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ふっつーに泣けた。。。鈴木おさむかーブス恋の時ぶりかー、タイトルから何となくわかるなーと半ばそんな期待せずに思いながら手に取ったんですが面白くて一気読み。やっぱり頭が良くてセンスある人って物語描くのもうまいんだなぁ。
最初から最後まで一貫して種なんだけど、すごくよかった。
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意外と身近に苦しんでいる人はいるのだと思うが、なかなか人には相談しづらく、表面化しづらい男性不妊問題を主に取り上げる。それだけでなく、出産や中絶についても触れている。この作品はタイトルの通り「命の種」の話であるが、扱うのは「生命そのもの」だと思う。
一方で不妊に直面する家族の幸せの在り方にも焦点を当てているところがいい。とてもいい。
原因は女性や男性(または両方)にあるかもしれないが、不妊は、女性だけの問題でも、男性だけの問題でもなく、夫婦2人の問題になる。互いに話しあい乗り越えていく中で、その夫婦の幸せの形ができていく。次のセリフは登場人物の一太の発言。
『子供がいないから』には『かわいそう』という気持ちが含まれる。だけどね、子供がいなくても、本気で幸せだって思ってる夫婦は沢山いるし、厳しい決断を超えて、捨てる幸せがあったから、得られる幸せも、あるんです(本文より引用)
この言葉にあるように、現代の家族の形・幸せの形は様々であり、私はそれでいいと思う。もっと色々な家族の形・価値観が受容されるといい。そういう意味でもいろんな人に読んでほしい作品だった。
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本のタイトルの、僕の種がない、これはドキュメンタリーを取り続けてきた勝吾が、自分の今までの作品の共通点には、全て種、が関係していると気づき、そして自分自身が種がないことを知ることになり、自分のドキュメンタリーを撮るべきだ、と思い、付けるタイトル。
失礼ながら、あまりこの著者の本にいい印象が無かったので、なんとなく手にとった本が、想像と違っていて驚いた。
センシティブな内容なので、そしてみんながこのような機会や、金銭的に折り合いがついたり、結果が伴ったり、パートナーが同意してくれるか、など問題山積みの話をうまくまとめてあると思った。
お笑い芸人の兄が余命宣告を受けていて、しかも、非閉塞性無精子症、そこから、手術をして直接精子を取り出し、妻の卵子と顕微受精し、培養ののち、妻の子宮に戻される…
芸人は自ら、勝吾に自分のドキュメンタリーを撮ってほしいと依頼して、その作品名は
たった2匹、だった。
倫理ってなんだろう。
人間はどこまで手を加えていいのだろうか。それを考えるきっかけにもなった。
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男性不妊をテーマにした話。不妊治療をする人達の心境や治療方法を読んで、これまでよりずっと身近に感じるようになりました。「どんなことにでも一つは理由がある」という言葉が印象的です。
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現代の不妊事情、男性不妊の理解を促す内容だった。それよりもドキュメンタリー番組の制作車の熱意、正義よって傷ついた人たちの登場が印象に残った。これからドキュメンタリー番組を観るときは、感動の裏側を想像しようと思った。
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涙腺緩みっぱなし。
主人公はドキュメンタリーディレクターの真宮勝吾。
イタさを武器に面白いと思われる作品を順調に制作している。
そんな勝吾の元へ、人気お笑い芸人の入鹿一太から自身のドキュメントを撮影して欲しいと依頼が入る。
余命半年と宣告された一太に勝吾が提案したのは無精子症を克服し子供を作る事。
男性不妊がテーマだが作品を通して描かれるのは命の重み。
綺麗事だけではなく人間のエゴイズムな部分の描写は実にリアルだ。
いくつもの奇跡が重なり自分が存在している事を改めて感じさせてくれる。
受け継がれる命のバトンに感涙の一冊。
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結構重いテーマを扱っているのだが、割りとスムーズに読めてしまった。そこに幾ばくかのユーモアと希望、テンポの良さがあるから。普通を全力で生きるというワードが胸に刺さった。泣ける。