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Michelle Obamaさん・Kamala Harrisさんらの自伝に触れて以来、いま目の前のモニターに映る指導者はどんな背景を背負っている/きたのかをぼんやりとだが考えるようになった。政策の前に人となり。
本書の存在を知った直後、第46代アメリカ合衆国大統領の映像を目にしてふと↑の疑問が湧き、読むに至った。決然たる眼差しを見慣れているせいか、あらゆる場面において迷いが見られた時は少したじろいだ。
しかし、と言うかやはり、言葉は実直そのもので、端々から「正しくありたい」という彼の願いを伺わせるものだった。
中盤ご自身の副大統領時代の話を大幅に挟みはしたものの、Putinさんとの軋轢(やり取りがどことなく非現実的なものだった…)にウクライナへの支援と、現在にも直結している問題が多かった。
また、Obamaさんへの巧みなフォロワーシップと一友人として揺るぎないフレンドシップも伺えた。根拠はないし(おい)、もしかしたら多少形も違うだろうけど、それらをKamalaさんもしっかりと受け継いでいる気がする。
御子息らはまさにアメリカンヒーローだった。Beauさんは父親に負けない強固な信念をもって、難病にも打ち勝つ前提で立ち向かっていた。幼くして事故に遭ってからずっと、彼が一番父親を誇りに思い気にかけていたと思う。弟さんも一心同体並みに見事なサポート役を務められていて、本当にかっこいい。
「やがてある日、あなたは自分が生かされている世界で、何かを成し遂げなければならないことに気づく」
Beauさんの死後に届いたある人からの手紙がいま大統領として我々の前にいるBidenさんを形作った一つであると確信している。
そして気づいた。全国民・今ある御家族・そして最初の奥様と娘さん・Beauさんらを彼は背負っているのではなく、彼らと一緒に歩いているのだと。その躍進が終わりを迎えるようにはまだまだ見えない。
「忘れないで、ホームベースに立つんだ、父さん。ホームベースに」