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ちょっとモヤッとする出来事に関する短編集。
今時なテーマがたくさん取り上げられており、道徳や国語の物語文として使われそう。
問いの答えがはっきりと描かれているわけではない。それぞれが風のなかの答えをみつけていかないということなんだろうな。
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短編小説10編がまとめられています。
すべて10代の子どもが主人公で、コロナ禍での話やヘイトスピーチ(タケオの遠回り)、ジェンダーについて(おねえさんが教えてくれた)、原発建設?(ふるさとツアー)といった、いわゆる社会派的テーマを意識した作品も多くみられました。
現代社会についてのテーマは、作者の年齢を感じる部分もあり、正直、若手の作家さんの方が巧みに作中に落とし込んでいるという印象を持ちます。
一方で、クラスメイトの依頼を断りきれない己の弱さ(いいヤツ)、周囲の意見とは異なっても自身の信念を曲げない強さ(いちばんきれいなそら)といった、主人公の心の動きについての描写は、今も変わらず、本当に素晴らしいと感じました。
個人的には認知症を患う祖母について、父と息子が語り合う「しあわせ」という作品が、まさに重松清!という感じの作品で、とても好きです。
大人だけでも十分楽しめますが、お子さんをお持ちの方は、親子で感想を話し合ってみるのも良いかと思います。
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時代の空気をしっかり受け止めた内容ばかり
納得するし、どうしてと思うことが多く、さすが重松作品と感じた
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10話の掌編小説。挿絵が可愛らしく、一層想像力を掻き立てられた。モヤモヤを感じながら成長していくのは子供も大人も一緒。主人公に共感し、切なさや悲しみ、怒り、優しさが心にじんわりと沁みた。
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小学生を描いた短編集。2019~2022年にwebマガジンに連載していたいたものが中心なので、マスク生活も取り上げられている。
さすが重松氏、よくとらえてるなぁと思う一方、「ケンタの背中」の最後など、このくだりはいらないだろと思うところもいくつかあったので、★は2つにしました。
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一番好きな作家 重松 清さんの10編の短編集。
子供向けの作品だけど、すごくよかった
すべての子供たちに読んでもらいたい作品。
そして大人にも。
これも大切な一冊になりました。。
いいヤツ イジメ
おばあちゃんのメモ 老い
ふるさとツアー 原発 転校
ぼくらのマスクの夏 コロナ
しあわせ 認知症
いちばんきれいな空 個性
ケンタの背中 さびしさ
おねえさんが教えてくれた 古い習慣
タケオの遠回り 国籍
あきらめ、禁止 教師の思い上がり
帯より
僕はいつも、自分の書くお話には
「答え」なんてないんだと思っています。
読んだあとには、むしろ「問い」が残ってほしい。
答えは風のなか。風を見つめて探すには……
つまり、顔を上げてほしかったのです。
うつむいてばかりの世の中だからこそ。
なにも言わなかったのに、ミロコマチコさんの絵、
そうなってるんだよ。すごいよね。
重松 清
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様々な現状の中で、子どもながらの思いや諦めや対処の仕方がある。
大人には、わからないけど…
かつての子どもの私も、忘れてしまったなぁ。
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人は既成概念や自分の物差しで、物事を判断してしまう。それぞれの立場や環境その時々により、いろんな考え方があるのはわかっているけど、ついつい日常ではそこまで思いが至らない。今回の話の多くは、こたえを委ねる形で描かれていて、1話1話読み終えるごとに立ち止まって、考えてみる良い機会になった。
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やさしく重松清さんは問いかけます
現代を生きる子どもたちへ
そして大人たちへ
それぞれの問題を抱える子どもたち
10編の物語
それぞれにチクリチクリと刺しました
≪ 顔を上げ 考えてみて 風の中 ≫
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「いいヤツ」「おばあちゃんのメモ」「ふるさとツアー」「ぼくらのマスクの夏」
「しあわせ」「いちばんきれいな空」「ケンタの背中」「おねえさんが教えてくれた」
「タケオの遠回り」「あきらめ、禁止。」
10話収録の短編集で、読者に問いかける作品。
クラスメイトから利用される少年、命の優先順位、男尊女卑と差別、隣国との関係など、日常的な物から世界レベルまで、皆の心の中にあるモヤモヤが描かれる。
『あきらめ、禁止。』では教育実習時にお世話になった先生と子供達を思い出し胸が一杯。
上辺で判断せず本質を見る事。
忘れない様にしたい。
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子ども目線での10の短編。
いいヤツでは、「頼られる」と「頼まれる」の違い。
おばあちゃんのメモでは、おばあちゃんの気持ちの方がわかるなぁ…と思えてきたり。
しあわせは、考えかたによって変わってくると思ったり。
いちばんきれいな空は、自分が綺麗だと思ったら曇っている空だっていいんじゃないかと。
おねえさんが教えてくれたは、自分の田舎を思い出してしまった。親戚がたくさん集まるところへの参加ってイヤだった。
タケオの遠回りは、差別をする大人たちに対してどう感じたのか…。
子どもには答えなど出せないのでは。
どの物語でも明確に答えの出せるものなどないと感じた。
まわりと違うことって、そんなにいけないことなのか、と。
右へ倣えが多く、それが良しとされるけど違ってもいいじゃないかと思った。
タイトルの「答えは風のなか」っていい。
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子どもの頃って世の中わからない事だらけだったな。今もだけど‥
原発、コロナ、ヘイトスピーチなど今の社会問題や、先生のこと、イジメやジェンダーは子ども自身の切実な問題だ。親の再婚、老いや認知症など身近な大人の問題にも子どもは接している。
10章のそれぞれの子どもに問題を提示し、主人公が悩み考える姿を描いている。答えはでない。読者も一緒に考えようと導いている。答えは簡単には見つからなくても、顔をあげて空を見あげて考えようと。
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重松清だからほぼ予想できたけれど、あったかくて、どこか物悲しい。
人生には割り切ることなどできない様々な問題があって、一人一人向き合うしかない。
誠実に生きていこうと改めて思うけれど、
なかなかです。
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どんな時代も、どんな世代も、問題はたくさんあるけれど、
答えはそうそう見つからない。
自分で答えを探すしかない。
小学生目線で物語ができている。
家族のこと、社会のこと、色々と考えさせられる。
フリガナもふってあるので、小さな子も読みやすい。
「君の町で」を次に読みたい。
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「いちばんきれいな空」が好きです。評価が可視化されてしまうSNS時代だからこそこういう話が刺さるし、勇気がもらえます。