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古い作品のわりに、新訳でとても読みやすかった。キャラクターがそれぞれクセがあり、人間らしく魅力があって楽しい、エンタメ作品。
でも、アメデが殺されてしまう展開に、えーと思ってしまった…。
プロトスの嘘から全ては引っ掻き回され、アンティムは改心したと思ったら最後にまた法王庁批判、アルニカもサクッと別の人と結婚しまうみたいだし。プロトスもカローラもサクッと死んでしまう。
全て流動的で、混沌とした、移ろいやすい世の中。何も正しいことなんてない、みたいな時代の風刺なのかな?
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2/3くらいまで、アルセーヌ・ルパンみたいで面白い!と思って読んでいた。
残り1/3で、変わった。面白い、だけではなくて。
ルパンの印象と被ったのは、ラフカディオの飄々としたところと、この光文社古典新訳の「あそび」ある訳が、ハヤカワ版のルパンの新訳(ルパンは自分を「わし」とは言わない!)によるイメージと合ったんだろうな。
ラフカディオ、嫌いになれない。
ジッドの本がもっと戻って(再販されて)くればいいなあ
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信じていたもの、頼らざるおえないものが一転する人々が絡み合う話。
人物造形に滑稽さがあって、油断して読んでいたが、ある登場人物の行動からこれまた色々と考える話に転じる。
作者の誤りなども含めて作品への姿勢の表れとする&話の中にも内包する技とは…なんか狡い。
当時の史実も混じえたり、混じえて間違えたり…
現代でも起きている事件や問題に絡むさまざまな立場の人が出てくる物語もあるので、当時はこんな感じだったのかな?という軽い感じでスラスラと読めてしまった。
新訳のおかげだと思うのですが、「名作なんだよな」と構える必要もなく素直に物語に接することができたように感じ、この文庫の別の作品も読みたくなった(ジッドの他作も)
全てのことが大きくみるとその時代の一瞬のこと、どれも変化途中の経過の一つで、起きたことも全て小さく流れて消えていく感じがした。
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「狭き門」は読んだか読んでないのか記憶にない。しかし作家名作品名共に重みのある存在ですが、
今作はそんなクソ真面目はイメージとはちょっと違う、ふわっとした雰囲気でした。