投稿元:
レビューを見る
「EQ」のダニエル・ゴールマンと
「学習する組織」のピーター・センゲが出す教育本ということで、
読んでみたが自分にとってはちょっと期待外れ。
※EQ
https://booklog.jp/users/noguri/archives/1/4062562928#comment
※学習する組織
https://booklog.jp/item/1/4862761011?carousel=B071WR7XMH
本の主張は、乱暴に言うと、
これからの教育は「SEL教育」だ!ってことなんでしょうが、
SELがなにかもよく分からない自分にとっては、
抽象的で今ひとつピンときませんでした。
(ちなみに、SELとはSocial-Emotional Learningのことで、
「感情と社会性を育む学び」が日本語訳。)
最後の巻末にSELについての説明があるので、
ようやくおぼろげながら理解が進みました。
(SELを知らない人は、巻末から読んだ方が良いです。)
ま、簡単に言うと、感情をコントロールして、
相手との関係性を構築して、
システム思考で考えましょう、
ってことなんでしょうが、
SELもシステム思考も理解が浅い自分にとっては、
ちょっと手に取るべき本ではなかったかな…という印象。
悪い本ではないんですが、これだけだと不十分。
別の本で、それぞれをしっかり別の本で学ぶべきかな、という感じ。
投稿元:
レビューを見る
システム思考によって、EQの能力が拡張される。
EQについて、判りにくい、捉えにくい点が、システム思考を加えることで明確になるイメージでした。
システム思考側からの読者より、EQ側からの読者にとって良本ではないかと思いました。
投稿元:
レビューを見る
最近、教育に関心を持ち始め、購読。本書「はじめに」にもあるように、現代は注意を逸らすものに溢れている社会。電車に乗っても、ソファでくつろいでも、常時接続のデバイスからの情報をついつい眺めてしまう。ぼんやりと、あるいはしっかりと、自分や周囲の人、社会を考えることをしにくくなっていることは確かで、それが学びや思いやりといった「能力」を育むことを妨げているということも体感としてある。本書では、これからを生きるために必要なスキルセットとして、3つのフォーカスを提案している。「自分自身」「他者」「外の世界」の3つ。自分が寂しいと感じている、ということを正しく自覚できなければ、他人が寂しいと感じていることを理解できない。他者の理解がなければ、抱えている課題を解決するための接触や支援ができない。何が正しいかを判断するには、社会で起こっていることに自ら気づかなければならない。これらを子供達、先生、親、社会に広めるためのメソッドがSEL教育ということで、国内でもじわじわ広がりを見せている。事例がいくつか紹介されているので、関係者はぜひ読んでほしい。こんなの自分が子供の頃にはなかったけど、誰かが気づいて実践してくれてよかったよ。
投稿元:
レビューを見る
SELで述べられている5つの能力(セルフアウェアネス、セルフマネジメント、エンパシー、ソーシャルスキル、より良い意思決定)は学校という枠組みだけではなくこれからの社会をより良く生きるために必須の能力だと感じた。
また、それらの力をつけるためには心理的安全性が土台にあるというところや教師が子どもの安全基地になるなど共感する内容が多かった。
SELとは全く新しい特効薬ではなく、これまでもそれぞれの場所で大切にされていたものを整理しまとめたものであり、これまでにも大切にしていた部分も多かった。
また、その方法に一つの正解があるわけではないし直ぐに効果が出るわけでもない。
なので、何のためにこの活動をしているのかという部分をはっきりさせ、種をまき、水を与え続けることが大切だなと思った。
投稿元:
レビューを見る
感情的知性とシステム思考の出会い
世界の教育:ルネッサンスのような状況
感情的知性とシステム思考の出会い
教育の変容の中心:すべては「学ぶ」
トリプルフォーカス:自身・他者・外の世界
新しい選択肢をつくれるように
SEL:社会とのン関わり方と感情の扱いについて学ぶ
社会性発達カリキュラム
SEL5つの能力
神経可塑性を活用
認知制御の力
善きサマリア人の実験
コンパッション
認知的なエンパシー
感情的なエンパシー
教育テクノロジー→新たな可能性
人新生ジレンマ
本能としてのシステム思考
行為と結果の間の時間差
システム思考シンカーの習慣
システムに対する知性
工業型教育モデルの終焉
子どもにとって意味のあることを教える
成功する「考え方の原則」
素人は戦略、プロは兵站
リーダーシップの生態系
人新生時代の教育の課題
CASEL
レジリエンス・ゾーン
四無量心
投稿元:
レビューを見る
EQのゴールマンと「学習する組織」のセンゲによる教育に関する共著。
「なぜ、この2人が?」というほどの驚きはなく、ゴールマンがEQやSQの学校教育の応用に力を入れるのは当然だし、センゲもシステム思考を教育にいれことこと、そして「学習する学校」ではこれからの教育に関する全体的な本もある。
内容的にはこの2人ならこうなるだろうというものなのだが、なんだか違和感というか、なんだかザワザワするものがあった。
子どもの頃から、自分の感情といったことに向き合うことや他者との関係性をつくること、そして全体のシステムに意識を向けること自体に異論があるわけではない。
なんか気になってしまうのは、多分、
・「脳の発達」みたいな「科学的」ディスコースが多い。そうなると、なんか子どもの心理操作につながるような気持ち悪さを感じてしまう。もちろん、科学的でない方法を押し付けるよりはいいのだろうが、子どものうちからこういう心理技法を教えるのかな〜、と。
・「システム思考」関係のセンゲさんの文章では、「○○が機能するためには△△が必要」とか、「●●を伴わない▲▲は機能しない」みたいな文章が多くて、これは「学習する組織」を読んでいても気になることなのだが、あまりに理想主義的で「じゃあ、どこからスタートすればいいの?」という気持ちになってしまう。
・そして、どうやら一番引っかかっているのは、社会変革の尖兵に子どもを使っているような気になること。持続可能な社会をつくるためには子どもの教育が大事なことは間違いないのだが、世の中のビジネスや政治をやっている大人が変わらないまま、「意識高い」子どもを変革の最前線に送り込んでいるような気になってくる。(もちろん、センゲらが、教育意外の分野においても、多くの取り組みを行っているのは知っているのだが)
今の教育に問題がないわけではないことは明確で、変革をすべきで、その方向性として、この本に書いてあることとか、「学習する学校」、「イエナ・プラン」みたいなものがいいと思っている。
それでも、こうした教育制度の変革を考えているのは、やっぱり「大人」なわけで、たとえ良いことであっても、「大人」が「子ども」が学べきことを決めるということの気味悪さが、わたしは拭えないのだな、と思った。
投稿元:
レビューを見る
訳が分かりにくいところがあり、原著の英文と併記して読みたい。
ただし、SELのコンセプトはこれから日本でも広がっていくだろう
投稿元:
レビューを見る
トリプルフォーカスとは、自分・他者・外界の3つに目を向けること。本書では、これらの能力をどうやって子どもたちの学びに取り込んでいくかを、社会との関わりと感情の扱いについて学ぶSEL(Social Emotional Learning)とシステム思考から考察している。
SELで育む5つの能力
自分に気づく力(セルフ・アウェアネス)、セルフマネジメント、他者を理解する力(エンパシー)、ソーシャルスキル、より良い意思決定
SELについてはもうちょっと調べないとわからないなというのが率直な感想で、ここで言われていることが学校教育で実践されているイメージが湧かない。学校というよりも家庭や地域コミュニティのなかで育まれるもののように感じる。親になるとしたらこういったことを意識したいなと思った。
投稿元:
レビューを見る
原書は『トリプルフォーカス』というタイトルで、なんと8年も前の2014年に出版された本らしい。それを2022年に読んでいるけれど、決して古臭さを感じない。むしろ大きな気づきを与えてくれた、鮮度ある内容だと思えた。
教育に関わり続けている2人の著者は「SEE-Learning」という新しい学習プログラムを提案している。SEE-Learningは、すでに広く知られている(とはいえ自分は知らなかったけど)SEL(Social Emotional Learning)と、システム思考を掛け合わせて生まれたものらしい。
著者たちは、この世界を航海するために必要なものとして3つのスキルを提唱する。それが「トリプルフォーカス」と呼ばれるものだ。
1. 自己へのフォーカス:自分の感情や意識に気づく
2. 他者へのフォーカス:他者の感情や意識に気づく
3. 社会システムへのフォーカス:社会システムの存在に気づく
この3つの整理が非常に共感する。フォーカスという単語を使っているのも良い。いま社会に必要なのは「気づく力」なのだ。自分の気持ちに気づかず、他者の気持ちに気づかず、そして自分という存在や自分の行動が社会システムの結果として生まれていることに気づかない。そうした“気づく力の弱さ”が、生きづらさを生み出しているんじゃないかと思う。トリプルフォーカスだけでなく、SELが教える5つのスキルも素晴らしい。
ああ、自分が実現したいのはこれなんだと思った。自分についてちゃんと気づいていること。それが何よりも他者との信頼関係を築くのに欠かせない。気づき、気づき合う。そういう関係に憧れるのは、自分も人生のどこかで近い体験をし、そこに幸せを感じたからだと思う。
SELやSEE-Learningを導入した学校をつくれたら最高だけど、そうでなくても、自分の家族や自分が所属するコミュニティで実践していけたら、幸せな人生を歩んでいけるかもしれない。その意味で、最後の巻末付録にSEL/SEE-Learningについて具体的な手法を解説してくれているのはとてもありがたかった。
自分が幼少期にSELやSEE-Learningに触れていたら、人生は変わっただろうか。でも、今の人生に後悔してるわけでもない。おそらく現実の状況を考えれば、自分の子供もSELやSEE-Learningとは限りなく無縁の環境で育っていくだろう。でも、だからといって大きな欠落を持った大人になるわけでもない。今日までSELすら知らなかった自分がこうして社会の中でメシを食えていることが何よりの証拠だ。
SELやSEE-Learningの必要性は強く感じる。でも、SELやSEE-Learningを誰かに押し付けたり、SELやSEE-Learningがない環境を安易に非難することは避けていきたい。
投稿元:
レビューを見る
SELをどう理解するのか苦慮していましたが、読み進めながら、「関係性に関する知性」を深めるためのものという個人的な見解に辿り着きました。
社会変化はとても激しくなっていて、私たちはそれに対応していく必要があります。個人のレベルで見ると、デジタルツールを用いたコミュニケーションや働き方の変化があり、世界規模でみると環境問題、well-beingなど世界全体で取り組んでいくべきタスクが多くあります。
それらを一歩ひいたところから見ると、「他者」や「世界」といった関係性の中で、「自分」がより良い決断をし行動をしていくことが求められていることが分かります。
本書ではそういった時代に生きる人たち(とりわけ子供たち)に向けて、どのように知性を磨いていけばよいかという指針を示しているように感じました。
少し難解な部分はありましたが、個人的に学びが多く、非常に参考になりました。
投稿元:
レビューを見る
EQのゴールマンとシステム思考のセンゲの夢の共演。自分と他者、それを取りまくシステムの3つにフォーカスする力を高めることが必要、という主張。子供の教育が主題ではあるが、大人に対しても十分応用が効く内容
投稿元:
レビューを見る
高名な著者二人だったので期待して読みましたが、トリプルフォーカスの概念はなんとなく分かったが、全体的にハッキリしないモヤモヤ感が残りました。
翻訳の問題なのか、自分に基礎知識が欠けているからなのか?
巻末付録の解説が理解の助けになった。この付録をつけたのは、出版社も著者二人の話だけでは伝えきれないと考えたのかもしれません。
投稿元:
レビューを見る
この本のテーマは、トリプルフォーカスだ
3つの包括とは自身、他者、外の世界である。へ、そして3つの方がそれぞれには技術があり、大切なのは、この3つをつなげた全体感を持つことだと伝えている。
この変動する世界の中で、自分と言う存在が感じていることに気づき、理解し、そこから他者を理解し、より広い世界へとつながって変化を生み出していくその具体的な筋道を開く必要がある。
子供たちが新しい選択肢を作れるように、1つの試みとしてSELが提案されていた。
SELが教える5つの能力としては
・自分に気づく力
・セルフ・マネジメント
・ソーシャルスキル
・より良い意思決定
SELでは、これらの5つを教えられるべき最も中心となる能力と考えられていた
一つ一つとして見ると、とても大切だと思うが、全体像の把握はあまりできなかった
投稿元:
レビューを見る
SEL中心の本。
社交性×感情を学ぶ。
自分を見つめ、自分の感情に気づく。
その上で他者がどのように感じるかを考え、どう行動するとよいかを考えていく力を養う。
投稿元:
レビューを見る
ダニエルゴールマンのEQを読んで強く刺さったので引き続き読んだ。
感情(というか内発的な動機や興味関心?)、社会、子どもへの教育の3つの掛け合わせ方について。
アメリカの初等教育中等教育の実際を知らないが、日本の総合学習やアクティブラーニング的なコンセプトかしら。
原著が一般向けではないのか、抽象的に書かれているのか、文字数の割には丁寧に読まないと主旨をよみとれない。
新しい世界、21世紀と表現しながら自分達が教育を受けた時とは違うんだ、ということだと先読みしてしまったが、淡々としたスタイルなのか、自分自身に訴えかけてくるものは少なかったのが正直な感想。