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第4章の結婚制度のところをめくってみたけど(それを分量とって論じているの自体はめずらしくて価値があると思う)、マルクスも先生もどういうことを考えているかもうひとつよくわからない。
ブログ書いた。
https://yonosuke.net/eguchi/archives/14795
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入門書としてマルクスの思想を簡単に理解できたと思う。資本による疎外によって機械的になっていく労働者。それは分業が大きな原因であり、これを無くせば労働者は主体的な生産ができるということだ。難しくて眠たくなったけど、なんとか読んだ。
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疎外論をマルクスの思想の中核に位置づける立場から、アクチュアルな問題に対してマルクスの思想がどのような寄与をおこなうことができるのかということを解説している本です。
著者はすでに『マルクス哲学入門』(2018年、社会評論社)を刊行しており、そちらでもマルクスを「古典」として読むとともに、そのなかから現代社会の批判原理をつかみとるというスタンスに立っていましたが、本書では「ブルシット・ジョブ」やワーキング・プアといったより具体的な問題に焦点をあてて、マルクスの思想の現代的意義が論じられています。また、ソ連や中国などの「現実社会主義」がマルクスそのひとの構想した社会主義とは異なるすがたであることを指摘するとともに、アソシエーションにもとづく未来社会の構想として、マルクスの思想が解釈されています。
最後に著者は、マルクス主義と環境問題との関係についても、一章を割いて考察をおこなっています。マルクス主義はしばしば生産力至上主義とみなされていることに触れて、マルクスの議論には一定の限界があったことを認めながらも、資本の自律的な運動を止めることのできない資本主義ではなく、労働の疎外が克服された社会主義によって、環境問題の解決がなされるという見通しが提出されています。
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日本において、マルクスは経済学的な視点での研究が多く占めているが、著者は哲学の観点からマルクス主義を考察することにこだわっており、マルクス思想の入門書としてよくまとまっている。
■資本主義とは?
資本とは疎外された生産物怪物的転化であり、資本主義の最も根本的な本質は労働が疎外されていること。
■マルクスが理想とした社会
労働が疎外性的性格を帯びることなく、労働者が自らの生産物に支配されることがないような社会。
■ソ連の社会主義
ソ連は現実社会主義国の代表国として知られているが、その基本的構造は軌を一にするものだった。確かに資本家の存在はなかったが、労働者は国家官僚のもとについていたため、労働は疎外されている構造を取っていた。
■マルクス的観点から捉えた婚姻制度
理想の共産主義下では、婚姻を制度として保障する必要はない。愛は私的感情であり、共同体が自由意志に基づく二人のパートナーシップを制度として裏打ちすることは不要である。この点マルクスは自由意思に基づくパートナーシップの本質を見抜いていたが、「男女間の恋愛」という限定をしていたことには批判の余地がある。
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マルクスと現代社会の結び付きについて述べた本。現代社会の諸問題をマルクス的視点から読み取るというスタンスで、マルクスの予測・理論・危惧が現代の中にどんな形で潜んでいるかが分かる。ただし、ポスト資本主義の社会がどうあるべきなのか、という部分については、経済構造の話というよりも個人個人の道徳心や感性に依存している気がした。
全体の傾向は「古典としてマルクスを読む」というスタンスではあるが、マルクスをかなり肯定的に捉えているので、私のような初心者はそのことに注意して読む必要があると感じた。また、『資本論』の解説本ではなく、あくまでマルクスの入門書であるので、『資本論』の内容に繋がる理論を知るというより、その思想の背景を知るという意義が強い。付録を含め、マルクスに興味を持ちはじめた(なおかつ、少し学者っぽい言い回しや小難しい文章に慣れてる!)人にオススメしたい。
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マルクスは全くのノータッチだったがマルクスの思想はもちろん,著者の古典に何を求めてどう読むのかという批判的姿勢がとても勉強になった.