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待望の新作
著者は正しそうな常識、いわゆる「思考の憑き物」を、事実をもとにした根拠により落としていく。本書の大半は、クリティカルシンキングの実践例だ。といってもクリティカルシンキングそのものに触れるのは最後だけで、そこがまた粋だなと。
さて、クリティカルシンキングを身につけるためには、別に論理学の基礎的な習得が必要だ。そのための本の紹介もある。クリティカルシンキングにおいて自分を疑うことが必要な条件だが、論理学の習得も必要な条件である。そのための橋渡しをされていてとても助かった。
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氷河鬼が来る!の巻
哲学小僧はトロッコ問題で現実逃避するの巻
敵か味方か、出羽守の巻
匿名が諸悪の根源なのですか?の巻
議論に勝ちたがるひとの巻
妖怪自己責任は、自由には責任が伴うと囁くの巻
劇場版名探偵パオロ 万が一の魔術師の巻
夫婦別姓反対論は理由なき反抗の巻
憑きものとしての政治思想の巻
世にも奇妙な「反日」の巻
リベラル保守と憑きもの保守の巻
パオロ流クリティカルシンキング論―あとがきに代えて
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書店では哲学コナーに。まずは図書館本で、と読み始めたところ、結局、購入。2025年くらいに筑摩さんあたりで文庫が出そうと思うも、我慢できず。二見書房さん、買いました。
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物事をクリティカルシンキングで判断するように心がけることが大切。そのためには、「思考の憑きもの(まともな思考をくもらせたりジャマしたりする要素)」を落とすことが重要だと、11のテーマをもとに著者なりの実践例を紹介しています。
そもそも、クリティカルシンキングとは、「自分が常識と思って入ること、正しいと信じていることが、誤った前提や偏見で歪められていないかどうか、常に疑いながら、正しい客観的根拠と正しい論理によって、対処法や解決法を考える現実的な思考法」のこと。ただ、「正しい思考」は、正しい材料を揃え、正しいスタートラインから始めなければならないので、新鮮な材料を仕入れ続けるためには、自分は間違っているかもしれないと謙虚に認め、勉強を続けるしかないと説いています。そして、"長年自分のアタマの中に保存してある腐りかけの古い材料だけでマズイ料理を作って自慢気にふるまう人"について、痛烈に批判しています。
また、議論において勝つことに重きを置く人がいますが、そもそも議論とは事実をはっきりさせるためにするものであって、議論によって自分の間違いが明らかになったら、認識や行動を改めればいいだけのこと。正しい根拠と正しい論理をもとに考えるクリティカルシンキングを使って、勝ち負けでなく、事実に目を向ける勇気を出し、負けず嫌いという憑き物を落とすだけでも、もっと柔軟に前向きに、思考や議論ができるようになるとも説いています。
娘が図書館から借りてきてくれて読みましたが、イタリア人著書の翻訳本かと思いきや、著者は地方出身の50代日本人男性のようです。引用文献が週刊誌類なことも多く、また語り口もとても軽かったので、でたらめな大口を叩いているのかと読み進めましたが、最終的には納得できる部分も多く、途中で断念せずに良かったと思える一冊でした。
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クリティカルシンキングで思考の憑き物を落とすというコンセプトの本。
久しぶりにパオロ・マッツァリーノ氏の本を読みましたが、相変わらずの舌鋒の鋭さ、論理の頑健さ、そして事実調査の深度が素晴らしかったです。
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クリティカルシンキングで、思考の憑きもの(屁理屈や論点のすり替えなどが多かった)について一つ一つ考慮し、排除していけるようになろうよ、というコンセプトの本だと捉えました。
しかし著者の感性にわたしが追いつけず、屁理屈をずっと捏ねられてる感じがしてしまい、この評価にしました。(そういうコンセプトの本なので著者は悪くありません)
クリティカルシンキングを学べるかと勘違いし手に取ったのですが、哲学書のようでした。