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新書コーナーをザッピングしてると、光文社新書棚に異彩を放つカバーが…。ジーパンのドアップのカバー写真に縦書明朝体〈日本のジーパン〉〈林 芳亨〉と白抜き文字。写真に被らないよう両脇に配置。帯のオレンジは、林さんが手がけるジーンズ『RESOLUTE(リゾルト)』のブランドカラー。
愛用者としては〈たかがジーパンや!〉で始まる、林節を拝聴せねば〜。構成は元meets編集長 江 弘毅さんと来てる。読みかけ本を脇に追いやり早速本を開く。
コールドラッシュに沸くアメリカで生まれたワークウエアとしてのジーンズ。アメリカ文化を象徴するひとつであるジーンズが、どのようにして日本で独自発展を遂げてきたのか?その変遷・トレンドを皮切りにジーンズの製作工程・メジャージーンズメーカーが大阪発祥の理由・ジーンズとの出会いとその魅力・自身のブランドマネジメント…等を現在のジャパンメイドジーンズの現在地に確たるポジションを築いた『リゾルト』のデザイナーである林氏が、〈日本のジーンズ〉を語り尽くした一冊。
ジーパンのトレンド解説を聞きながら、高校・大学時代の70年代後半から80年代半ばの記憶が一挙に押し寄せて、ついつい回想。
501しか履かないリーバイス原理主義な友人は三宮の地球屋で買ったコンバースハイカットを合わせ、サーファーファッションも流行り、〈陸サーファー〉なんて言葉も生まれた。男子は世良公則、女子はファラフォーセットメジャーズの所謂サーファーカットが街に溢れた。(一方でもみあげを極端に短くカットしたYMOのテクノカットも流行ってたけど)。ジーパンはブリーチアウトの水色。大学生には裾がフレアーになったポップサック生地のFARAHも人気で、テニスのボルクが着てたFILAのポロシャツやニットとコーディネート。赤や黄緑のカラージーンズを履いてる人もいたなぁ。シピーやカルバンクラインのディナージーンズにビンタックのドレスシャツやギャルソンのシャツに革靴のコーディネートした人もディスコでよく見かけた。太腿のわたりがダボっとした裾が細いペダルプッシャーにはK-Swissのスニーカー。数珠つなぎで出てきて、あぁ懐かしい。
そんな中でも、アイビー好きの林さんはリーバイスにボタンダウン、ローファーを合わせる、今と変わらないコーディネートでジーンズメーカーの営業マンとして外回りをしていたと語る。
僕自身、ジーパンにチャッカーブーツのようなごつめの靴を合わすのが好きでリゾルトに辿り着いた。このジーパンが優れているのは寸法直しが不要。試着して即持って帰れる。
これってスゴいことで、体型によっては大幅に裁断し、ジーンズの持つ一番美味しいシルエットの部分をカットしなくてならない。リゾルト710 の場合、ウエスト12サイズ×レングス8サイズが用意されてる上に、微妙にテーバードを変えてる。
購入者側にとっては大歓迎だけど、生産者側のコスト効率はめちゃ悪い。顧客第一主義って昔からよく聞くけど、何かしらは購入者側が妥協という歩み寄りをしなくてならない。ノンストレスで必ずマイサイズが見つかるという塩梅。
ブランド名『RESOLUTE』は〈毅然たる〉という語義。時代に流されるもの��り、変わらないものでありたい!という理念を表す。
溢れるジーンズ愛にどっぷり浸り、秋だし濃いめのリゾルトにピカピカに磨いた革靴、ジャケットを着てお出かけしたくなったそんな一冊。
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ジーンズの歴史を生き地引が簡潔かつ魅力的に紹介する。
昔ながらの日本のものづくりがジーンズと相性がいいのだと受け取った。西日本に産地が集中している考察は個人的に興味深かった。
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ひょんなことから「リゾルト」ジーンズに興味を持って、それを作っている林さんという方が書いた本があることを知りすぐに入手。翌日には読み終えたくらい一気に読んでみた。
モノづくりに真摯に取り組む姿勢、トラブルが起こった時はすぐに現場に駆けつける機動性など、ジーパンのこと以外にも大事なことが散りばめられた本だった。