ではMagenta開発におけるプラスアルファの話。
幸いにしてPython環境の構築と、MusicScoreは以前使ったことがあったものの、実際のAI作曲の要求と時間がなかったために今回は音出しすらできずの返却。最後の10章11章を見ると、単に半自動的に音楽を作るというのが最終目的ではなく、"学習(トレーニング)"と"評価"が必要で、その結果をTensorBoardで確認しつつ最終的に音楽再生をしていくような流れが紹介されていたので、恐らく実際に必要なのは初回作って?から、その後の工程で、「色」や「安定」が生み出され、途中言葉の説明にあったように、「生成」ではなく「作曲」へとなっていくんだろうな。いずれにせよ、このジャンルを始めよう、もしくは既に行っている人でも一読の価値はあると思われる本。覚えておこう。
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■Magentaのサイト
https://magenta.tensorflow.org/
■TensorFlowのサイト
https://www.tensorflow.org/
■Magentaで実践できる7種類のAI作曲
1. Melody RNN / 単音のシンプルなメロディーの作曲
2. Drums RNN / ドラム演奏パートの作曲
3. Music VAE / 3パートのバンド演奏作曲
4. Improv RNN / コード進行に沿ったアドリブメロディーの作曲
5. Polyphony RNN / バッハ風合唱曲の作曲
6. Pianoroll RNN / 現代音楽のような複雑な和音の作曲
7. Performance RNN / 高度なピアノ演奏の作曲
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■Pythonについて
2021年6月現在は、Python3.9はMagenta未サポート&検証済みの2世代前の3.7系を推奨。
Magentaを利用する場合は、Pythonで作成できる仮想環境が必須。いくつかツールはあるが、venvでの説明あり。
>python -m venv 作成する仮想環境名
>作成した仮想環境名\Scripts|\\
■TesorFlowとMagentaのインストール
>pip install tensorflow
>pip install magenta
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■GM(General MIDI)とSMF(Standard MIDI File)
電子音楽楽器にはいくつかの共通規格があるが、主にこの二種類を理解していれば良い。
音の配列を数値変換してデジタルデータとして使用できるようにするGMは、Cー2(0)~G8(127)までの128音[ピアノはAー1(21)~C6(108)までの88音]を数字で扱う。
GMのノー��ナンバー配列を使用して再生や演奏に使用できるデータ形式のSMFは、.midや.midiなどの拡張子で使われる。MagentaではSMF形式のMIDIファイルを使用・生成できる。
■MusicScore
Magentaで生成したデータは、MIDIファイルを使用できる電子機器で再生することもできるが、無料で使用できる高性能な楽譜作成ソフト、MuseScoreを使うと、楽譜形式で見ることも出来るし、メロディの再生をすることもできる。
■Melody RNN(Magenta?)の基本操作(P. 57)
Melody RNN(や他の多くのMagentaモデル)は、何も指定しないと基本のステップ(長さ)は16音符なので、下記のような数字で表現する。
・0~127:該当するMIDIノート(音)。0=Cー2、127=G8
・-1:ノートオフ(音を止める)
・-2:イベントナシ(発音はそのまま、無音もそのまま)