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雪に閉ざされた屋敷、互いに接点のない個性的な招待客、いつまで経っても現れない家主、呪いの箱、巨大なアルファベットのオブジェ、足跡のない庭。
ミステリー小説の真ん中にあるような作品だった。
「あ、そうか」と灯台下暗しなトリック。それに気がつけなかった少しの悔しさと、圧倒的な清々しさにこれ以上綺麗に嵌るピースはないのだと思った。
でもやはり、続きを求めて読み進めた、あの早る気持ちを抑えていれば或いは……と少し思う。
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あとがきで触れられているけれど、作者さんの最初期の作品とのこと。基本オリジナルのママだが、手を入れないわけにはいかなかったという文章はさすがに生硬で、微妙に読みにくい。キャラクターや犯行動機は奇をてらいすぎている感じで、かなりぎこちない。全体の印象を一言で言うとやはり生硬になると思う。それでもハチャメチャなメイントリックはもちろん、語り手の女性や探偵のキャラにはらしさが出ているように思う。
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うーん、評価が結構い良いので読みましたが、うーん
そんなトリックうまくいく??って感じです。
読み始めて、これはシリーズ物なのか?と思ってしまった。
メインの3人キャラ立ってるのに、この作品だけなのかな~
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分量も少なく、比較的シンプルなトリックなので初心者でも楽しめる。
それでも本格らしい雰囲気は自分好み。
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著者の初期の作品がようやく復刊となってくれた。前々から読みたいとは思っていたが手に入らずに悔しい思いをしたことを思い出す。内容としてはド直球に本格ミステリ。正直に書くと現実的かどうかはともかくとしてトリックとしてはわりかし簡単にわかる方だとは思う。でも最後に判明する動機の点が素晴らしい!犯人だけではなく個々のキャラの造形が凝っているからこそ出来上がった作品だと言える。他の方も書いていたけれどシリーズ化してほしいなぁ。
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巨大なアルファベットのオブジェというのもいかにも怪しいし、それを利用したトリックに至ってはやや無茶な気もする。登場人物もことごとく怪しげ、というか物語上都合が良すぎるキャラクターが配置される。しかし全体の世界観が良く、不思議とそれらについての不満は少ない。シンプルに謎解きと真相を楽しめる。
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=作者のファンなので、かなり評価の甘い感想になります=
と言いつつも、ミステリとしてトリックが凡庸なのはまぁそうだなとは思う(笑
でも巨大アルファベットを足場やトンネルにしたりというアイデアがいかにも北山先生っぽくて大好き。実現性とかは知ったこっちゃない、ロマンですよ。
あと、創生の箱からの死体出現トリックがすべて別のネタで行われているのが面白いポイント。凝ってる。
んで、本作の魅力の大きなところはは、トリックではなくてキャラクターや読後感。
美久月が最後の最後に正体を現しても違和感のないキャラクター設定とストーリー。このまとめ方こそ本作の面白さの根幹ではないでしょうか。
ずっと読みたかった作品なので、復刊してくれた東京創元社さん本当にありがとう。
そして石球城はいつにりますかね先生……
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雪が舞う岩手の山奥にある「アルファベット荘」に招かれた客人たち。客人たちは、それぞれ個性豊かな人たちばかりで、初対面ばかりだった。パーティがあると思うが言われたが、家主は一向に姿を現さない。翌朝、曰く付きの美術品「創世の箱」から招待客の遺体が発見された。しかし、そこに辿り着くまでに、通らないと行けない庭には足跡などはなく、不可能に思えた。売れない役者に、変人で小劇団の看板女優、何も持たない探偵が幻想的な事件を解き明かす。
招待客は、本当に個性豊かな面々ばかりだった。女探偵と名乗る人物が、初日の夜に自らクローズドサークルを作り上げるのは、ある意味新しかった。今の時代よりも昔だったから、女探偵の被害は最小限に食い止められたのだろうなと。今の時代だったら絶対無理だし、あんなことされたらブチキレる。
事件自体は、なんだかワクワクして面白かった。だけど、彼女が謎すぎて終わったかんじだった。彼女は、前に読んだ「硝子の塔の殺人」の彼女みたいなかんじなのかなと。あの物語に出てきた彼女と今回の彼女は、性格も全然違うけど、根本的なところは同じなのかしらと思った。
彼女たちのシリーズがあるなら読んでみたいな。
2022.5.29 読了
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主要な3人の登場人物のキャラがしっかりと立っており、文章からも性格が見えており、わかりやすかった。しっかりとしたクローズドサークルミステリーでトリックは現実的に可能かと言ったら綻びがあるようにも思えてしまうが、比較的わかりやすいトリックになっていて理解しやすかった。会話文主体のためテンポが良く一気読みするくらい読みやすかった。
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良くも悪くも最初期の作品というのが納得できる作品でした。個人的にはちょっと合わなかったけど、シリーズ化されてもよさそうなメインの3人。
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巨大なアルファベットのオブジェが散在する屋敷のパーティーに招かれた10人。しかし主催者は現れず、雪に閉ざされた中で殺人が‥
トリックやキャラについては初期作品の復刊ということで納得。現実感がなく幻想的な雰囲気。関わった者は死に至るという不吉な「創生の箱」がワクワクする。
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当代きってのトリックメーカー・北山猛邦、幻の長編! の文句につられて手に取った。
雪が舞う岩手県の山奥、アルファベットのオブジェが散らばる『アルファベット荘』に招かれた個性的な面々。探偵・遠笠麗、賞金稼ぎの古池ミノルと泉尾桜子のカップル、大学助手の三条信太郎、文筆家の春井真那、そして変人にして小劇団『ボルカ』の看板女優・美久月美由紀とその連れである売れない役者・橘未衣子、『何も持たない探偵』ディ。家政婦として、大学生アルバイトの破麻崎華奈と藤堂あかねがいる。
パーティといいつつ招待者である岩倉清一は現れないまま、夜は更けていく。そして、惨劇が起きる。
物理トリックは実行に疑問符がつく大技で、当方は当然ながら「そこにあるんだからできたんだろう」ということで推理は放棄。死角をついたほうはなるほど、というより、それしかないよねだけれども。
探偵役も犯人も壊れているが、探偵の壊れっぷりがなかなか面白く、妙な魅力がある。
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北山猛邦作品ブームがきているかもしれない。。
オルゴーリェンヌの時に感じた過去と現在を行き来する構成が読後に余韻を残してくれる。何度も、ああもしかして、ああそうだったのか、とページを戻って読み返し、その度霧が晴れるように意味が浸透していくのが心地よい。
以下ネタバレ
箱出現トリック(バラバラ)はなんとなく予測できていたが、頭の方は盲点だった!コートの文章で怪しいとは思っていたけれど、入れ方になるほどと。
文章に自然とヒントが散りばめられていて、読んでいる時に「ここの文怪しいな?」と勘ぐるのが楽しい。
死体移動は恐らく実際やると物音で起きちゃったり、トイレに起きた誰かに目撃されたりするんじゃないのとか思ってしまったけど、他の方の感想で「そこはロマン」とあって気にせず楽しめた。
3人のメインキャラクターが個性的でやり取りが面白かった。
シリーズの続編だった!?と焦ったが違うらしい。続けて欲しいがなんとなくディも美久月千も切ない展開になりそうで読みたいような読みたくないような。
途中まで過去の少年は春井さんだとばかりずっと疑っていた…謎の人たらし春井さん…
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以前北山さんの小説を読んで面白かったので、幻の長編!と宣伝されているこの本を手に取った。初期の頃の作品ということもあってか、「これトリックと関係あるだろうなぁ」とちょっと予想できてしまう。各登場人物の設定というか描写がやや唐突で読む側の気持ちが追いつかない箇所もあるけど、作品全体の雰囲気がとてもよいのでそこまで気にならない。クローズドサークル特有の薄暗くて妖しい雰囲気を味わえる。ボリュームもちょうどよくサクッと読める。
やっぱりミステリーはいいね。日常では味わえない世界に入り込める。
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とんでもトリックな小説だったな。何か金田一みたい。面白いは面白いかな。ページ数もそんなにないのでサクッと読めます。