紙の本
雨月物語が生まれるまで
2023/06/20 10:16
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:nekodanshaku - この投稿者のレビュー一覧を見る
まだ読んだことはない「雨月物語」をモチーフにした物語。上田秋成、そして同居人の雨月という幼馴染、鳥獣戯画から飛び出したような妖ウサギの二人と一匹が物語の主人公である。読み終えてみれば、怪奇な話に切なさが染み渡る。生きる者の業に比べれば、死者なぞ可愛いものさとつぶやく妖ウサギのの言葉は、魁夷が人の情念によって生み出されたものだ看破するのに等しい。人は思いのまま行きたいと思いながら、大切な誰かを守るため、意のままに生きることをあきらめるのは当たり前なのだ。しかし、そうではないと訴えかけているのがこの物語。
電子書籍
久々の繊細さと凛とした美しい作品でした
2022/01/28 00:33
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:plastickkk - この投稿者のレビュー一覧を見る
いかにも女性作家らしい、繊細で、かつ途中の緩みもない、久しぶりに楽しめた佳作でした。
秋成と雨月の掛け合いは、私の大好きな夢枕獏さんの清明と博雅の関係に似て、物語に引き込まれました
投稿元:
レビューを見る
幼馴染の秋成と雨月は、人間の言葉を話す兎との出会いから様々な変事に巻き込まれ――。直木賞作家が『雨月物語』を再解釈! 切なく幻想的な連作短編集。
投稿元:
レビューを見る
紅蓮白峯/菊女の約/浅時が宿/夢応の金鯉/修羅の時
磯良の来訪/邪性の隠/紺頭巾/幸福論
秋成と雨月どこかで聞いた二つの名前??
妖兎の遊戯と二人は不思議にであって行く。
ああ あの物語……脳内イメージがふくらんでいくふふふ
投稿元:
レビューを見る
私は伝記的小説がとても苦手なのだが、この小説は、人ではなく、対象の人物が著した小説がモチーフになっているところが良かった。
人にスポットを当ててしまうとどうしても、事実と物語性とに違和感を感じてしまう。
けれど、この話ではそう言った違和感なく物語として読めた。とても楽しかった。
投稿元:
レビューを見る
有名な雨月物語
脱稿から刊行までの空白の8年間
諸説あるものの謎である…らしい
秋成と雨月、話す子兎と共に雨月物語になぞらえた9編の怪異話
西條奈加さんが創り出した空白の8年の物語
流石です西條奈加(^^)
やはり暖かく、心に沁みる…
昔々、雨月物語がこんな風に作られたなら素敵♪
投稿元:
レビューを見る
202112/予想よりファンタジー色あったけどぞっとしつつも悲しみ感じる面白さで西條奈加らしい物語だった。
投稿元:
レビューを見る
雨月物語を題材にした物語。
なるほどーと、面白かった。
あくまでフィクションなんだけど、つい「本当にこうだったのかな」と
錯覚してしまうほど。
「遊戯」が可愛い。
投稿元:
レビューを見る
短編連作にしても、どうにも似たような話ばかり続くな……?と、思っていたら、なるほど、「雨月物語」がベースになっていたわけか、と納得。「吉備津の釜」のクライマックスシーンくらいしか覚えていないために比較を楽しむなんてことは出来ませんでしたが、「雨月物語」をしっかり読んでいれば、全く違った印象や驚きをもって読めるんだろうなぁと感じました。和歌や古典に通じていれば、またしかり。己の浅学ぶりが勿体ない一冊でした。
とはいえ、何も知らないなりに違和感を覚えながら読み進んだ先の、最後の二編での伏線回収は実に見事です。
そしてウサギの遊戯が、偉そうで生意気な態度といい、所作といい、とにかく可愛い……もふりたい……(笑)
投稿元:
レビューを見る
『雨月物語』というのをモチーフに作られた物語らしい、、というのを終盤になって知りました。
もともとの話を読んだことないので妖物語として読んだのですが、ストーリーはおもしろかったです。
雨月の正体が分かった時はぞくっとしました。
所々に和歌とか古文みたいなのが出てきて詳しく説明もしてくれてるのですが、、
ちょっとむつかしかった印象。
雨月物語を知っていて和歌や古文にも興味があったなら、もっと楽しめる作品だっただろうなー。
投稿元:
レビューを見る
まともに読んではいないが、雨月物語を題材にした作品。
それぞれの話は不思議な世界観とを醸し出している。
最後に物語全体の謎が解けます。
解説を読んでなるほどと思った。元の雨月物語も読んでみたいと思います。
投稿元:
レビューを見る
ずっと雨月物語の骨格を用いた同姓同名の登場人物によるオマージュ的な作品だと思って読み進めていた。
それだけでも充分に趣と不思議な色気がある作品だと感じていたのに、最後の最後でまさかの展開に。
同じ手法は使えないだろうことを考えると、この先も西條さんの代表作の1つとして評価されるであろう素晴らしい作品でした。
直木賞も納得です。
投稿元:
レビューを見る
上田秋成を主人公とした物語。いやその友の雨月と妖の兎の遊戯が視点の中心になっているかな。その辺が最後のどんでん返しに繋がっていくのだけれど。様々な怪しい出来事に3人は遭遇し、それが後に雨月物語になっていく。ふーんと思いながら読んでいくと最後にそれらの物語が意味を持って輝いてくる。なるほどなあ、西條奈加さん、上手いなあ。自分とはなにかとちょっと考えさせられたよ。
投稿元:
レビューを見る
2022/12/12
910||サイ (3階文庫)
がさつで人情味あふれる秋成と浮世離れした雨月。
雨月には不思議な力がある。兎の姿をした大妖怪「遊戯」との出会いから、
強い欲や想いにおぼれ、人の道をはずしてしまった者たちが悪霊や妖しとなって起こす奇怪な出来事に巻き込まれていく。
『雨月物語』をモデルにしたとても幻想的でちょっと怖くて切ない物語。
投稿元:
レビューを見る
雨月物語の生まれた時間だろうか、こんな風に作れるものか。出だしから不思議な感じでしたが、雨月が実在していないのは分かったけど何者かが分からず、しゅうせいがお前自身だと聞かされて、なるほどそうなのかというか、だいぶ捻っているし。一人芝居だろうか、えっでもなぁ子ウサギがいたし、本当に不思議。違う西條奈加さんに触れたかな、昨年の受賞から物凄い勢いで出版して物凄い勢いで購入して追いつかない。最初に善人長屋で、そこからだもん