紙の本
紙の本であること。
2022/03/21 14:29
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投稿者:まるわれい - この投稿者のレビュー一覧を見る
長らく絶盤状態にあった諸作のほか、大友克洋氏の多岐に及ぶ活動の全てを収録した全集刊行はまずはめでたく。全41冊(予定)の端緒を飾るのが「童夢」なのは全くもって正しい、意義のあるセレクションである。
問題は本の保護カバーにビニール素材を用いた装丁にあるように思われる。外装保護用のビニールケース(SDG’sとは……)には「ゆがみ、割れ、破れ、色の変色等が生じる場合もございますが……(後略)」と表示されているが、このような注意事項を提示してまでするような装丁なのだろうか。
大友氏の活動を広く紹介することへの妨げとなるような過剰な包装には反対である。作品は間違いなく必読の大傑作であるがゆえになお一層気になるところである。評価点1点マイナスは装丁への苦言であると承知願いたい。
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コマ割りや構図の妙なのか、絵が動く。グリグリ動く。特にチョウさんとエッちゃんの対決の場面は映画を見てるかのように脳内で絵が躍動していた。
たしか過去にも何回か読んでいて今回10年以上ぶりの再会だと思うけど、また読めて良かった。
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読み返すのは久しぶりだが、双葉社の単行本で初めて読んだときのことは未だに覚えている。まさに衝撃としか言いようがない体験だった。
今回、全集に収録されるにあたり、双葉社の単行本では割愛された連載時の扉絵と2色カラー(そういえば最近、漫画の2色カラーって無くなったなあ)が復活。3話冒頭は2色カラーでより衝撃的な画面に。
しかし、この感じだと「AKIRA」の扉絵も期待して良いんだろうか?(というか、「AKIRA」は単行本バージョンと連載バージョンの両方を入れても良いぐらいだ)
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懐かしい。昔読んだことのある漫画だ。大友克洋さんの作品。
今となっては、手に入りにくい状況だった。思わず購入してしまった。
大友さんの作品が全集になって順次発売されるとのこと。
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初読は子供の頃。
普段、マンガなんか読まない父が、「SF大賞獲った凄いマンガだから読んでみ、パパは感心したよ!」と、小学生のアタシに渡してくれたんだった。
当時、「なかよし」や「りぼん」などの少女マンガにしか免疫が無かったアタシは、かなり衝撃を受けた。
以来、幾度となく読み返して、初版はボロボロ。今回、全集が出ると知って買い直したが、巻末に、著者による作品が生み出された背景的な解説もなされており、満足の一冊だった。
再読してみて、無駄がない構成と、アニメを見ているかのような「動き」を感じさせる表現に改めて感じ入った。
私的には、最もエモーショナルだと感じたのは、吉川くんを、知的障害のある巨漢のヨッちゃんが抱えつつ、咆哮しながら、崩れゆくコンクリートもろとも落ちて行くシーン。何回読んでも、ヨッちゃんの凄まじい哀しみが迫り、圧倒されます。
言葉や説明が一切、無いのにね。
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今月から刊行が始まった大友克洋全集の第一弾。
長く絶版状態が続いて電子書籍もないので、20年ぶりくらいの再読。
模倣されまくって新鮮味はないかと思いきや、全然そんなことはない。大友克洋の作品をひとつ挙げるとなれば、AKIRAよりこちらを選ぶ人も多いんじゃないかと思う。絵の構図と迫力は確かにAKIRAより童夢なのは間違いない。
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ジャンルの元祖が40年以上に渡り
頂きに座してるという信じられない事実が、
読んだだけで理解できる嘘みたいなクオリティ。
ダヴィンチとかが
自分と同じ時代に生きてるような、
確実に100年後の歴史になるであろう作品を
読めることの幸せ。
線をじっくり見れば見るほど、
背景の一本一本に「ちゃんと描かれてる」感が
醸し出されてて、これがまた味わい深いです。
なんという時間の掛け方、
悪夢のような作業量。。
恐ろしい作品でした。
ありがとうございました‼️
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AKIRAは持っているが、童夢はいつでも買えるかなと放置していたら、絶版になっていて古本もままならなかったので、
これを三省堂有楽町店の陳列棚に一冊だけあるのを見つけた時、躊躇なくレジに持って行ってました。
作品の感想はストーリーはほとんど忘れていたので新鮮に読めた。団地の緻密な描写と、日常生活の感じと裏のバトルの差異に感動です。
今なら実写映画化が可能なんでは。
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単行本持ってるしいいかな、と思っていた全集版だが、買ってよかった。いま読んでも鮮烈な物語だ。(弱者へのステロタイプは、現代の価値基準ではなかなか受け入れ難かったりするが。)
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団地で起きる不思議なバトル。
それらを知らない団地の住民と警察たち。
のんびり日向ぼっこしているお爺ちゃんが怖い
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1983年ということは、1967年生まれなので16歳(中3か高1)の頃読んだ衝撃の漫画。
とにかくぶっ飛んだ記憶は残っている。
著者あとがきに、エクソシスト・HOUSE・ウエストサイド物語などが出てきて、さらに納得した。
アルジャナン・ブラックウッドの「移植」は未読などで、読んでみたい...
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言わずと知れた名作。「ズン」で有名で、超能力の強大さや凶暴さを可視化することなく初めて描いてみせた漫画。シンプルなPKの演出としては漫画界ではトップだと思う(余談だけど、映画界ではタルコフスキーの「ストーカー」が個人的にはトップ。ラストに登場する美少女のPKの演出はもはや芸術)。超能力を扱うのが子どもと老人だけというのもいい。具体的に何をしたいのかが見えてこないため、そこに恐ろしさが生まれる。
とはいえ、私が本作の特に好きなポイントは実は超能力要素ではなくて、団地の景色だったりする。団地なんてひどく日常的な空間なはずなのに、本作における団地はどこか不気味な空気が流れている。日常と非日常が背中合わせで存在しているような景色。例えば冒頭の非常口。団地の棟の間の遊歩道。各家庭の明かりがほのかに射す廊下。斜め上空から写した屋上。どこにも怪しげな魅力が詰まっていて、デヴィッド・リンチが監督しようと思ったのも頷ける(映画化なぜ頓挫したんだ……)。異世界の創造には必ずしもファンタジックな、あるいはSFチックな要素を持ちだす必要はなくて、日常のあるポイントに焦点を当てるだけでも現出するものなのだということが本作を読めばわかる。
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この作品に出会ったのは、小学生のころ。あまりのリアルな画のタッチに驚愕して片っ端から友達たちに勧めまくった思い出があります。しかも超能力もの。ずっと廃刊になってたのでこの復刊は嬉しい!
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大友克洋全集のうち、「童夢」を部分的にカラー化し、本人の解説と共に収録した巻。
後のマンガに多大な影響を与えた超名作「童夢」が、初回単行本刊行時(1983年)より大判で、かつ一部ではあるが、効果的にカラー化されていることで、新鮮、かつ迫力増で読めるのはうれしい限り。
また、著者本人の解説が当時のロケハン写真とともに掲載され、製作の経緯や、登場人物の命名の由来等々、初めて知る内容があったのも良かった。
「童夢」で初めて登場した、精神波攻撃を受けた相手を中心に壁が円形状にへこむという表現は、今のマンガでもあちこちで見ることがある。
おそらくサイコバトルシーンがあるマンガではデファクトスタンダードとなっている表現だと思うが、原点は本作のはず。
これ以外にも、大友作品は国内外を問わず、絵画、マンガ、映像等のクリエイターたちに、意識、無意識のうちに多大な影響を与えていると思うので、その観点からも全集で著者作品の全容を整理、かつ明らかにしてくれるのはすばらしい。
無事の全集刊行完結を切に願う次第。
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小学校で映画幻魔大戦を観てかなりの衝撃を受けた私にとって同郷の大友克洋さまは特別な存在です。この作品は漫画の概念を変えたと感じます。