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投稿者:kotep - この投稿者のレビュー一覧を見る
都内でモデルの女性が殺害された。そしてその後タクシー運転手、地域貢献を行う老人が次々とナイフで殺害される。捜査一課の田伏と長峰は3人の共通点を捜査するのだが、手掛かりは皆無であった。しかし、長峰の懸命の捜査で彼らの裏アカウントが発見され、彼らの共通項が一つ浮上するのだが・・・・・。
しかし、ネット上は危険がいっぱいですね。何気ない呟きや毒吐きが殺人にまで及んでしまうのですから。便利な世の中になったとはいえ、使い方次第でなんとでもなりますから、注意しないといけないですね。しかし、福島に対する誹謗中傷は酷いですね。
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震える牛、ガラパゴスを読んで以来ファンの相葉さんの新作。一見関連性のないようにみえた連続殺人事件の被害者達であったが、、
他作品同様に社会問題に絡めた作品となっていて関連性を見つける過程が緻密で面白かった。
途中で犯人像がわかってしまい面白さが半減したが、最後まで楽しめた。
3.6
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抜群のリーダビリティーで読ませる社会派サスペンス。SNSで失態を晒された中堅刑事とサイバー犯罪対策課の訳あり新人が連続殺人事件の真相を追うバディもので、毎度お決まりの展開と言ってしまえばそれまでだが、昨今取り沙汰されるネット社会の弊害を数多く取り上げている。私自身は学生時代にSNSがなくて本当に良かったと思うタイプ。ネットリテラシーと復興支援問題という二つのテーマが上手く融合し切れなかった印象は残るものの、東日本大震災を絶対に風化させないという著者の矜持を感じられる一冊。問題提起はし続けてこそ意義がある。
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SNS等の、ネット犯罪的な、(普通に、Twitter、LINE で書き込む事の簡単さと、事の、重要性に、全く無関心であり、拡散力の絶対性)怖さが、存分に感じられる作品。
現代の、社会問題を、取り上げたら、ピカ一の、相場作品。次が、早く読みたい。
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犯人の手がかりがわからず立て続けに4人も殺されるのも珍しい。
犯人の動機は東日本大震災によって、虐げられている福島や福島の人達を差別する人たちへの復讐。
SNSのトラブルで心を壊した田伏とITオタクの新米長峰のタッグにより犯人を追う
SNSの功罪、格差社会の現実を描くミステリー
今もいわれなき風評被害や差別に苦しまれている方々がいるんだと苦しくなった
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最近、相場英雄の社会派ミステリー作品の虜になってますが、本作もなかなか面白かったですね!若干ネタバレ的になりますが、風化しつつある東日本大震災の原発被害をベースとした、他の作品でもありましたが、それを風化させてはいけないという作者のメッセージがこめられた作品になっておりました。
まだまだ震災の爪痕は残っていると再認識させられました!
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東日本大震災から10年。
文庫本になった今も少なからずリアルにこの問題は残っていることを実感する。
この動機、小説だから成立するのだろうが、隠蔽された小さな埋もれた事件はいっぱいあるのだろう。
結末が、今の日本を象徴しているようだ。
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テーマはわかる。風化させないことはもちろん大事だが、3作目となるとお腹いっぱい。じゃあ読まなきゃいいじゃないってことなんでしょうけど...。中盤までは異色のバディものとして楽しめた。読後、この投稿ボタンを押していいのか迷う一冊。
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東京都内で連続殺人が発生。凶器は一致したものの、殺されたタクシー運転手やお年寄りに接点は全くなく、捜査は難航を極めた。過去のトラブルで心を壊したベテラン刑事・田伏はITオタクの新米・長峰と犯人を追うが、事件はインターネットを駆使した劇場型犯罪に発展してしまう……。SNSの功罪、格差社会の現実を描き切る。
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この方の作品を初めて読んだが、他の作品を読むことはないと思います。
1.フィクションとはいえ、警察が無能すぎる
2.ご都合展開があまりに目立ち過ぎる犯人捜査劇
3.主人公二人がまったく魅力的でなく、雑なシナリオ展開
4.犯人の殺人動機が名探偵コナンの犯人並みに酷い
5.現代社会の監視システムを舐めすぎてる犯行
6.異様なまでの福島描写、明らかに浮いているシーン
警察ものは好きなので良く読みますが、この作品に出てくる捜査員たちはシナリオの為に犠牲になった無能な人ばかりのようで、読んでいて全く面白くありませんでした。
ベテランが新米と組んで捜査に当たるのは良いですが、この二人にキャラクターとしての奥行きがほとんど感じられません。チェスのコマのように、作者が思い描く通りに淡々とシナリオを転がすためだけに動かされている様は、読んでいて虚しさを感じました。血肉を全く感じないんですよね…
しかし本当、社会派サスペンスで、劇場型殺人を行う犯人に対しあれほど警察が無能な捜査を行うとは、フィクションといえど信じがたいものがあります。そりゃ作中の指揮権トップも怒鳴りますよ… やたら民間から有益な情報は降ってわいてくるし… ご都合主義的過ぎて、不快でした。
福島の風評被害を抑え込みたいと願って、現代の暗いネット社会を使った物語を創作されたのかと思いますが、正直、事件とか絡めずに単なる福島ルポドキュメンタリーを作られた方がよっぽどマシかと感じました。
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一見関連のない河田光子、平岩定夫、粟野大紀が殺害され、田伏恵介と長峰勝利が捜査にあたる物語だが、IT技術の秀でた犯人にアナログ的な捜査を墨守する警察組織が苦闘する過程が楽しめた.幹部はサイバー捜査官として長峰を配置するが、ITオタクの行動に戸惑う捜査陣.全く手掛かりがつかめないなかで、長峰がそれぞれの人物の裏アカウントを探り当て、放射能汚染で格闘している福島への罵詈雑言を発しているという共通点を突き止める.福島に出向いた田伏と長峰はOBの猪狩啓司からヒントを授かる.SNSがここまで蔓延る現在の犯罪最前線を模写した作品だと痛感した.
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母から借りた本
・
東京都内で連続殺人事件が発生
だが、殺された人達に接点はなく捜査は難航する
過去のトラブルで心を壊した捜査官田伏とITオタクの新人長峰の異色コンビで捜査にあたるが全く糸口がつかめない中、事件はインターネットを駆使した劇場型犯罪へと発展してしまう
・
東日本大震災から10数年…
犯人がしたことは到底許されることではない
けど、こんな思いを抱え苦しんだ方もいるのかもしれない
風化させないよう警鐘を鳴らしている作品だと思う
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怪事件に挑む捜査員達、現代社会の問題、その現代社会の中で生きる人達の問題、そういうようなモノが交錯し、所謂「ミステリー」の枠を踏み出した、独自な大きな存在感を放つ小説かもしれないと思った。
冒頭、何人かの男女の日頃の様子を綴ったプロローグが在る。そして本編に入って行く。
本編冒頭、警視庁捜査一課の捜査員である田伏刑事が特捜本部の会議に出ている。中野坂上で25歳の女性が刺殺された事件の捜査会議である。事件発生から数日、捜査の進捗が芳しくない。捜査会議に捜査一課長の上田が現れ、捜査員達を督励する。その上田が田伏に声を掛けるのだが、田伏の事情が示唆される。事情で田伏は現場を少し離れていて、今般の一件で本格的な復帰ということになっていたのだった。
そうした中で田伏は所轄の若手、若宮刑事と捜査に勤しむ。女性の関係者に丹念に当たる“鑑取り”に勤しむ。簡単に事件に結び付くような情報はなかなか得られずに苦戦している。そこに若い捜査員の長峰刑事が連れて来られ、上田課長は田伏刑事に長峰刑事と組んで活動するように指示する。長峰刑事はIT業界から警察に転職してサイバー捜査の担当だったのだが、今般は現場に入るということになったのだった。
やがて高円寺で、45歳の男性が刺殺体が発見された。杉並区の警察署にも特捜本部が立ち上げられた。やがて視察に用いられた今日気が同じモノであるらしいということになり、2つの特捜本部が連携することになった。田伏と長峰のコンビは、両本部の中で遊軍となって動くことになった。
25歳の女性はモデル等をしていて、45歳の男性はタクシー運転手で、両者の関係性が判らない中で、同一犯による連続と見受けられる犯行である。事件の謎が深まる。やがてインターネットを駆使した犯行声明が出て、事件は劇場型犯罪の様相を呈し、更に被害者が生じてしまう。
現場を離れる羽目になった大きな“傷”を負ってしまった、40歳代半ばの田伏刑事と、警察官の世界とは違う背景で過ごして転職した若い長峰刑事というコンビが、事件の謎、犯人の意図を探ろうと奮戦する。「訳アリ」な故に特捜本部内でやや敬遠されるような空気感の田伏刑事と、他の捜査員とぶつかりそうになる独特な長峰刑事とは「水と油」のような感じで、戸惑いながら動き始める。が、次第に職人的な刑事の仕事を教えるようにして推理を巡らせる田伏刑事と、持っている知識を活かして独自の発想で事件の真相に近付こうとする長峰刑事は好いコンビニなって行く。
田伏・長峰コンビは残忍な殺人を続ける犯人の、犯行の背後に在る悲しみや怒りを次第に明らかにして行く。田伏も過去の「訳アリ」な一件を何とか乗り越えようとし、長峰も新たな仕事や出逢いの中で自身に向き合う。何か夢中になった。或いは?この田伏・長峰コンビが新たな事件に挑むような作品でも登場すれば読んでみたい。
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あらすじ
河田光子フリーのモデル25歳が背中などを5箇所刺されて殺害される。犯人は防犯カメラが少ない裏通りを現場にしていた。主人公田伏は捜査一課に復帰したばかり。今もガラケーを使いネットには拒否感がある。上司から長峰というサイバー犯罪対策課の若手と組むよう指示される。カレーはもともと民間のit企業のエンジニア。残業を嫌がり手間暇かけた操作を嫌がる。犯人から新聞社へメッセージが届き、事件はまだ続くと告知する。犯人は自らを「ひまわり」と名乗り、大手の新聞社ではなくネットメディアに連絡する。田伏は犯人から「ダメ刑事」と名指しされている。かつて誘拐事件を捜査していた際、誘拐された子供の友達に情報の拡散を依頼し被害者を死なせてしまった経緯があった。
被害者3人に共通するものは、福島への偏見だとわかる。さらに、犯人からのメッセージに東北の言葉が盛り込まれていた。今回の動機は、原発事故で被害を受けた地域、避難してきた住民に対する偏見であった。その後ひまわりはネットニュースの記者を殺害し、問題発言をした大臣にまで犯行の手を伸ばそうとしたが田伏らによって事件は食い止められる。
《感想》おそらく初めて読む作者。田伏のネットの扱いによる失敗。ネットでの裏アカウントを使った、人間の嫌な部分。震災後の福島への偏見・・・などいくつかの要素がポイントとなっているが、それが無理なく織り込まれていた。特に印象に残ったのは若者と田伏世代のネットでの使い方。それから被害者となったモデルも老人も裏アカウントで普段見せないくらい面を書きなぐっていたけれども、長峰の反応を見ると、今はそれが当たり前のことなんだろうか。むしろネットの方がいつか誰かに見つかるというリスクはないんだろうか。手軽なのかな。ノートや日記帳に書くよりかはスマートフォンの方が手軽に操作できるから凝り固まった悪感情を吐き出したい時なんかは便利なんだろうか。ストーリーと関係ないが、被害者となった人たちの生活も丁寧に書かれていたので色々考えてしまった。