投稿元:
レビューを見る
【恋愛小説の名手が描く「女の深淵」】人はどうやって女になっていくのか? 太宰治の傑作『人間失格』を下敷きに、「女性だからこそ覗き込む深淵」を照らし出す意欲作。
投稿元:
レビューを見る
書店で吸い込まれるように手に取った作品。帯の強烈な一句に惹かれて一気読み。ですが、自分を知っている人にこれを読んだことを知られたくはないですね。
というのも、私も同じように感じることが多く、もしこの本を読んだら何かわかるかもしれないと思ったから。
結論から言うと、答えは出なかったけど、私が感じるあれこれは生きている限り、続くだろうし、けっして救われることはないけれど、否定できないものってわかったのは大きな収穫だと思います。
主人公同様、結婚しても私は変わらなかったし、私の場合子どもを産んでも変わらなかった。どこまでも女性であることからは逃げられないし、結局寂しさは寂しさでしか埋まらない。寂しくなるってわかっていても、そこに吸い寄せられていく人間が一定数いるんだなあと思えば、まだ生きてていいのかなと思いました。
あー生きるのつら。
投稿元:
レビューを見る
本書は、太宰治の『人間失格』を下敷きにした、ある女性の赤裸々な告白だ。
『人間失格』の内容は定かに覚えていないが、手元のkindleにダウンロードして確認すると、主人公の名前や書き出し(これは覚えていた)、構成まで同じだった。もちろん時代や設定は違うので、単に性別を変えただけの安易な物語ではない。“性差”という絶対的な(最近はそうでもないが)ものを基準にした生き方を描いた作品、だろうか。
正直なところ、あまりよくわからなかった。
投稿元:
レビューを見る
結婚について、「男と女が為すことですから、これはもう、過ち以外の何物でもないでしょう。」「人間同士が為すことだから、その行為自体が過ちである」という言葉がとても印象的でした。
投稿元:
レビューを見る
女であることを巧みに振る舞う主人公、葉湖。ねっとりした女の性が鋭く突き刺さる物語。作中に登場する津島が太宰と重なった。葉湖同様、ハピでもアンハピでもなく、いっさいは過ぎていくのだろう。
投稿元:
レビューを見る
『人間失格』へのオマージュ作品
読み比べました
構成はそっくり
しかし『人間失格』の葉蔵が対人恐怖を隠すために道化を演じ酒に溺れて人間性を失っていくのに対し、『女性失格』の「葉湖」は寂しさを隠すためにいい子を演じ男に尽くし裏切られ「女性」であることを失っていく
壊滅的物語でした
投稿元:
レビューを見る
どうかなあ。
あんまり、女性の性にたいして考えてないのかな?
オマージュだから仕方ないのか⁉️性について深く考えるような、そんな本を期待したので残念‼️
投稿元:
レビューを見る
題名通り、太宰治『人間失格』のオマージュ。
どうしても好きになれなかった…。
全てにおいて全く共感どころか理解できないし、終始イライラ。この気持ち、何かに似てる…と思ったら『人間失格』に触れたときに感じた気持ちだな…(笑)
本の装丁はめちゃ綺麗で出版社の気合を感じる。
これ、お金かかっただろうな…。
----------
良夫という人は、わたしの本性をまったく理解していないのです。
愛想がいいのも、よく気がつくのも、必要以上に他人に気を遣っているのも、わたしの愛想はまったくよくなくて、まったく気がつかなくて、他人を恐れているからそうなっているのであって、わたしは所詮、人嫌いな、孤独感の強い、自意識過剰な、いやな女なんだということを、良夫にはまるで理解できていないのです。理解してもらいたいと、思ってもいませんでしたけれど。でも、だからこそ、わたしは、良夫という男が好きでした。わたしの本性をまるで理解できないような人だったからこそ、わたしは彼と一緒にいると、自分がまるで
投稿元:
レビューを見る
すごく賛否両論な本だということを、読み終えてブクログを見て感じた。
個人的には共感するところも多く、面白かった。
(私も母親なので共感するのは良くないのでは、とも感じてしまったが。)
寂しさから人を寄せ付けてしまったり求めてしまったり、一度投げやりになったことが芋づる式に悪いことをひいてきてしまったり。
ある程度の貞操観念は身を守るために必須…
みんな良い人と言われるような面もそうでない面もあり、どちらを色濃く感じるかはその時々、捉え方だなとも感じる。
良い人に見られるだけなら割と簡単かもしれない。
他人の顔色を見てしまう孤独癖、わかる部分もあるが、それだけを煮詰めたような性格だとかなり生きづらそう、捉え方次第なのになと感じてしまった。
投稿元:
レビューを見る
小手鞠さんの小説は初めてで、予備知識もなくびくびくしながら読む。
感想を書くのが難しいけれど…『人間失格』は男性目線だが、この本は、確かに女性版の人間失格になっていると思った。太宰治を読んだときの、絡みつくような感覚にも似ている。
葉湖に共感できないという感想もあるようだったが(作者は別に共感されたいと思ってはいないだろうが)、女性なら、多かれ少なかれ同じような感覚はあるのではないかと感じた。そうでもないのだろうか?
投稿元:
レビューを見る
『人間失格』のオマージュなのかと言えば疑問です。主人公の葉湖は人間不信で孤独で、自分の嫌な部分を必要以上に嫌悪しながらもひた隠し、他人からはよく気の付く良い子だと思われるように振る舞う。私自身も彼女ほど極端ではないけど、遠からずと言ったところです。それより、悲しみや孤独、人の痛みをあまり気にもせず、まわりにチヤホヤされながら、のほほんと生きている女性の方が「失格」なのではと感じてしまう。そんな私もやっぱり「女性失格」なんでしょうか。
投稿元:
レビューを見る
年始早々に読んで、ちょっと暗くなってしまった。
女性版「人間失格」って感じです。
この本の主人公は実在の人物なんでしょうか?
告白文でストーリーが進んでいくのですが、かなり自分に酔いしれてる感じが見受けられます。
これは重度のこじらせっぷりですね。
彼女の根本的な考え方が”不幸”が元になっているんですよね。
”わたしはもっと不幸になりたかったのです。不幸には、幸福にはないような蜜の味があるのです。それをとことん味わいたい、不幸を突き詰めていったら、そこに何があるのか、何もないのか、何もなくていい、何があってもいい、男の胸の中で喉に息を詰まらせながら、わたしは不幸のもたらす快楽を貪りたかったのです。”(抜粋)
幸福を追求するのではなく、不幸を追求する。
何もかもが私の考えている事と真逆すぎて、理解できない。笑
しかし、これこそ「人間の性」なんじゃないかと思いました。
やりたくてやりたくて仕方ない。
誰かに止めろと言われても、求めずにはいられない。
理性が感性を止められない。
文章から「不幸」に対する情熱をみなぎるように感じられます。
人生の目標は必ずしもポジティブなものとは限らないのです。ネガティブなことで幸福になる人も一定数いる、というのを感じました。
「引き寄せの法則」っていうんですかね。
求めているものを自然と引き寄せるっていうあの法則、そのものの展開が繰り広げられているんですよね。
年明け早々にヤバイ本読んじまったな、って気もしたのですが、これはこれでいい勉強になりました。
「人間失格」を再読したいなぁ、という気持ちにもなりました。(この小説と対比させたい)
何はともあれ、やっぱり私は幸福を追求したい!です。
投稿元:
レビューを見る
とんでもない女の話なのだろうと読んでみたけど、共感できる所も多かった。
いつも寂しいような、結婚した時にもう寂しさを感じなくていいと思った、結局男も女も自分が可愛い…
小さい時から人間不信だった葉湖が良夫と結婚して幸せそうな描写は、微笑ましかったけどな…
裏切りは本当に心を殺しますね…
葉湖さんは、実在されてて、もうお亡くなりになられてるのかな?
作家にはなれなかったけど手記が世に出た事は彼女にとってよかったのではないかな。