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ビジネス、経営にとっての生命線である資金確保で大事なことを学べる本です。
タイトルだけ見ると衝撃を受けることがあるかもしれませんが、言いたいことは、借金(=融資を受ける)ことは、悪いことではないということです。
税理士として、企業の資金繰り支援などの豊富な経験を持つ著者が、融資の重要性や、効果的な受け方などを教えてくれます。
多くの経営者、特に、創業して経験が浅く、融資を受けたことがない方や、これから創業しようと考えている方が読むと、資金確保の重要性とその方法を知ることができる1冊ではないでしょうか。
【特に覚えておきたいと感じた内容の覚え書き】
「プライベートの感覚では、借金を繰り返す人は信用できない人だが、ビジネスの世界ではこれが“逆転”し、借金を繰り返せる人が『信用力が高い人』になる。銀行の主な売上は、お金を貸し付けることにより受け取る利子。お金を貸して、それに利子をつけてしっかりと返済してくれる相手を常に探している。しかも継続的に、できるならその額がどんどん大きくなるよう望んでいる。それが“信用”という言葉に置き換わる。」
「金融機関からの借金は、見方を変えれば、金融機関が企業の株を買い、投資をしているのと似ている。形こそ融資だが、継続的に貸付を行い、その利子で稼ぐと考えると、株式投資とその配当の関係に非常に近い。借金の完済は、銀行にとっては、継続的な利子収入がストップすることを意味する。」
「銀行が融資という形で資本注入を絶えず行い、事業を拡大するように促すのは、どんどん利益を積み増していく構造、サイクルを作ろうとするため。それは絶えずお金がお金を生み出していこうとする、内在的な力によって付き動かされている。そのサイクルに乗れば、銀行は自ずと資本を適宜注入する。」
→銀行から受ける融資は、株を銀行に買ってもらうのと同じ、という説明は、私にとって非常にしっくりします。相手にとっても投資となるお金は、受け取っておいても何も悪いことはありません。無借金経営は、ずっと続けられれば理想ではあるのかもしれませんが、それを目標にするより、現状での経営資源確保の最善策は何かを考え続けることが大事なのだと思います。
【もう少し詳しい内容の覚え書き】
・常に出口戦略を見据えて経営を行うことが重要。借金とキャッシュ+資産の合計が同額かそれ以上であれば、事業を続ける限り借金を続けてよいし、いつでもやめることができる経営でもある。だからこそ、借金を恐れず、さらにお金を借りて事業を拡大することもできる。
○なぜ借金は「返さなくてもいいお金」なのか
・目先のちょっとした出費や借金に惑わされず、つねに、「それによってどれだけのリターンが得られるか」を考える。「借金を避ける」選択によって、大きな利益を上げることができたはずのチャンスをみすみす逃してしまうのは、まさに機会損失。お金が貯まるまでの時間が節約でき、選択肢(機会)を増やせる。
・プライベートの感覚では、借金を繰り返す人は信用できない人だが、ビジネスの世界ではこれが“逆転”し、借金を繰り返��る人が「信用力が高い人」になる。銀行の主な売上は、お金を貸し付けることにより受け取る利子。お金を貸して、それに利子をつけてしっかりと返済してくれる相手を常に探している。しかも継続的に、できるならその額がどんどん大きくなるよう望んでいる。それが“信用”という言葉に置き換わる。
○融資=増資!「他人資本」が会社を大きくする
・金融機関からの借金は、見方を変えれば、金融機関が企業の株を買い、投資をしているのと似ている。形こそ融資だが、継続的に貸付を行い、その利子で稼ぐと考えると、株式投資とその配当の関係に非常に近い。借金の完済は、銀行にとっては、継続的な利子収入がストップすることを意味する。
・銀行が融資という形で資本注入を絶えず行い、事業を拡大するように促すのは、どんどん利益を積み増していく構造、サイクルを作ろうとするため。それは絶えずお金がお金を生み出していこうとする、内在的な力によって付き動かされている。そのサイクルに乗れば、銀行は自ずと資本を適宜注入する。
○正しく借りる金融機関との付き合い方
・付き合う銀行はできれば3行がベスト。1つは創業資金から付き合ってくれる政府系の日本政策金融公庫、あとの2つが民間。狙いは、競合させることで、こちらが多少でもイニシアチブを握れる点と、借りた時期をずらして、順番に「借りて返す」という資金の循環を作れること。
・新規で取引金融機関を増やす場合は、飛び込みで行くのは避ける。ベストは税理士からの紹介、それ以外でも、商工会議所や経営者とのつながりの中で、主要な人物に紹介してもらう手もある。付き合いが始まったら、変に隠し立てせず情報開示し、不義理をしないのがポイント。
・金融機関と良い関係を築くための基本は、①自分の会社の状態を数字で客観的に把握している、②その上で会社をどうしたいというビジョン、目標を明確に持っている、③それらを常に銀行の担当者にアピールする、の3つ。4半期ごとなど定期的に、それらを経営者自らがまとめ、渡すのもよい。人任せで作らず、自分で作って、自分が状況を把握するのがポイント。
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銀行からの融資は信用力が高くないと受けられない好循環サイクルを生む、というのが全体の結論の本。
特にキャッシュフローの重要性を問うているため、安定的な収益を生む可能性が高いビジネスモデルの構築が前提になってはいるが、どの企業も永続的に反映させるためには当然の話なので、タイトル通り安定な収益を生む前提であれば借金は「いつでも返せる状態にしておくのであれば」返さなくて良いお金になる。
融資担当者とのつながりや、キャッシュフローが良好ではないと融資を受けられないので、そのあたりを前提に読むとすんなり入ってくる本だと思います。
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他人資本の重要性を説いた本。
それよりもこの方が士業を営んでいなかったらどうなっていたかと思った。
融資が付いたのはもちろんこの方の経営がうまくいったからではあるが、士業の信用力、競合がいないところでシェアを奪うポジショニングなどの要素のほうが大きいと思う。
借金に悩んでる企業は成長性がなく、その借金さえもすぐ遣わざるいえない企業だと思うので、本書の話は一部の成長企業にしか当てはまらないと思う。
だがそのような成長企業は他人資本の大事さを既にわかっているから、成長しているのであってこの本の考え方を既にもっていると思う
著者の融資の条件はわからないが、基本的に売上がある程度たってくると経営者個人の連帯保証もいらなくなってくることもある。
著者は全てのステージで連帯保証を求められたのか?
もし違うなら借金をすることは良い経営判断だが、連帯保証のある借金を借りられるだけ借りるのも経営判断としても良くないと思った
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良い借金の仕方と苦しい借金の仕方がイメージできた
普段からの金融機関との交流、社長レターの具体例など、とてもわかりやすかったです。
公門式キャッシュフロー経営も、ひと目で分析ができて良いですね!
勉強になった箇所
・借金と、キャッシュフロー+資産とのバランス
・気にするべきは清算BS
・社長レターとその具体例
・公門式キャッシュフローと根拠のある売上高の目標設定
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★ 途中で読書中止