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定性的でなく定量的に評価をしろといわれる社会で、数字の裏側を知るいい機会になった。
ありふれたデータに対して、疑問を持てるようになる。
ただ、大学の論文作成等でなんとなく理解はしていた内容なので☆4
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主張が数字として提示された時、つい思考停止に陥ってしまいがち。数字の誤謬や、“客観性”のベールに包まれ埋め込まれた“主観”を見破る作法について。統計学の略史もたどりながら、バイアスを排して数字と向き合う視点を『De Correspondent』の数字特派員が説いた一冊。
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数字を正しく用いるために知っておくべきことがわかる本です。
数字を使って説明すると、人間(の脳)は理解しやすいことがよく紹介されていますが、数字を都合よく切り取って使う説明や資料が多いのも事実です。
数字の客観性の限界、ビッグデータを使ったAIの落とし穴などを、実際の事例を紹介しながら教えてくれています。
数字を使いこなしたい人だけでなく、数字に騙されないようにするために、多くの方が知っておくべきことを知ることができる1冊ではないでしょうか。
【特に覚えておきたいと感じた内容の覚え書き】
「数字の本質は客観性。感情、間違った解釈、利害関係という3つの障害を乗り越える時に有効なのが、数字を活用すること。言葉は偏見や解釈の影響を受けやすいが、数字はあくまでも中立であり、現実をそのまま表現している。」
「数字には、物事の隠された姿を見せてくれる力がある。しかし、間違った期待を持つのは危険。数字はいつでも客観的だと信じ込まないよう注意する。数字を重視するなら、その限界も知っておくべき。数字は会話の結論ではなく出発点。数字をきっかけに、さらに問いを重ねる必要がある。」
「数字の裏には誰かの主観的な判断が潜んでいる。世の中には数値化できないものも存在する。数字が語らないものも多い。数字は絶対的な真実ではなく、真実を理解する助けになってくれるだけ。」
「数字とは、世界のあり方の原因であり、それと同時に結果でもある。現実の世界はずっと複雑だが、数字は現実を形作り、力強いメッセージを与えている。数字の支配を許すほど、数字は現実を変えていく。これが、現代のビッグデータ社会で起こっていること。」
「世界を正しく見るためには、ただ知識を増やすだけでなく、自分の心理も自覚しなければならない。自覚するには、自分の『感情』の自覚(思い入れなど)、『好奇心』が意外に重要(『反対』の意見に耳を傾ける)、『不確実』を受け入れる(全部わかることはない)、といった点に気をつける。」
「数字を正しく理解したいなら、推論の誤りを見つけることと、自分の感情を理解することが大切だが、最も大切なのは『この数字の裏にいるのは誰?』と自分に尋ねること。その人物が、結果に対して何らかの利害関係を持っているか考えてみる。」
→「数字」という定量的、客観的なデータがあることで、これまで人間はさまざまな対立を乗り越え、新たなものを生み出してきたことは事実ですが、数字は完全に客観的でなく、人間の「感情」「利害関係」といったものに左右されることを知っておかないと、支配されてしまいます。AIも完全に客観的ではなく、作った人間の「感情」が入っているようです。
【もう少し詳しい内容の覚え書き】
・数字は本来、客観的であるはずだが、それを扱う研究者の思い込みや偏見を反映していて、大きな誤解を与える力を持つ。多くの人が基準として活用している数字も、どこかの誰かが意味を与えたもの。相手が数字となると、それだけでほぼ無条件に信じてしまうことがある。
・一つひとつの調査に一喜一憂するよりも、総合的に眺めたほうが状況を���り正確に理解でき、個々の調査のバイアスを取り除く働きもあるかもしれない。
・数字を使うのは義務ではなく、1つの選択でしかない。「自分の権利」としてとらえる。数字を発明したのは人間。だから、数字をどう使うかも人間が決めることができる。
○数字は「人」を動かす(数が命を左右する世界の誕生)
・ナイチンゲールは、グラフを使って軍の死因と死亡率を示し、環境改善を要求した、グラフを使って世界を変えた先駆者の1人。19世紀に、人類史上初めて統計や数字が広く用いられるようになったので、まだ200年も経っていない。
・理由として、経済発展で経済が複雑になり、数字が増えて覚えきれなくなったこと(=「収集」の必要性)、「単位」がないと税金が取れないこと(=「標準化」の必要性)、問題の深刻さを理解し、解決のために平均などから情報から意味を読み取ることが重要となった(=「分析」の必要性)ことがある。
・数字の本質は客観性。感情、間違った解釈、利害関係という3つの障害を乗り越える時に有効なのが、数字を活用すること。言葉は偏見や解釈の影響を受けやすいが、数字はあくまでも中立であり、現実をそのまま表現している。
・政府から独立した統計を専門に扱う組織があれば、政治家が数字を悪用するのを防ぐだけでなく、正しい「真実」を広く知らせることもできる。しかし、数字には別の側面もある。人々の生活を向上させることも、破滅させる力も持つ。
○数字はご都合主義(「IQ」も「平均」も真実を語らない)
・数字には、物事の隠された姿を見せてくれる力がある。しかし、間違った期待を持つのは危険。数字はいつでも客観的だと信じ込まないよう注意する。数字を重視するなら、その限界も知っておくべき。数字は会話の結論ではなく出発点。数字をきっかけに、さらに問いを重ねる必要がある。
・数字の裏には誰かの主観的な判断が潜んでいる。世の中には数値化できないものも存在する。数字が語らないものも多い。数字は絶対的な真実ではなく、真実を理解する助けになってくれるだけ。
・知能のような抽象的な概念を標準化するには、その過程でいろいろな選択が必要となる。最初のステップの標準化が重要。数字は客観的なもののようで、その裏には「主観的な決断」が隠れている。最初のIQテストでは、「ないもの」を計測する、「主観」が否応なく混ざる、「かぞれられるもの」だけで考える、「たった1つの数字」で語られる、「出てほしい結果」に寄せる、という選択が見られた。
○サンプリングの罠(「異常な集団」が人類代表になる)
・サンプルを扱う際、①「状況」か「質問」に問題がある、②ある「特定の集団」が排除されている、③インタビューの「対象」が少なすぎる、④「回答」を拒否する人が多い、⑤「誤差」が無視される、⑥研究者が「ある結果」を望んでいる、という6つのパターンの致命的な間違いが起こる。
○人は「因果関係」と「相関関係」を混同する
・ただの偶然、「大事なこと」が欠けている、「原因」と「結果」が逆、という3つのタイプで、相関関係が因果関係と勘違いされやすい。
・科学とは、個々の研究ではなく、研究の積み重ね。研究者はそれぞれ違う人間で、バック��ラウンドも違い、思わず見落とす点も、興味の対象も違う。さらには、計測、データ収集、分析の方法もそれぞれ違う。それでも同じ結論に到達するならば、「科学的合意」が形成されたと言える。
・科学的合意があっても、すべての科学者が同意しているという意味ではない。反論する研究者もいれば、研究で違う結果になることもある。科学の本質は疑問であり、何かを100%証明することはできない。科学の進歩とともに新しい知識が生まれてきたのは、科学者たちが勇気を持って、その時代の「常識」に挑戦したから。
○「ビッグデータ」は疑わしい
・ビッグデータのアルゴリズム(分析のための計算や処理)は、すでにかなりの力をつけており、いろいろな場面で使用されつつあるが、数字にすべて決めさせるのは危険。データ万能主義者が犯す致命的な間違いの1つは、「データはつねに真実を伝えている」と信じること。
・アルゴリズムには、「あらゆる事象」を数値化するのは難しい(未来の出来事の「予想」は、抽象的で難しい)、ビッグデータの「出所」が怪しい(多くの情報に、本人の同意がない可能性あり)、「因果関係」がどうでもよくなる(判断が属する集団に左右される「偏見」)、といった「穴」がある。
・数字とは、世界のあり方の原因であり、それと同時に結果でもある。現実の世界はずっと複雑だが、数字は現実を形作り、力強いメッセージを与えている。数字の支配を許すほど、数字は現実を変えていく。これが、現代のビッグデータ社会で起こっていること。
・どんなに信頼できるデータを集めても、どんなにAIが進歩しても、アルゴリズムは完全に客観的ではありえない。この事実を忘れると、たまたまコンピュータの才能があっただけの人たちに、モラルの判断をすべてゆだねることになってしまう。
○数字はときに感情的
・数字の解釈には理性だけでなく、実は直感や感情も大きく関わる。科学者が自分の偏見や思い込みの影響を受けることも多い。それは、数字の消費者である私たちも例外ではない。
・世界を正しく見るためには、ただ知識を増やすだけでなく、自分の心理も自覚しなければならない。自覚するには、自分の「感情」の自覚(思い入れなど)、「好奇心」が意外に重要(「反対」の意見に耳を傾ける)、「不確実」を受け入れる(全部わかることはない)、といった点に気をつける。
・数字を正しく理解したいなら、推論の誤りを見つけることと、自分の感情を理解することが大切だが、最も大切なのは「この数字の裏にいるのは誰?」と自分に尋ねること。その人物が、結果に対して何らかの利害関係を持っているか考えてみる。
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入社式で与えられた図書
言っていることは大切だけど、割と昔から言われてることの繰り返しだったなという印象で大きな学びは得られなかった。ただ、いろんな事例が次々と紹介されていくので言ってることはすごくわかりやすかった。
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朝起きてから夜寝るまでに、何らかの数字に触れて生きている。テレビ、ネット、本など、見聞きしていれば、数字の洪水に巻き込まれておぼれそうになる。
今回の本は、「数字の裏にある物語のほうが、数字そのものよりもずっと興味深い」として、数字専門の記者として働いている著者が書いた本だ。
「相手が数字となると、ただ数字であるというだけでほぼ無条件に信じてしまっている」し、私たち「数字の消費者」は、あまりにも簡単に数字に影響され、だまされると指摘している。
数字が当てにならないと言えば、去年の衆議院議員総選挙の世論調査だ。マスコミは一様に、自民党の議席減少、立憲民主党の議席増加と予測していたが、結果は逆だった。自民党の単独過半数獲得、立憲民主党の議席減少だった。
この世論調査には、世論調査でカバーしきれない層、例えば若い世代の意見が反映されていないからという見方もあった。
選挙と言えば、2016年の米大統領選挙はメディアが予想を大きく外して話題になった。共和党候補のドナルド・トランプは、民主党候補のヒラリー・クリントンに敗れるというメディアの予想を覆して当選した。
著者は世論調査で使われる「サンプリング」という手法は、数字の裏に存在して、選ばれたサンプリングは、私たちが世界を理解するレンズの役割を果たしていると述べている。
サンプリングは「味見」であると書いているが、味見する素材が天然か加工かによって結果が変わる。
数字に振り回されないようにしたいが、その裏にある物語にたどり着いて理解する必要があるので大変だな。
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人間の人生で幸福度が大事と判断したのは私・幸福は数値化されるべきと判断したのも私
数字=研究者の思い込みや偏見を反映しているだけ 数がそれだけで真理に見える
ナイチンゲール クリミア戦争1854年 トルコのスクタリ(ユスキュダル・イスタンブールの東) 陸軍病院の死亡率は一般病院の2倍・グラフで説得
比較すれば正解に近づく
IQは国によって違う・英語がわからない人に英語でテスト
GDPは第二次世界大戦店前に発明 爆撃機も経済のためになる存在 政治的な思惑から生まれたもの・自然法則とは何も関係ない・不景気をなかったことにできる
GDP=重要だと思う事を計測する→計測された事実が重要になる
IQは誰が質問するかで変わる マサイ族イヌイットが作ったテスト→鳥を撃つ最適な方法・越冬用のピクルスの作り方…我々は散々なの点数しか取れないだろ
チャールズグッドハート グッドハートの法則→数字が目標になるとその数値はあてにならない
「救急外来は4時間以内に診察しなければならない」→病院に入れず救急車に乗せたままにする→数字だけ見ると質が向上したことになる
GDP 人はランキングしたくなる GDPは単に生産を表す数字
2016年11月トランプ勝利→メディアの報道が意外なものだっただけで、数学的にはトランプ勝利は想定内
セックスに関する調査→回答者は嘘をつく
質問が誘導になっている→インドのブラックマネー 1インドにブラックマネーが存在すると思うか?2汚職とブラックマネーを一掃することは必要か?3500ルピー札1000ルピー札を廃止する決定についてどう思うか?→ノーと答えられない
1940年代 大統領選挙予想 割り当てを聞きやすい人に聞いていた調査員→適当に針を刺したほうが正確
特定の集団に属する1万8000人よりも無作為に選んだ400人から話を聞く方が正確
得票率5%が10%になった→×5%伸びました 〇得票率が5%ポイント伸びましたと言わなければならない
2004年映画 リーアム・ニーソン「愛についてのキンゼイレポート」
人は因果関係と相関関係を混同する
こうのとりと子だくさん 乳がんの生存率(手術と温存療法)→そもそも健康状態が悪かったことが原因かもしれない
1970年代タバコ業界 ゴールデンホロコースト→若い男性に将来タバコを吸わせることが狙い 御用学者による理論
世界の平均気温 0.2度上昇→見せたグラフの縦軸がマイナス10度から110度☆エクセルで表の作り方を勉強することR05-02-19
ビックデータ→アルゴリズムが決めたもので溢れている現在 クレジットスコア信用情報
昔のアルゴリズム・昔の銀行家 黒人の犯罪者は白人より多い!ユダヤ人だからお金に汚い!→偏見、レイシズムだらけ☆昔の人の手による判断だって当てになるか不明・現在のAIの方がマシ
利害関係に注目する→この数字の裏にいるのは誰か?
常に自分に尋ねる→データはどう収集されたのか?
どのように分析されたのか?→偶然か、他の要素が関係しているか、原因と結果が逆になってる可能性はないか。
数字がどのように定義されているか?→資金、具体的な数字、ランキング、グラフ…
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途中までは、
「いやー、そうそう。大事大事」
と言いながら読んでました。
仕事に役立つことも多い。
でも、途中から飽きてきた笑
なんでやろか?
洋書あるあるやな。自分の中では。
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図書館で借りたものなので、保管できないけど、時折クスクス笑いながら楽しく読める教養本だったので★4つ。
数字は、世界で一番読まれている言語だと書かれていてものすごく納得。
正しい数字の理解の仕方は得られないかもしれないけど、間違った解釈を避けられるヒントがいっぱい載っているように思った。