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ハーラン・コーベンさん、初読み。
つまんな……、いやいや、合いませんでした(^^;
まず。詐欺です。普通にタイトル詐欺(笑)
このタイトルと表紙を見たら、この少年が出てくると誰もが思うでしょう。
でも、出てきませーん。
「ザリガニの鳴くところ」的な話を期待してる方も外れです。
実はこの少年。一切の記憶がなく、推定6~8才の状態で突然に森で発見されたのですが、親も住所も自分の名前も森にいつからいるのかもまるでわからないオオカミ少年状態。
その34年後のおっさんが主人公。
なので本来は、「その昔「森から来た少年」と言われていたおっさん」というタイトルにすべきでしょう。
邦題が勝手にいじくられてるのかと思いきや、原題もTHE BOY FROM THE WOODSなので、もう最初から狙ってますね。
俺でもわかる簡単な英語で良かった^^
人探しを知り合いの高校生に頼まれて、そこから事件に巻き込まれていく話。
主人公はもう一人いて、高校生の孫がいるおばあちゃん弁護士なんですが、これがもうパワフル。
敏腕で、自分のテレビ番組も持っていて、警察署長とのラブストーリーまである。
話の印象は、アメリカンアメリカンしてんな~、って思った。
まあ、アメリカの作家がアメリカを舞台にした作品を書いているんだから、そりゃそうかとも思うが、なんともいえない、うまく言えないけどアメリカ臭が強い作品でした。
あとね。せっかくのキャラを生かしきれてないな、とも思った。
主人公のおっさんは、森で発見された経緯があって、その後は里親に育てられて、特殊っぽい軍隊にも入って、もともと身体能力も高くて、現在も森の中で自作のエコハウスみたいなので暮らしているという癖の強いキャラなのに、作中は特殊な働きをみせるでもなく、まあまあ優れた調査員どまりの描かれ方しかしてないのがもったいない。
もっと、こう、なんか見せ方あるだろうさ~。
それで結局、最大の謎というか、読み手の最大の関心事でもあろう「なんでこの主人公のおっさんは34年前に突如森の中で現れたんだ?」という疑問はまったく解消されずに終わる。
いやいや、そりゃないでしょう。
タイトルにも「森から来た少年」なんて使っておいて、ほとんど触れずに終わり?
がっかりでーす。
600ページ近くあるわりには地の文が少ないせいかサクサク読めます。
筋書きは、ちょっとモヤっとした終わり方かなぁ。
そしてそれをカバーしようとするようなアメリカン的な展開を最後にくっつけた印象。
映画化意識かな。
まあでも評価の高い作品だし、本当に俺がへそ曲がりなだけで一般受けはしそうですよ。
ほら、あれ「自由研究には向かない殺人」とか、「ザ・プロフェッサー」とかが好きな人なら楽しめるのかもと思った。