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オーシャンクロニクルの続編が出たの嬉しい。面白かったです。
〈プルームの冬〉が近付いてても、陸上民と海上民は相容れないままなんだな。マルガリータ・コリエ育ちはまた違う立ち位置で。。
「獣たちの海」「カレイドスコープ・キッス」が好き。表題作、魚舟の心が描かれてるのが面白かった。魚舟だったころは色々考えてるけど、獣舟になってしまうと飢えを満たす事だけを考えてて、完全に違う生物なんだなとつくづく感じました。
「老人と人魚」、ザフィールのその後を読めてそれも良かったです。
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中短編集4作
構想から切り取ったような短編と、グッとくる中篇
生き残りをかけた種の保存のための取捨選択に正解はないのだろうけど、その先にあるものをわたしも見たい
作者の描写における心の波動はとても響く
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"大異変"を迫り来る現実として感じている海上民たちにとって、生きること、子を成すこと、死ぬことがどのような意味を持つのか――一緒になって思わず考え込んでしまう。生き延びること、命を繋ぐことがなによりも重要なのかと思いきや、凍りつく地球においてなお生きられる人数には限りがある、という揺るがない事実を前に、生死という葛藤の段階はすでに通り過ぎているのだった。
「命を何よりも尊いと考えるなら、それも選択肢のひとつだ。おまえたちは、命の重みを一番に考えるがゆえにその生き方を選んだ」
『カレイドスコープ・キッス』の、若きオサ・ナテワナの言葉にどきりとする。ひとはいつか死ぬ、ならばどこで、どのように死ぬのかを自分で選ぶ。それを考えて行動することは、生の放棄などではありえない。
ナテワナたちの燃えさかる命の炎、輝きに惹かれてメイは海へ出る。自分に与えられた権利や利便性と、自分から奪われた尊厳を見つめて――自分が求める人を追って。
「この悲惨極まりない世界の中で、せめて、自分が愛しいと感じるものをまっすぐに見つめていたい」
待つのはディストピアなのに、温かくやさしい気持ちが湧いてくる。
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このシリーズが本当に好きだ。獣たちの海が切なくて、でも力強いいきものに快さも感じて読んでいて楽しい。カレイドスコープは本編のような、諦めないひとの話でこれもとてもよかった。ルーシィという存在がとても気になるので、その話も読めたのは嬉しいが、ルーシィ月星太陽が読めてないのが悲しい。いつか本になる日を楽しみに待ちます。
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海上民を主人公にした作品集で、当然ながらこれまでの陸上民の視点とはかなり異なる。そこが醍醐味なのだけど。「カレイドスコープ・キッス」がめちゃくちゃ良くてひたすら泣いた。
オーシャンクロニクルシリーズをあくまでフィクションとして読んでいたけど、難民問題、地球規模の大災害、命の選別と、今の自分の生活と切り離せなくなってしまったのでよけいにぐっときた。
銘とレオーの関係や距離は、青澄とマキとはまた違っているけど心地良かった。互いの領域に踏み込まない、からかな。
あ、それから女性キャラクターの口調、「〜だわ」「〜よ」が極力排されてる気がした。
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〈オーシャンクロニクル・シリーズ〉の番外編的な短編集。唯一の中編である「カレイドスコープ・キッス」を除けば、筋があるにはあるがスケッチ的な作品で、これだけ読まされても「なんだこれ?」的な感想しか抱けないかも知れない。シリーズの長編を読んでいると雰囲気が掴めると思うんだけどね。
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「華竜の宮」に始まるオーシャンクロニクルシリーズの短編集。
シリーズ既読者には魚舟、獣船、海上民が登場する独特の叙情的ま世界観を新しいエピソードで楽しめる。
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首を長くして待ったオーシャンクロニクル・シリーズの最新中短編集。短編三つと中編一つからなり、全編書下ろしである。すべて海上民と魚舟の視点から語られている。それらは、「華竜の宮」と「深紅の碑文」で描かれる時代の出来事となっている。そして短編「老人と人魚」では、名前こそ明かされないが長編に登場するある人物の最後が語られたりする。前述の2作品は、「日本沈没」や「デューン 砂の惑星」と比肩されることもあり、ぜひとも読むことをお勧めする。
そして圧巻は、中編「カレイドスコープ・キッス」だろう。海上民と地上民、海上民同士、人とアシスタント知性体(描写が少なめだが)の関係が上手く深く描かれている。最後はじんわりと泣けますよ。
次の短編集は人間の末裔たるルーシィを描いたものになるらしい。期待大です。
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初めて上田早夕里の作品を読んだ。海を舞台にした「オーシャンクロニクル・シリーズ」の第3弾。読むきっかけはハヤカワJAの新刊書というシンプルな理由。表紙の海の情景と、裏表紙の解説に書かれている「海上民」という言葉から、遥か昔のTVアニメ「海のトリトン」に近いのかなと思いつつ読み始めたら・・・見事にハマりました。設定もなんとなく似ている。トリトンの子供時代は陸上で育ち、出生の秘密を知ってから海上で生活し、友達のイルカ(ルカー、イル、カル、フィン)と行動を共にし、ポセイドン族と戦う等々。ちなみに、このアニメの原作は手塚治虫。
自由な海での生活と引き換えに、迫りくる大異変への怯え、その対策に奔走する人間、そしてそれらに巻き込まれる魚舟と獣舟。舞台が海とはいえ、そこでは人間の素晴らしさ、醜さが綴られている。来るべきディストピアに向けて、これからも様々なストーリーが出てくるが、いろんな切り口を楽しみたい。
今回の本は4つの作品からなるが、なかでも本の題名にもなった「獣たちの海」が秀逸。魚舟が生まれてから獣舟に行きつくまでの過程が、魚舟の側から語られる。人間によって、人間のために人工的に生み出された魚舟が本能に翻弄されながら徐々に自我に目覚めていくのは人間にも通じるものがある。魚舟は自分で考えることが少ない分だけ、皮肉にも人間よりも幸せのような気がするな。いずれ獣舟の怒りを直接表現している他の作品に出合う機会もあるだろう。今後、上田作品を入手次第確認すると思うし、それが楽しみになる予感。
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中編「カレイドスコープ・キッス」が最も好きだ。長編を読んだ時の感覚に近くて。途中で泣いてしまった。
多くの望みは叶わず、憤懣は届かないが、前を見据えて力強く、誇り高く生きる外洋の海上民と、違う生き方を選んだ中でも両者にとって最善の選択を模索する海上都市の海上民のあり方は、涙が出るほど清々しい。
本シリーズの長編がいつかまた読めることを切に期待しています。
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短編集。オーシャンクロニクルシリーズというらしい。
華竜の宮読んでから随分すぎてもうストーリーも全然覚えてないこともあって、なんだか、サイドストーリーみたいなんかと思いながら。
さして感情移入もできず、同人誌的なイメージで終わった。
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ダヴィンチで紹介されてて、アマゾンで試し読みして、文庫紙版を購入。
この世界感は大好物。SFです。
舞台は25世紀。未来少年コナンみたいな、ウォーターワールドみたいな感じです。
生き残るために進化した(改良した)人類の話。
上田早夕里さんの「オーシャンクロニクル」と言うシリーズらしく、これはその5作目。短編集です。
ファンも多いようで、読む順番が整理されたサイトもある。
順番にすくって行きたいです。
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オーシャンクロニクルシリーズ、良い。
読む間が開いていたので関連があるかもしれないけれど覚えてなくて分からない残念。
最後色々語ってたけど何が言いたかったんだろう。
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前作深紅の碑文に付随する短編集
この壮大な物語に多様な視点から光を当てる、自在な文体は見事と感じた
どれもそれぞれ味わい深いが、最後の話は特に前作とのつながりが強くてSFらしくてよかった
殺伐とした世界観の中で、なぜかAIが人間味に溢れていてほっとするのも可笑しかった