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お互いがお互いに孤独を拗らせているから、幸せな家族になるまでの道のりが非常にもどかしかった。
両者の言い分それぞれが分かるだけに、視点が切り替わる度に「そりゃウォルドあかんで」「ウォルドの気持ち分かってやってよノスリ」と、読んでいるこちらの感情も右往左往する羽目に。
全体的にはウォルドの方が劣勢だったかなあ。
初対面時の最悪の態度が後々まで尾を引いたのは確かだし、精神面がノスリよりは意外にも幼かったので。
中身は愛してほしいと泣き叫んでいる子どものようだったから。
そこは、同じ孤独を拗らせていながらロイドがいてくれたノスリとの違いだろう。
それに、やはり母親の方が精神面は強い。
ノスリが愛情いっぱいに育てたのがよく分かるロイドが本当にいい子で。
素直で健やかに育ってくれていたことは、二人の懸け橋にもなった。
「子は鎹」という言葉をこんなに説得力たっぷりに感じようとは。
年齢の割に少し聡いので、不器用なウォルドにナイスアシストすること多数。
ロイド、本当にいい子。
それでいて、父親譲りの魔力もち。
それが番外編でウォルドにいらぬ心労をかけてしまうことに。
嫉妬が本当に酷い。
だから、ウォルドは内面愛情に飢えている子どもだから。
精神面はロイドに負けている部分もあるかもしれない。
お父さん頑張れ。
いっぱいすれ違って、のろのろと歩みを進めた二人。
結婚が決まってからの話は駆け足で、気付けばいろいろ日数経っていて最初は戸惑ったが、ちゃんと幸せいっぱい家族になってくれて安心した。
決定的なすれ違い部分を割と最後まですり合わせができないまま話が進んでいた部分もあったので。
その部分もちゃんとすり合わせてのハッピーエンド。
よかった。
番外編では、家族が増えるフラグも立った。
でもそうなると、わが子にノスリを取られて嫉妬するウォルドの姿も見えるわけで。
が、頑張れお父さん!
子どもは手がかかるからね、母親が子どもにかかりきりになるのは仕方ないんだ。
耐えるんだ、お父さん!(描かれていないことでいらぬ心配をする読者の図)