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「出絞」とは染物かと思ったら銘木のことのよう。出絞繋がりで色々な出会いがあり、従兄弟の萬吉が修行にゆき、修行先で認められるようになる。少女のかえでも色々な人々に助けられ「花かんざし」に辿り着く。二人とも聡明であり、誠実なことも読んでいて爽やかな気持ちになる。かえでの一人立ちで終わるが、二人の将来(結婚?)ももっと読みたいと思った。
「新酒番船」も読切だったが、シリーズ化は年齢的に無理という事か、軽く読めて爽やかな本に移行中のようだ。
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物語当初、かえで6歳、従兄の萬吉12歳
萬吉はこの年齢にして既に将来何か大きなことをやりそうな言動が至る所で見られ、かえでもそれに負けじと『自分』というものをしっかり持った6歳だと感じる。
しばらくの時を経て京の地において、互いに別の分野ではあるが職人としてそれぞれの道をめざす。真面目な性格と怠らない努力で周りから評価される職人にかえでも萬吉もなってゆくが、何より感じたのは2人の人間性。
人間として素晴らしい人には、それ相応の人が手を差し伸べ、結果として人に恵まれる。
かえでと萬吉、2人ともそれなりの評価を得られる職人となり物語は終わるが、2人にはきっと明るい未来が待っているだろう。
続きがあるならば読みたいと思わせるラストでした。
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萬吉とかえでの、語る言葉が心地よくて読みやすい、小説だから出来過ぎでもいいなと思う。続きがあったら、その先が読みたい。
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時代小説のこの手の話は高田郁さんの綺麗な文章で慣れてしまっているが、どうも”いいお話もの”は同じセリフ、言い回しを何度も繰り返す傾向にある。そして、中盤まで面白く読んでいたけど後半に入るとかえでの京に降りてくる目的があまりに曖昧で行き当たりばったりすぎて、タイトルに合わせるために無理やり定職に就かせてほかの辻褄をあわせたようなしめくくりになっているのが残念でならなかった。生みの親もなんかなし崩しだし、萬吉の物語におまけでかえでが登場したような内容となっている。なんとも的を絞り切れてない作品だった。
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北山杉の産地。
小さな頃から支えあった従兄弟の少年と少女は、山の頂より垣間見た今日の都に憧れを抱きつつ、少年は宮大工になる夢を追いかけて修行に。
少女は兄さん、と慕った少年を追うように我が道を見つける。
夢に真っ直ぐに進む二人。
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佐伯泰英が好きという人からいただいた本。
厳しい時代であるだろうと思われるが、人と、人との繋がりが優しく、とてもあたたかい作品でした。
刺激が1つもないながら、
時代物でも読みやすいのに、退屈には感じなかった。
この先が描かれてもいいような…