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映画館で『ナイトメア・アリー』を鑑賞後に本書を読み始める。映画は、ほぼ原作通りの展開を描いていることを知った。
薄暗く湿度の高いじっとりとした空気が漂う小道に迷い込んでしまい、彷徨い続けることしかできない悪夢のような作品だった。小説か映画か、どちらが好きか問われてもこの作品は、どちらも好きだ。どちらも、最後の場面は同じシーンで終わる。映画の方が、少し先まで、主人公の反応まで描いている。どちらも強烈な印象を残すラストシーンだ。この最後のシーンを見たくて、再び映画を見たくなる、小説を読みたくなる自分がいる。読唇術、タロットカードの世界も探求してみたくなる。小説でも、映画でもタロットカードがとても印象に残る使われ方をしている。手品の種を知りたいのと同じ単純なものだが、文献を探してみたいと思った。
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野心を抱くマジシャンのスタン・カーライルは読心術の手ほどきを受け、コールドリーディングとマジックの仕掛けを駆使した降霊会によって観客を手玉に取り、のし上がろうとしていく。しかしそんな生活にもいずれは訪れる破綻。どこまでも深い闇に呑み込まれていくような作品です。
スタンの手際がとにかく見事です。仕掛けがあるのだろうと疑っていたとしても、これだけ見事な道具立てをされたら騙されてしまうだろうなあ……。だけどそれなのに、やはりうまくいかないときは来るのですね。それがタロットのカードになぞらえられ、不吉な予感とともに迫りくるのにはひりひりするような心地でしたが。残念ながら、そのころにはあまりスタンに好感が持てなくなってきてるところがなんとも(苦笑)。
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某ポッドキャストで某声優さんの語るこちらの映画が面白そうで、だけど観に行く機会を逃していたら、先日本屋さんでたまたま小説を見つけたので購入してみた。
翻訳本が苦手だということを改めて自覚した。
いや、たぶん前提知識がないことも問題なんだろうな。488ページ…読み終えるのが本当に大変だった。
まず、文章の主語がよくわからなくて、
誰が何を言っているのか全然理解できない箇所が多くあった。
なんとか想像で補いつつ、なんとか読み進めていたったけど、
いやぁ、あんまりよくわかんなかったなあ…。
とは言えラストはおおっ!てなったので、
読み終えてから最初の方をもう一度読み返してみた。
若く野心家のスタンが、見世物小屋からコールドリーディングの技術を取得し、大掛かりな心霊詐欺を経て、破滅するまでの物語。
全体的に退廃的で仄暗い印象の物語だけど、面白いところももちろんあった。
もう少し翻訳に慣れていて、前提知識を持っていたら楽しめたんだろうなと思う。