偽物アルファは執事アルファに溺愛される みんなのレビュー

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投稿者：やまだち　-　この投稿者のレビュー一覧を見る

あとがきによると「当社比最大級溺愛オメガバース」です。

ネタバレがあります。

●多賀谷虹の作品に救われアルファの重圧から逃れるため抑制処置を受けた担当編集兼マネージャーの元α攻め・實森侑一郎
● 十代でデビューしメディアにも出演する艶聞の絶えない売れっ子アルファ作家として振る舞うΩ受け・多賀谷虹
○受け視点、発情期と番外編は攻め視点

十歳のときにオメガと判明し、父から母とともに捨てられた多賀谷。そして心を病んだ母にアルファとして育てられ、以来ずっとアルファとして生きつつ、バース性の苦しみや夢を小説というかたちで表現していました。

そんなある日、多賀谷の女性トラブルに業を煮やしたマネジメント会社が、更生させるため編集・實森を送り込んできました。實森は執事のように完璧に世話をしますが、多賀谷はオメガだとバレる前に實森を追い出そうとしますが・・・

アルファ性を手放した攻めと、アルファと偽るオメガ受けのお話です。

實森に反発していた多賀谷が、少しずつ素直になって恋を自覚し、實森と番になる王道の展開。「巣作り」や「魂の番」と、オメガバース好きには嬉しいイベントもあります。

また實森のかわいいもの好きという設定や作品の舞台化が決まって泣いて喜ぶ姿に、アルファらしくないなと思ってしまいました。でもそれこそ「◯◯らしさ」という役割をおしつけているのだと気付くと、日常生活を顧みてしまいました。

イラストは奈良千春先生です。ふたりの恋のターニングポイントをカラー口絵で見事に描かれています。シャワーキャップなど、物語の可視化率100%です。