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横書きに違和感ありましたがすぐに慣れました。読みやすくて面白かったです。
自分の中の出産に対するもやもやした思いが少しスッキリした気がする。
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反出生主義をただ簡単に説明していくだけの物語だが、登場するキャラクターの粗さ、雑さが良い味を出していた。「ブラックさんは味方だと思ってたのに…」というブルーに対して、ブラックの放った「俺は正しい意見の味方だ。」が心地よかった。十人十色。
悲観的な気持ちにもなったが、地球という観点から考えた時、人間なんかが存在しない方がずっとヘルシーだし、人間同士が考える悩み事というのはなんてちっぽけでかわいいんだ、と開き直った。
内容とは関係ないが、表紙の感触や所々に出てくる黒印紙の使い方が面白かった。
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まず、子どもを産むことや人類が繁栄していくことに絶対的な幸福や肯定感がある人は本書で衝撃受ける可能性があること、私の感想にも嫌な気持ちになる可能性があることを先にお断りしておきます。かなり色んな、極端な考え方も書いてるので、ショックな人はめちゃくちゃショックだと思う。
そしてちなみにで書いときますが、ここから書いてることについては「今生まれてる命や子ども」について全く否定はしないし、私自身自殺や戦争についてはずっと反対です。
小さい頃からなんとなく思っていた、人はいずれ死ぬし永遠なんてないのになぜ繁殖し続けるのか、なぜ地球で人間が繁栄して文化を作り続けるのか、人間を恨んだり嫌ったり悲しい思いをしても尚人間は人間を産むことをやめないのかという疑問。
何年か前に友人から「こんな世の中に子どもを残していくのは親の最大のエゴだと思う」という話を聞いて、最初は「そんな考え方もあるの!?まじ!?」と思った。
が、小さい頃から、そして最近も感じていた、どうして人間は子どもを産み育てようとするのかという疑問や、自分自身がそのことに対してほとんど興味がわかないことについて向き合ってきた時に、友人の話がすごくしっくりくるようになった。
そんな中出会った反出生主義という思想。
正直なことをいうとわたしの考えは完全に反出生主義ではなくとも、かなりこの思想を肯定する考えに近い。
無であったところに自意識をもつ生命を産むことは特殊な行為で、人間誰しも幸福が絶対でなくとも不幸の回避は必ず望むものだということ、その上で不幸を生じる可能性が限りなく高い出生という行為は罪であるというもの。
そして段階的に人類は絶滅したら良いという考え方もあるらしく、ここはかなり共感。
罪はちょっと言いすぎじゃないの?とも思うけど、今地球で起きている色んなことや色んな悲しみ全てを解決するには本当に少しづつ地球から人間がいなくなるしか方法はないのではないかと思ってる。
生まれてこなかったら良かったということについても本書で触れられていたが、これについては今現在この世にある生についての善悪まで考えていくとかなり深すぎて、結論は全然出せないし生きてる間にわからないんじゃないかとも思った。。。
反出生主義は世の中の道徳に基づいた考えとしてあげられていたが、後半で出てきたグレーの言葉がかなり印象的だった。
反出生主義と人類は滅びるべきではないという色んな視点の人からの会話で成り立っていく本書だが、途中から人間のあるべき姿や道徳について考えていく描写が多い。
そんな中グレーは「多くの人間は道徳を守るために生きているのではなく、道徳の守り方を実践しながら生きていく。みんな道徳的に悪い、しかし最善の生き方を本当は誰もがしているはずだ」と説いている。
いいも悪いも結局利己的も利他的も、最終的には自分の世界で自分のことは自分にしかわからないし、他人を産む産まないも産んだ人間が不幸になるかどうかも産むことが悪なのかも、自分に起きることじゃないからわからんということ。
人間は全てエゴイズムに通じてて、結��は反出生主義も誰かのためというのも難しいし、全ての問題を無にしたい自分のためなのかな、と思った。
読んだ結論としては、今の私は
反出生主義ベースの考えだけど、生まれてしまった以上エゴイズムを重々承知しながら生きていくことは仕方ないと思ってる。生まれたからにはぼちぼちやっていくか。
という感じでした。
めちゃくちゃ考えて読んだのにあっっっさい考えでうけるしこれ言ったら本当に元も子もないけど、結局生まれてしまった理由も出生の意味も考えてもしょうがないんじゃないかとも思ってきた。笑
だけどやっぱり子どもを産むことはこの本で色んな人の考えをみても肯定的にはなれなかった。
こんな世の中に自分より大事になるかもしれないものは置いていけない、段階的な人間の絶滅を望む側として出生に加担したくない、不幸になる可能性や悪を生み出す可能性のあるものを産めない、産んだことにより自分自身を犠牲にする可能性があるなら産みたくない、などなど。
色々考えてみたけど、これも反出生主義っていうより自分のエゴイズムなのかな、、?
ほかの本読んでも勉強してもおそらく自分には反出生主義を本気で肯定するかどうかの答えは一生出せない気がする。そして多分これを考えてるうちにわたしの一生は終わっていくと思う笑
本書でも述べている通り出生は本当に特殊なできごとであって、善悪も決められないんだと思う。
あとがきでも書いていたが、「異なる種類の正しさがそれぞれどんな水準で成立するのか考えること」が残りの人生のテーマや考えていくべきことになるのかもしれません。。
はあ長い!!!感想ながい!まとまらない!!
しかし最高の本でした。
マイノリティーだと思ってずっと口に出してこなかった考え方を突き詰めるきっかけになったし、反社会的行動なのかと思っていた自分の考え方も認めることができたのはかなりでかいです。
何回も読みます。愛読書が増えました。
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それぞれ違う価値観や考えを持つ10人がディスカッションしながら展開する物語。個々を書き分けるのは大変だったのではないでしょうか。分かりやすく〜でござるなどの不自然な語尾を付けて楽をしていないところが良いです。
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面白かった。誰かが論を述べて、それに対して同調したり否定したりして論理に奥行きが出ていくのは、なんとなく少年漫画のインフレバトルを思い出した(?)。
強いて言えば、自分に一番近い意見はゴールドかもしれない。最後のグレーは何を言いかけたんだろうな。
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「こどもを産まない方が世のため人のため。
なぜなら生きることは苦痛を伴うから。」
この発想自体にいいも悪いもない。
ある人にとってはその通りだろう。
けれども、それを「道徳」として拡大解釈し
「こどもを産む行為は悪である、
この思考を広めて人類を段階滅亡させよう」
は出来ない。
なぜなら苦痛は共有できないから。
苦痛の体験者は自分だけであるから
「生きることの苦痛」
を誰もが感じている「だろう」という前提
それ自体が残念ながらナンセンスである。
※そう前提を立てたくなる気持ちもわかるけど
共感はあくまで自分が体験した苦痛をもとに
相手の苦痛の「程度」を推し量ることであって
苦痛の共有とは違う。
つまり自らが苦痛からの解放を求めて
こどもをうまないことは自由だが
この思考をマクロな形に展開していくこと、
つまりこの思想を受け入れよ、とすることは出来ない。
全体を通して
数学で言うところの
×0=0に似ている。
そもそも産まない ×0
という発想。
だが =0 つまり苦痛からの解放を目指したいなら
他の方法もある。左辺を相殺したっていい
色んなものを足したり引いたりしたっていい。
あくまでも×0は場合分けの一つに過ぎない。
いや、むしろ場合分けの一つですらない。
どうしても
現世で起きている苦痛の解放、からの逃避
という感覚を拭えないからかもしれない。
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今ある書物の中で最も反出生主義について理解しやすい本だった。ブラックの他の主義にズバッと切り込んでいく話し方が清々しくて良かった。中でも“俺が口を出すのはあくまでも「出生」という規格外に特別な事象についてだけで、すでに生まれてしまった個人がどう生きるべきかについては特に言うことがない。”や“「子供を生まない人生」は人生の中で起こる出来事だが「親から生まれてこない人生」は人生の中で起きる出来事じゃない”が印象的だった。
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この世界に突如生まれた魔王は、非常に理屈っぽかった。"人間を滅ぼさなければいけない"という使命に納得できず、10人の人間を集めて、人類を滅ぼすべきかどうか議論をさせて決めることにする。
主義主張の違う人間たちの会話劇のような、絵本のような雰囲気のお話だった。
平易な言葉で分かりやすく、なるほど、と思いつつ、でもどこか詭弁で誤魔化されているような感覚にもなった。
これだけ色んな立場のキャラクターを書き分けて議論させられるの、すごいな。
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感想
自分の中に眠る反出生主義的思考に気づかされる。遺伝子を繋ぐことを幸福と思う人もそうでない人もいる。当たり前だが共存のために覚えておきたい。
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「人類を存続させるべきか否か」というめちゃめちゃ壮大かつ複雑な問題について、10人の人間が話し合うというスタイルでお話が進んでいくのがとっても読みやすかった。
普通のお堅い本だったら絶対途中で投げ出してるようなトピックなのに、こんなにスルスル読めるように書かれた品田先生は流石。
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色んな価値観のキャラクターが対話する形式で物語が進む。
自分で思考する時に頭の中でそんなキャラクターを作って会話させれば、結構面白い結論に至るかも。
反出生主義は考え方としては誰でも苦しい辛いことがあった時思い浮かぶものだろうけど、人生は苦であるって言うのは仏陀が言ってるし、人にはネガティヴな情報を過剰に印象に残るバイアスもある。
けれども、苦を減らして楽を増やす方法は先人達が色々発見してくれてるからそれをとにかく試してみて、なるべく楽しく生きる方向が良いと思う。
究極は生まれようが生まれまいがどっちでもいいんだけど、まあ、せっかく生まれたし、それをどう捉えるかは自分次第。なるべく楽しみたい。胡蝶の夢って言葉があるけど、どんな夢でも楽しめた方が良いから。
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うーん⋯⋯という感じ。面白くはなかった。
10人のいろいろな「○○主義者」が出てきて議論をするが、どれも極論過ぎてイマイチ共感できなかった。
そもそも(ほぼ主人公と言える)ブラックが唱える反出生主義は「すべての意識ある生物が存在しないこと」を望んでいるが、世間一般の反出生主義者たちはそこまで考えているのか。せいぜいブルーが言う「自分が不幸な世の中は消えてしまえ」程度の人が大半だと思う。
もちろん、なんの主義主張もない人にとっては、ブラックの反出生主義が極論過ぎることなんて問題ではないかもしれないが、この本を読み始めた人の多くが、反出生主義に対して肯定否定を問わず意見を持っていると思う。その中で、ブラックの意見にどれだけ“ついて来られるか”はとても重要ではないか。正直、(やんわりとした反出生主義である)私は「こいつにはついて行けない」と感じた。
また、結末や隠されていたキャラクターの属性も「え、それだけ?」という印象。わざわざ隠す必要はなかったと思う。
とはいえ、結末は(意外性はなくつまらないが)悪くはなかった。
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ベネターの反出生主義を読む前に、準備運動として読んだ。この本は、セリフを羅列した形式になっていて読みやすいし、途中途中に議論のまとめが入っているから混乱せずに読み進めることができる。ただ、後半にいくにつれて抽象的な話も入るから、難しく感じる人はいるかも。
反出生主義については、言葉だけを見ると初見では人によって多様な感情を受け取ると思う。驚きや、不安、怒り、共感などなど。そんな中この本を読むと、自分とは違う考え方を持つ登場人物がする主張や自分と似ていると思っていた登場人物が自分とは異なる意見を述べることによって、感情としては落ち着くのではないだろうか。つまり、反出生主義という言葉だけに過剰反応せずに、落ち着いて見直すことができる。
反出生主義の話は、人類を考察対象にしていて、「答えは人それぞれだよね」で済まさないから難しい。それに、これから生まれてくる生命の話(産む/産まない)はまだしも、今存在する生命の話(滅亡すべき/しないべき)はもっと厄介。ここの論点を混同してしまうとすれ違うだけだから、そこをはっきりさせられたのは良かった。おそらくだけど、反出生主義と聞くと、「(今いる私たちは)生まれてこなければ良かった」という、今存在している人類に向けたものだと直感的に思うのではないか?だから、反発も多くなる。
ここから改めてベネターの反出生主義を読んでみる。
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反出生主義について知りたい、肯定して欲しいと思って手に取った人にとっては残念な内容かもしれない。「人類は滅ぼすべきか?」という命題の論点が反出生主義をめぐるものだというだけだからタイトルどおりの話をしているに過ぎないし。
〇〇主義という思考そのものをキャラクター化しているのが構造としても面白かった。読んだ人の考えは誰に近いのか聞いて回りたい。自分はゴールド。
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哲学を対話形式の小説で説明しているような感じ。
比較的読みやすかった。
魔王が人類を消したあと、もう一度作ったのは予想外のラストだった。
個人的にはグレーみたいに、人類が残ろうが消えようがどちらでもいいという考えに近い。