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タイトル通り、宿題に対する筆者の考え(基本的には批判)が書かれていた。本書は批判200P、提案30P、両方のまとめ(訳者解説)が15Pほどで構成されている。正直、最後の15Pだけを読んでも本書の概要は理解できる。
○宿題に対する批判的意見
・効果的だというデータがない。
・子どもは「やらされている」(受け身的)
・嫌々やっても身につかない。学習意欲↓
・できる子→やる意味がない
・できない子→時間がかかり負担大
・慣習化しており、あることに疑いがない。
どの意見も共感できる部分はあるが、やはり宿題があるのが当たり前であるので、「宿題をなくしても大丈夫か」という不安は拭えない。
ましてや現在は、「宿題がない=家でゲームする時間が増える」という子どもも多くいることが予想される。宿題をなくすことで、家族との関わりが増えたり自分の興味あることを学んだりする時間が増えるなら、宿題をなくすことにも積極的になりそうだが、個人的にはその効果はあまり期待できない…
そこで訳者解説の5日本の状況と本書の意義に挙げられている「自学自習」に重きを置いた活動を進めていくことには賛成である。(ある意味これも宿題の一つともいえるが)
現在、日本では漢字ドリルや計算ドリルなど、新しい学習内容を確認するための教材を扱っている学校がほとんどだと思う。そのドリルを「ただやらせる」のではなく、「何のためにやるのか」を子どもと共有(かつ納得)し、なるべく子どもが自分に合ったペースで進めていけるように手立てを考えることが大切。
子どもが「自分が決めてやっている」という当事者意識・主体性をもたせることが教師の役割ともいえると考える。
…何事にも共通するのは、目的意識を持たせるために「教師の語り」が大切だということ。その「語りの力」を高めていきたい。