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2022年2月3日読了。「いつでもやめられるんだから」と思いながら始めた小2の息子・翼の中学受験に向けて疲弊していく家族の行方は…。小学生の息子を持つ身として他人事でない物語。ママ友とのお茶会も腹の探り合いに終始したり両親・義父母の発言に辟易したりスマホで体験談をチェックしまくりSNSの書き込みに「高度なマウント」とディスられたり…と細かいディテールがなかなかに心をえぐる。結局、主人公は塾で「やっちゃいけない」と言われたことを全部やっているのがアカンかったのであって、きちんと子どもや旦那に心情を打ち明けてゴールを共有しながら受験するか否か・対策を進めればよかったのに…とも思うが、わかっていてもできなかったり、できている人でも他者からの発言や情報に心がざわつくのを止められない、というのが受験なんだろう。でも、こんな狭い世界で親も子も一生懸命になっていて、自立して一人で食っていける人間に育てることができるのかね。
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なぜ我が子のことになると、こんなにも苦しいの?
ひとり息子の中学受験挑戦。
塾に、ライバルに、保護者達に振り回され、世間の噂に、家族に、自分自身のプライドに絡め取られていく。
(アマゾンより引用)
子供が望むならまだしも、親の見栄のために親の言いなりにさせられる子供たち。
あたかもそれが自分の望みであるかのように納得させられてしまう。
子供のため、とか言いながら本音は親の見栄のため。
子供は親に嫌われたくないから、怒られたくないから親の言う通りにしてしまう。
こんな親にだけはなりたくない。
見栄なんかいらない。
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中学受験に挑む親子の心の内がリアリティを
持って迫ってきます。
「ちょっとやってみて大変そうだったら止め
ればいいし・・・」と始めた中学受験の為の
塾通い。
塾通いを始めれば、ある程度は当然成績は上
がるのです。
そうなると止められなくなってしまいます。
「ここまで頑張ったのだから」「まだ巻き返
せる、と成績が多少落ちても続けてしまいま
す。
この時点でもはや誰のための受験なのか、受
験生本人にも分からなくなってしまいます。
その描写がとてもリアルなのです。
たとえ高校受験でさえも、その結果で人生が
決まったりはしません。
それは大人もわかっているはずです。しかし
それを忘れてしまうのです。
我が子に対して「お前の将来を思って」とい
うセリフが本当は誰に向けている言葉なのか
を思い知らされる一冊です。
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子どもの成長とともに成長させられた親たち。
中学受験を対象とした子どもの年齢がどんどん下がっていき、今や二年生くらいから通っている子もいる特殊な世界。
最初は親に言われるままに始めた受験が次第に子ども主体のものになっていく。
成績に一喜一憂してはならないのだが、それは無理というもの。
子育てに正解はない。最後まで主体になれない子は離脱するのも選択肢だと思う。受験が子どもにとって正解だったのかどうかははっきり言ってそう簡単には答えが出ない。
結果がどうであろうとも、その経験を親に感謝してもらえる日が来たらそれは正解だったのだろう。
これから受験する子どもの親に読んで欲しい一冊。
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「そこに、浅薄な優越や、下衆な哀れみはなかったか。」(P235)なんか気になった表現。
自分自身も、娘二人も中学受験経験者。
こんなに異様な経験はしていない。
この本を読む前から、感じていたのは、自分が受験で勝ち残ったことがない親が、受験する子供とどう対峙するかは、凄く難しいのではないか、ということ。
世の中、いろんな地獄で構成されているもの、と思う。
が、身近に,軽々とそこを乗り越える人もいたりする。
いろいろですね。
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中学受験の経験はないけど、結構感情移入
してしまった部分もあり、スラスラ読めた。
目まぐるしくかわる母親の感情とか。
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言っていることは正論であっても物語の臨場感と変化していく空気感がそこにまた違った意味を含ませてきて読後感にはやりきれないような余韻があった。
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中学受験にのめり込む様が読んでいて辛かった。頑張ってお金や時間や努力を掛けたものを止める勇気は必要だと思う。読後感が悪くないことが救い。
中学受験はやっぱり子どもに親が頑張らせないといけないのがどうしても受け入れ難いのと(まだ自分で将来とか考えて頑張ることができないから)、小学生の脳に「詰め込み」学習させるのがもったいない気がする、ので否定派ですが、色々な生き方あるからね~。
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一人息子翼の中学受験の話。子供の中学受験を扱った小説は多いが、小学生の子供の心が親の期待によって蝕まれていく様子が、また母親の諦められない心理がリアルに描かれて怖いようだった。
最後の辺りでママ友の貴子が円佳を包み込んで泣く場面に感動しました。
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翼の翼
著:朝比奈 あすか
物語のはじまりは、新三年生の「翼」が「全国一斉実力テスト」を受けるところから始まる。
スポーツも出来てお勉強もできる「翼」。
お友達からもお母さんからも人気者の「翼」。
そんな翼は気づけば中学受験にチャレンジすることに。
チャレンジの結末やいかに!?
本書の構成は3章から成る。
①八歳
②十歳
③十二歳
中学受験をどう捉えるか。
小さい子供が公園を走り回る時間や成長に必要な睡眠時間を削ってまで勉強に充てるのをどう見るか。
貴重な幼少期だからこそ学ぶ過程で頭も心も強くなると見るか。
事象だけでなく、心の深いところまでもえぐるように、描写されているところもあり、中学受験の現実の非情さを知ることもできる。
うねりの中だからこそ、成長していく子どもたち。
そして、子どもたちと共に成長していくまわりの大人たち。
泣いて笑って成長していく姿は
残酷さだけではなく、清々しさと神々しささえも感じる。
子どもは弱くてそれでいて強い。
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中学受験による親子の崩壊と再生の始まりを、シンプルかつ丁寧に描いた作品
暗くて憂鬱な雰囲気が全体に漂うお話で
同時並行で読んだ「金の角持つ子どもたち」とは全然違いました。
子どもがしたいことと親が子どもにしてほしいことは違うはず。
でも親は、自分が子どもにしてほしいことを、いつしか子どもがしたいことだと錯覚したり、
錯覚まではしなくても、「この子のためだから」、「子どもは判断力がないから」、「まだ子どもでわからないから」、「子どものためを思って」、「これまでたくさんお金をつかってきたし」、「周りの目があるし」
と自分を正当化して、子どもがしたいことを押さえつけてしまいがちです。
中学受験だけが全てじゃないと理性ではわかっているのに、
中学合格=人生勝ち、不合格=人生負け、
のような考え方にどんどん追い詰められてしまいます。親がそうなると子どもはもちろんその呪縛から逃れることはできません。
本書に出てくる親は、基本的にはみんないい人で、子どもの良い未来を願っています。
でもみんな愛ゆえに子どもと衝突し、愛ゆえに子どもをたくさん傷つけてしまいます。
子育てって、うまくいかないよね。
愛って、難しいよね。
でも、翼くんも親も、よく頑張ったね。
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最後の【あった】には号泣しちゃった。
息子の大学入試を思い出した。
試験にいく彼を見送るとき、なぜか涙がでてきたこと、
一点に一喜一憂したこと、
受験校を決めたときのこと、
ネットにはりついていたこと、
etc
中学受験、ってその比じゃないくらい大変だと思う。
まず、子どもが幼いこと。
浪人の選択肢がないこと。
都会に住んでなくてよかった。
中学受験がフツーにある地域じゃなくてよかった。
本当にそう思う。
止めどきが分からなくなる、ってほんとそう。
ママ友の存在も大きかった。
そして翼の成長が嬉しい。
家をでたときは円佳の気持ちが乗り移ったかのように不安で仕方なかった。
生きててよかったよ、本当に。
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ただただリアルだ!!本人に人生の選択をさせているようで、実は子供に夢を託している。子どもに夢を託すのは如何ね。一方で、子どもの可能性や将来性に期待してしまうのも理解る。
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2日で一気読み。中学受験のリアルがわかり面白い。そして、この作家さんの文章、すごく好き。沁み入るように入っていくんだよな。
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読んでてしんどかった。
そして、さすが朝比奈あすかさんだな、と思った。
表紙のかわいい少年。
この少年が翼なのか。この少年が中学受験を頑張るお話なのか、と応援したい気持ちで読み始める。
しかし、この本の主人公は翼ではない。翼の母まどかだ。
翼の本当の心は、私は最後までわからなかった。翼自身の言葉すら、本当の気持ちなのかがわからなかったのだ。
最後まで中学受験を続けたい、受けたいと言ったのは、本心なのか?親や塾など周囲からの刷り込み、コンコルド効果、見栄、今更やめて地元公立中に行ったらかっこわるいから・・・ではないのか?
翼自身、自分が何をしたいのかわからないほどになってしまったのだろうと私には思えた。
翼が最後に寄りどころにした「泳ぐこと」。もし、翼が中学受験をせずに水泳に邁進していたらどうなっていたのだろう?とも考えた。でも、それでもどこかで壁にぶちあたったのだろうと思う。でも水泳は体一つで行うものであって、ズルや改ざんはできない。壁にぶちあたっていずれ辞めることになっていたとしても、ズルをするほど追い詰められることはなかったのではないか、と思ったりした。
朝比奈さんの本のすごいところ、さすがだなと思うところは、読んだ後も心に残り続けることだ。
本の登場人物たちが私の心の中に残って、「もし、~だったらどうなっていたのか?」「これからどうなるのか」と、自然と考えてしまう。
この本では、まどかが身勝手で、息子を自分の虚栄心を満たすものとして利用しているかのように読めてしまうところもある。でも、そういう汚い気持ち、人に知られたくない気持ちって、実は多くの人の心に住んでいるものだと、私は思っている。
この本はまどかが主人公だから、まどかのそういう心まで書かれているだけであって。まどか自身が特別にひどい母親、汚い人というわけではない、と私は思う。
中学受験がテーマでありながら、受験の渦中にいる人にはおすすめできない本である。
多分、読んだら後悔するのではないだろうか。
それくらい、読んでいてしんどいからだ。
私は、息子は未就学児、私自身中学受験なんて全く関係のない地方出身者で、経験がない。
それでも、息子の近い将来小学生になって、まだそんな幼い子が、と思うとこの本はつらかった。
翼がかわいそうだった。最後の結果があっても、「翼、よくがんばったね」ときれいな言葉で終わりにできる話だとは思えなかった。
中学受験の最中にいる人なら、なおさら読んでつらいだろう。
最近は中学受験をテーマにした漫画や本が多くて、努力は報われる系の話が多いのかもしれないけど、そうとも限らないのだ。
結果を出せば親が喜び親に愛される、結果を出さなければ見捨てられる、と小学生の我が子に思わせてしまう残酷さ。
多くの出版物が中学受験の「光」を書いた作品だとしたら、この本は中学受験の「闇」を書いた本だ。
翼が進学した学校で、明るい青春を送れることを願う。翼の大学受験期に、翼の両親が同じことを繰り返さないことを願う。そればかりである。