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授業で図鑑を作ることになった、たのちん、コーシロー、小雪、七保、保健室登校の加世堂さん。たのちんはみんなの色々なためいき図鑑を作ることにしたけど、図鑑に載せるイラストのことでチームに亀裂が……。
たのちんを見ていると「鎌倉殿の13人」の小四郎(初期)を思わせる。考えなさいよ!と周りに言われて「ええー……」と思いつつ対応する感じが。
小雪も加世堂さんもいい子で、読後感がいい話だった。ため息って確かに色々あるなあ。大体は嫌だなあー、疲れたー、なんでじゃ、とかだけど。幸せが逃げるからつかないようにしているよ、って言う子も登場。その考えも含めて、改めてため息ってなんだろうと、登場人物たちは問いを持つ。
ため息は全部悪いのではなく、ため息の効用やため息をついている人がいたら声をかけてみようと思える終わり方が好ましい。
ため息クイズは「はあって言うゲーム」みたい。聞くと気分があまり良くないため息も、こういうふうにとらえられたらちょっと違ってくるかも。
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ある4年生の2学期ベスト本
4年生「たのちん」のグループ5人が、「ためいき」図鑑作りに取り組む話。図鑑作りに取り組む中で、たのちんたちは、「ためいき」にはいろいろな種類があることや、「ためいき」が笑顔をつれてくることもあるということに気づいたり、「ためいき」と「しあわせ」との関係について考えたりしていく。
たのちんは保健室登校の加世堂さんに絵を描いてもらいたいが、小雪が絵を描きたいと譲らないことから、彼らの間に物語を貫く対立が起こる。当初は小雪がただ意地を張っているように見えるが、物語が進むにつれて、彼らが変わるきっかけを小雪が作ろうとしていたのだととわかっていく。
「小雪は、ただ意地になってるんじゃない。加世堂さんの心をうごかしたいのだ。加世堂さんを思いやる気もちは、いまもおなじ。」P128
「せっかく同じグループなんやから、加世堂さんといっしょに、なんかしたい。なんかつくりたい。なんかのこしたい。ほんとうに、ほんとうの、本心なんや」P130
彼らが「本気」をぶつけるシーンが魅力的で、グッと引き込まれた。
「ためいき」にはネガティブなイメージをもっている人も多いけど、たのちんたちが「ためいき」のポジティブな意味合いを発見していく過程がすごくおもしろかった。それに、ネガティブなためいきも、一人のときになら、たまにはついてもいいなと思えた。
「ぼくは、きょうもためいきといっしょに、生きている。」P150
このラストが、それまで物語で描かれてきたさまざまな「ためいき」が凝縮されていて素敵だと思った。
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第68回(2022年度)青少年読書感想文課題図書
小学校中学年の部
内容:授業参観にむけて、たのちんの班は「ためいき図鑑」をつくことになった。
どんな時にヒトがためいきをつくのか調べて発表するんだ。
でもいっしょの班の加世堂さんは、毎日保健室に登校していて、教室にはこられない。
たのちんが、加世堂さんにも図鑑づくりに参加してほしいと思い、ある提案をしたところ、班のメンバーともめてしまい……もうためいきばっかり!
家族や友達との関係にゆれる子どもの気持ちを、鮮やかに描いた物語。」
「
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絵も可愛くて、読み進めていくのが楽しかったです!ためいきからここまで話を発展させるなんて……すごすぎる……!最後には皆仲良くハッピーエンドでほっこりしました!