紙の本
反面教師
2022/11/27 23:48
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投稿者:腹回りの贅肉 - この投稿者のレビュー一覧を見る
「この本に出てくる母親はNG行動ばかり」「ラストを除いて中学受験のリアルが描かれている」「入塾前に保護者全員に配るべき」といった口コミを見て気になって購入。一気読みした。毒々しい苦い気持ちになりますが、反面教師として手元に置いておこうと思います。親が子どもを誘導するようなところなど、別に中学受験に限った話ではなく、子どもに対しこのような接し方は良くないなと感じさせるものが多かった。
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中学受験を題材にした小説ということで、子供の中受時代を思い出しながら懐かしく読んだ。
無料で気軽に受けられる塾主催の全国一斉テスト。嫌ならいつでもやめればいいと思いながら、軽い気持ちで足を踏み入れたが最後、コンコルド効果(初めて知りました。)、プライド、見栄などから容易には抜け出せなくなる中受の世界。
子供のためと言いながら、親が子供の光を奪っていく恐ろしさ。
ママ友達との探り合いのような会話、テストの結果に一喜一憂するなと言われながらそうせずにはおれない心情、子供へのプレッシャー。。。
なかなか胸が痛くなる内容に、次第に気持ちが沈んでいく。
主人公の母親が子供だけでなく、自らをも追い込んでいく過程に息が詰まる。父親が参戦してきたあたりから、逃げ場がなくなる翼が行き着く悲劇。
終盤、最悪の状況に至る直前で円佳が夫に訴えかけるシーンが圧巻。
選択肢は2つじゃなく、景色は360度広がっているということに気づけて本当によかった。
「翼の翼はただ健やかにそこにあった」という言葉には涙が止まりませんでした。
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なぜ我が子のことになると、こんなにも苦しいの? ひとり息子の中学受験挑戦。塾に、ライバルに、保護者達に振り回され、世間の噂に、家族に、自分自身のプライドに絡め取られていく。過熱する親の心情を余すところなく描いた、凄まじき家族小説。
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中受母経験者としては非常に息苦しく、第二章まではいやいや読んだ。第3章からは涙涙。子どもには読ませたくない(苦笑
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親子の受験戦争
あらすじから相当な期待をしてよんだにもかかわらず、その期待を超える壮絶なお受験ドラマだった。
息子の成績に一喜一憂し過度なプレッシャーと期待が自制できなくなる親と、その期待に応えることでしか自分を保てなくなる子供の様子を母親目線で描くいていく。
存在だけで愛しいと息子を愛でながらも、次の瞬間には、成績や周囲の声に振り回され、愛おしいはずの息子に強い憤りを感じ激しく叱咤する。その繰り返しが息を呑むほどリアルで壮絶。
受験が近づくほど、視野が狭くなり、人生を偏差値の高い中学に行けるかいけないかでしか測れなくなっていく。その描写に大学受験の自分を見ているようで涙を出た。
『私立に行かないとホームレスになるかもしれない』という翼の言葉がとても印象的。
小学生にとって家族と塾は世界のすべてであって、そこで話される選択肢以外は脱落と思うのも無理もない。それがこの一言に凝縮されていた。
わたしはこの母親のようになるだろうな。過度なプレッシャーは子供の翼を折ると理解しながらも自分を制御できず、『将来の子供の人生のため』に教育ママになっちゃうんだろうな。
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林真理子さんの小説8050に続いて、一気読みしてしまいました。
小説8050の読後からすぐに読んだので、サイドストーリーを読んでいるかのような錯覚に陥りました。
翼くんがとても痛々しい。。。両親も幼くて、読みながら『あ~』『もう』と一人言を呟いていました。
受験という重圧がとても伝わってきて、ラストは私も翼くんママと一緒に吐きそうでした。
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昨今、中学受験の闇や、潰れてしまう子供の悲惨さばかりが取り沙汰されるが、小学生が高い目標をもって進んでいくその経験は悪いことばかりでは無いと思う。
この作品でも小学6年生である翼が、自分の実力以上のことを父親に強いられ、日々高い成果を求められながらもそれに応えられないという現実と、親に愛して欲しいという子供の切実な想いがうまく噛み合わず、親子共々絡み合うように堕ちて行く様が描かれるが、それが大袈裟ではなく実際にそういった家庭が実在している現実を思うと本当に切ない。
こういった小説を読めば読むほど、受験はスポーツに近いなと思う。
挑むのであれば、家族としての強い土台が必要だ。子供の希望を第一に、夫婦の認識をすり合わせつつ金銭的な事もしっかりシュミレーションする。そして「退くも勇気」という精神を忘れずに家族が一丸となることで、合否という結果以上に様々なものを得られる貴重な経験になるんじゃないだろうか。
こういった作品は戒めとして、色んな人に読んでほしい。
内容が内容だけに心を抉られすぎて、小説として面白かったのかどうかの判断が難しい。
希望のある中学受験が、世の中にもっともっと増えますように。
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8歳、10歳、そして12歳の翼少年の中受が描かれた1冊。よく描かれていて我が家のことも思い出しながら、心が張り裂けそうな気分で読み勧めました。
長男のときは親子ともども無邪気に始めてしまった。でもそれが長男の翼をもぎ取ってしまっていたかもしれない。幸いにしてうちは、家出したりそこまでなかったけど、知らず知らずに子どもを傷つけてしまったんだろうなーと思う。次男が4年生になって受験だなんて言ってるけど、どうせ勉強しないんだし、今度はもうやるだけやってみようか、とは言わない。
それはさておき、素晴らしい作品でした。
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愛してやまない我が子に、その輝ける未来ために、今の自分達に出来うる限りのより良いものを与えたい、と思いながら、なーんでか間違っちゃうのが親なんだよなぁ。
息子よ、いろいろごめんよ〜〜(^◇^;)
親も親になってから成長するわけでさ…。
でも、無事に?成長して、元気で、自活してくれてるので、まぁ良し!?
うん。離れてても、元気にしてくれてるのが、いちばんの親孝行だよ〜〜!!!
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自分自身の中学受験の経験と合わせて感じられる。
今はもう大人になったからか、自身の母と、この物語の母親の気持ちも少なからず推し量ることができ、さらに苦しい。物語の母親は、決して教育ママ的な立場では無く、むしろほんわりしたタイプ。父親は中学受験経験者で、実は失敗したと思ってるもののそれを指摘されるのは嫌だというタイプ。
母親、褒められて嬉しくなって上を求めてしまって、やんわり現状肯定しようも歯切れが悪く、一方で息子の友達の成長に焦りに嫉妬に醜い気持ちに覆われつつ…なんてところがかなり、リアルな部分も。
ちょっと泣いた
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中学校入試のお受験ドラマ。
何気に受けた全国テストの成績が良かったばかりに
受験の沼にはまり込んでいく家族模様が
痛々しくもリアルに描かれています。
いい学校を卒業することが
いい人生を歩めるかどうかは
永遠の謎であるわけだが
結局は子供本人の自覚力に
左右されてしまうので
親としての努力にも限界を感じざるを得ない。
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母親の気持ち、ほぼ共感。最後はさすがに行き過ぎだけど。
母親の言葉が想像以上に子供を縛り付けていることがあること。
子どもは自分で道を選ぶ。親は支えるだけ。
忘れないようにしたい。
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この母親の気持ちよく分かる。
だから先がどうなるのかがすごくこわかった。
子供自身がやっているようでも実際は親が操っている人生ってらどのくらいの人が気付くのだろうか。
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これは単に中学受験の話ではなく、教育虐待の話、だと思った。
受験に過熱する毒親。受験に過熱しすぎて狂った家庭。
読んでいてこんな親にはなりたくない、翼が本当にかわいそうになってくる。
ついには、父親が手を上げていて…げ、この家庭身体的虐待もしているのか。ここ辺りから読むのか辛くなる。
・自分の存在意義を子どもに見出している
・父、母という役割期待へのプレッシャーを感じている
・人に何か無理矢理やらされたことで成功した体験がある
・子どもをコントロールできると勘違いしている
そんな親が受験に過熱するのかなあ。
翼は結局一校だけなんとか受かったエンドだったけれど、結局そうやって入った学校でついていけなくなるんだろうなあ。
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いずれ自分の娘を中学受験させるべきかどうか、参考になるだろうかという思いで手に取った一冊。
第3章は涙しながら一気に読んでしまった。
自分を円佳に重ねて、まだ幼児の娘しか育てていないのに、その気持ちが痛いほどよく分かる気がした。
何にしても、親の自己満足のために子どもの人生を犠牲にしてはいけない、子どもが本当に幸せになれるには親はどうするべきなのか、そんなことを考えさせられる本だった。